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#いいねされた数だけハマったゲームを紹介する見た人全員やる その1

Twitterでこのタグを見て面白そうだな、と思いツイートしたところ、10いいねを貰ったので今までハマった10本のゲームを紹介した。
この記事はその紹介文をまとめたもの、「その1」である。
長くなりそうなので3つの記事に分けようと思う。

DQやFF、クロノトリガー等の国民的ゲームも勿論、人生に多大な影響を与えたもののひとつだが、今更自分が紹介してもな〜という気持ちがあるので今回はあえて王道路線から外した紹介にしてみた。

MOON

「MOONってゲーム知ってる?」
ある暑い夏の昼下がり、クラスの女の子に話しかけられた。
その子はいわゆる幼馴染というやつで、子供の頃よく一緒に下校したり、お互いの家でゲームをしたりしていたが、大きくなるにつれて疎遠になってしまっていた。
しかし、高校生になっても未だ私がゲームが好きという情報をどこからか仕入れたのだろう。
おそらくかなりの勇気を出して話しかけてきてくれたに違いない。
「いや、そのゲームは知らない。
でもさ、聞いてよ。最近ヴァンパイアセイヴァーにハマっててさ、この間乱入されたんだけど5連勝したんだ。新宿の西スポで5連勝だよ、わかる?あ、ちなみにリリス使いね」
舞い上がってオタク特有のメチャクチャ早口で捲し立てたし、勿論その子は「その話長くなる?」と言って呆れてどこかへ行ってしまった。

その頃私は格ゲーのことしか頭になく、いかにして対戦で勝つかというこということしか興味がなかった。
しかしその1年後、友人が「いいから騙されたと思ってやってみろって!」と言って押し付けてきたMOON。
なんか1年くらい前に幼馴染の子が勧めてきたな、と思い出しつつ暇を持て余していたのでプレイすることになる。

なんの前情報も入れずにプレイしたMOONは衝撃だった。
まず始まるファミコンのような画面の「いかにも」なRPG。
それをクリアすると飛んでくる「早く寝なさい」というお母さんの叱る声。

その後オープニングでプレイしたゲームの中に入ってしまう主人公。
しかし、主人公はそのゲームの勇者ではない。
ゲーム内の勇者はモンスターを虐殺し、他人の家を勝手に漁ることで悪名が高く、主人公はその勇者の所業を修正してゆくのだ。
大まかにいうと勇者の殺したモンスター達を生き返らせてゆく。

個人的に一番心にきたのは初期のホームポイントであるおばあちゃんの家だ。
一軒家におばあちゃんが1人で住んでいるのだが、このおばあちゃん、実は勇者の祖母なのだ。
目が見えないので主人公が来ると勇者が久しぶりに帰ってきたと大喜びする。

ここではっとさせられるのが、一般的なRPGは自宅からスタートしても、自宅に戻ることはほとんどないということ。
そう、勇者は旅に出たまま一回も帰ってきていない。
そんなことを思いながら初期はこのおばあちゃんの家をかなりの回数行ったり来たりする。
すると、勇者の代わりにおばあちゃんの側に居てあげたいという気持ちがかなり強くなる。

全て書くとネタバレなってしまうので控えておくがMOONは難易度が高い。
テクニック的な難易度ではなく、いわゆるちょっと理不尽な謎解き要素が多い。
かくいう私は攻略サイトというものが存在しなかった当時、擦り切れるほど攻略本を読みながらクリアした。

最近移植版が発売されたが、買っても結局投げてしまったという声も聞く。
でも、クリアする価値は確実にあると思うので興味のある方は是非プレイしてほしい。
特にUNDERTALEを制作するにあたってTobyが影響を受けたゲームのひとつであるのでお好きな方には是非オススメしたい。

最後に幼馴染のヒロコちゃんに謝りたい。
あの夏の日、私がクソどうでもいいイキった格ゲーの自慢話などせずに、彼女の話に耳を傾けMOONをプレイしていたらまた運命が変わっていたかもしれない。
そうは思わずにいられないのである。

ヴァンパイアセイヴァー

ゲーセンに通い出したきっかけはなんだっただろうかと思い出してみると、当時ゲーム雑誌で見かけたバレッタのあまりの可愛さに衝撃を受けたからだった。
今でこそ童話モチーフのキャラクターなんてそこら中ありふれているが、当時にしてみては、赤ずきんをモチーフにしたハンターの女の子のキャラクターは斬新だったと思う。
当時はファンタジックな世界観の格闘ゲームが少なかったせいもあり、個人的にかなりツボに入った。

だから私が入ったヴァンパイアシリーズはセイヴァーからだ。
当時「セイヴァーから」って言うのはちょっと恥ずかしいことで、「セイヴァーから?若いね〜!」と言われたものだが今となってはそんなこと全く気にしなくていいのが悲しい。

