ドラゴンクエスト10を1万時間プレイしてみた結果1
ドラゴンクエスト10というゲームをご存知だろうか?
という書き出しにしようかと思ったがドラクエ10がなんなのか、どういうオンラインゲームなのか、といった記事はわかりやすく、素晴らしいものが世の中に沢山あるのでここは自分の経験や思い出を交えてドラクエ10を10000時間プレイした感想を書こうと思う。
ちなみにこの10000時間というのは発売初日から初めて10000時間であり、10年の時を経ていること、そして、あくまで「メインキャラ」のプレイ時間なのでサブキャラを入れると12000時間くらいはプレイしていることを前提にお話する。
サービス開始から10年続くドラクエ10とはどんなゲームなのか
10年前のあの日。
サービス開始の2012年8月2日。
あの頃は賑わっていただとか、毎日が冒険で新しいエリアに行く度にワクワクしていただとか.........
MMOにおけるサービス開始直後の興奮ぶりはおなじみだと思うので改めて記述はしないでおく。
PSOから始まってリネージュ、ラグナロクオンライン、FF11とプレイしてきたがDQ10に初めて触れた時の感想は
「こんなにわかりやすいUIのオンラインゲームはない」
ということだった。
何故そう思ったのかというと、私はドラクエのナンバリングタイトルは全てプレイしており、ドラクエの操作における「お約束」を元々熟知していたからである。
「はなす」「どうぐ」「しらべる」
これらの基本的なコマンドを選ぶだけでストレスなく、自然に操作の仕方が頭に入ってくるのは素晴らしいことだった。
MMOにおいて最初のつまずきは「操作性」であり、初心者がベテランに手始めに質問することの多くは「どうやったらそのコマンド出せるの?」
だろう。
DQ10においてはそういった最初のつまずきがなく、なんとなく「こうすればこうなるんだな」というのが想像できる。
いい意味で全然MMOっぽくない
UIなのは個人的には嬉しいことだったが、ドラクエのUIに慣れない、そもそもドラクエのUIがなんかダセエ、と思う人にはストレスに感じるかもしれない。
ただ、今までドラクエのナンバリングを遊んだことがある人は息を吸うように操作の仕方が理解できるだろう。
特にここ数年でDQ11を遊んだことがある人には、DQ10とは共通する操作が多いのでオススメである。
なんかダセエRPG
「なんかダセエ」
という話をしたのでDQ10の絶妙なダサさについてついでに説明する。
そりゃ10年前のゲームだからグラフィックとかダサいだろって思うかもしれないが、そういう問題ではないのである。
例えばこちら2014年のバレンタインイベントの限定装備。
アンナミラーズである。
8年前のイベントだから多少はね?と思うかもしれないが、申し訳ないことに8年前でも思わず「ダセエエエ!!」と叫んでしまった
アンナミラーズの制服が可愛いだとかエッチだとかで流行ったのって2022年の今から逆算して20年以上前の話である。
8年前の時点で若者は既に「アンナミラーズってナニ?」状態だった。
ちなみにわからない人に説明すると昔は都内に多数存在したカフェ寄りのファミレスである。
https://www.annamillersrestaurant.jp/
8年前のイベントの衣装だから今では多少改善されてるのでは?と思いきや
そうでもない。
2021年に発売されたこの課金おしゃれ装備。
20年前に原宿の橋のところにいた人?
2021年にこれが、しかも課金装備で発売された時は絶句してしまった。
しかしこの「ダサさ」、「芋さ」をネタにしながら楽しむのもDQ10の醍醐味だと思っている。
弁解するとかわいい、かっこいい装備も沢山あります。
オシャレな装備は......まあ、ないかな。
昔なじみのUI、どこかで見たことあるような装備デザイン、これらを総合すると「安心して入りやすい」MMOなのは保証できる。
なんとなく理解できる操作でなんとなく進めてゆけばなんとなくストーリーが進んでいることだろう。
ストーリーをメインに歴史をなんとなく振り返る
DQ10のストーリーの良さについては多くの人が触れていると思う。
なのでこれから書くのは私の感想である。
物語の深い部分には触れないが若干のネタバレを含むので気になる方は飛ばしてもらったほうがいいだろう。
まず前提として主人公は勇者ではない。
勇者ではないDQとしては2、5、6、7、8、9が挙げられるが、10もこれに加わることになる。
主人公は「盟友」という立場で勇者の相棒的な立ち位置、DQ11でいうところのカミュである。
だがこの主人公、勇者以上に遥かに過酷な運命を背負っているスーパー苦労人である。
物語開始当初に自分の暮らしていた村が魔王の手によって滅ぼされてしまうのはDQあるあるだが、10の主人公の場合、そこでなす術もなく死んでしまう。
かつて人間であった主人公は、なんの因果か同時期に死んだ他の種族に憑依し、その種族としての二重の人生を背負うことになる。
この憑依する生き物こそが、オーガ、ウェディ、エルフ、ドワーフ、プクリポという5つの種族である。
まず、手始めにどの種族になるか選択できるのだが一部の人が悩むのは
「なんか全体的に種族の肌の色がおかしい」
ことである。
赤や青、緑の肌というのはマーベルヒーローにも存在するし、海外では馴染み深いと思うのだが日本人はこういったカラフルな肌の生き物に難色を示す人もいるだろう。
そういった人には色白のエルフか、マスコットキャラ的種族のプクリポをオススメする。
ちなみに私は異色肌や人外が大好きなので、DQ10の種族デザインはむしろ推すべきポイントである。
さて、最初の「主人公はスーパー苦労人」という話に戻るのだが、物語開始直後に死んで、更に他の種族としての二重人生を送るだけでなく、主人公には特記すべき能力がある。
それが「時渡り」だ。
主人公が住んでいた「エテーネ村」の「エテーネ民」はかつて「時渡りの術」を使いこなし時間を行き来することができたのでこれを危険視され魔王に村ごと滅ぼされたといういきさつがある。
本体が死んで死体に憑依した挙句時間も行き来できるなんて某魔法少女やんけ!
この設定だけでも物語が鬱展開になるのでは?と不安に思う人はいるだろう。
この予想は半分当たっていて半分違っている。
何故ならバージョンによって話の傾向が違うからである。
これについて個人的な感想も交えつつ詳しく説明する
Ver1 目覚めし五つの種族
主人公の故郷の村を滅ぼした宿敵、冥王ネルゲルを倒すまでのお話。
王道展開のストーリーに加え、熱い話や、泣けるけどちょっとゾッとする話......5つの種族それぞれにスポットが当たったストーリーがあり、世界観や種族の特徴などを知ることができる。
実にドラクエらしさが盛り込まれたバージョンである。
★当時の思い出
前述した通りMMOにおけるサービス開始直後の興奮ぶりはおなじみだと思うので改めて記述はしないでおく。
毎日が新鮮で、新しい出会いや冒険にワクワクしていた時期だった。
Ver1で引退した人はどういう人なのか
ドラクエ10は大昔に引退したけどVer1までやったよ、という人は結構いる。
主人公の宿敵である、冥王ネルゲルを倒したは良いが肝心の「勇者」が出てきていない。
物語はこれからだという時に引退してしまう.........その心は
・レベル上げのキツさ
ver1ディレクター、藤澤仁はこの時代