もはや名作中の名作なので内容に関してはウィキペディアを見た方が早い。
なので当時の思い出話を書こうかと思う。

バレッタの可愛さに衝撃を受けてプレイしたはいいが、色々試した結果リリスの方が使いやすいということで当時はリリスを使っていた。
一緒にゲーセン通いをしていた友人がモリガン使いだったのでなかなかバランスが取れているな、とお互いほくそ笑んでいたりしていた。

そんな仲の良い友人と2人で対戦台に座って練習していたある日、あと1戦で帰ろうと話していたにも関わらず相手のコインが追加投入された。
もうちょっとやるのかなと思いつつ画面を見ていると、デミトリが選択される。

おかしい、友人の持ちキャラではない……

それからは流れるようなコンボ。
最後にミッドナイトブリスを決められてしまった。

「あ、これ絶対違う人だ」

そう思って立ち上がった時、対戦台の向こうから困った顔の友人と、やたらニコニコしたおじさんが姿を現した。
「ん??その人誰?」
私が友人に尋ねると
「なんか急に退いてって言われて……」
と、かなり困惑した様子だ。

「ウンウン、いきなりごめんねえ〜君ねえ、筋はいいんだけど繋ぎ方がちょっとねえ〜初心者かい?」
「あ、はい、最近始めて……」

「やっぱりねえ、おじさんが基本的な立ち回りを色々教えてあげるよ。雑誌に載ってたコンボそのままやってるだけでしょ?ハイ、これあげる」

そこには友人と私の2人分のゲーセンカードが用意されていた。
しかも5000円。

「ええっ!?いいんですか!?お、おいスゲーラッキーじゃん!!」
素直に喜ぶ友人を尻目になんだかうすら寒いものを感じた私は

「いや、そういうのいいですから!!」
と言って友人の手を取って走って逃げた。

「もったいねえ!!」
と友人は騒いでいたが、知らないおじさんの5000円をどうしても受け取る気にはなれなかった。

そう、「初心者に教えてあげるおじさん」は当時のゲームセンターにも存在したのである。

その後、ゲーセンを通して友人ができて大勢でつるむようになってからそんなおじさんは現れなくなったが……
それからは友人や仲間内でワイワイ遊ぶだけというぬるま湯に浸かるような環境になり、特に格闘ゲームがメチャクチャうまくなった訳ではない。

が、あの日、あの時おじさんの教えを請うて対戦台に座り続けていたら……
今も格ゲーのオンライン対戦に勤しんでいたかもしれない、と思うことがたまにあるのである。

最後に、ヴァンパイアセイヴァーの紹介を全くしていなくてごめんなさい。

Detroit Become Human

このゲームを初めて知ったのは大好きなVTuber、バーチャルおばあちゃんの放送を通してである。
おばあちゃんの放送は基本的にゲームの内容を茶化したり、面白おかしく演出したりするのでシリアスなゲームでもシリアスにならない。
しかし、それでもカーラ編のとあるシーンで号泣してしまった。
そして、これ以上放送を見るのはやめて自分でプレイしようと決心した。
(あと、おばあちゃんは基本的に天邪鬼なプレイをするので自分ではこうはならんな、と思ったシーンが多々あった 所為もある)

舞台は2038年のアメリカ、デトロイト。
人間そっくりのアンドロイドが流通し、世の中に溢れている世界。
コナーという警察の捜査サポートをするアンドロイド、カーラという家事手伝いアンドロイド、マーカスという老人の介護をするアンドロイドの3人の視点からストーリーが描かれる。
彼らは人間に使われながらも、徐々に人の感情を持ってゆく。

アンドロイドが普及した為、職を奪われた人間たちが反アンドロイド派になっていたりと社会情勢の表現も奥深い。

まるで映画を見ているかのようなビジュアルやストーリー、システムだが物語の分岐を自分で選んでゆくので一本の映画を自分で作っているような満足感がある。
そしてこのストーリー分岐、無数にあるので全く同じストーリーになる確率は極めて低い。
まさに自分だけの映画でありストーリーだ。

私の周りもプレイしてる人は多いが、自分と全く同じストーリーになってる人は友人たちの中にいない。
更にフレンド達がどんな分岐を選んだか物語の区切りで表示されるのを見るのも面白い。

私は「アンドロイドと人間」というテーマが昔からツボで、デトロイトに関しては本当に最初から最後まで自分の好きな要素しかなかった。

そして1 周目がたとえいいエンディングにならなかったとしても、自分の選んだ選択に後悔はなく、一生の思い出に残るものになったと思う。
ゲーム的な難しさ等はない上、SF映画が好きな人なら間違いなくハマると思うので是非気軽にプレイしてみてほしい。(ストーリーの内容は決して気軽とは言い難いが)

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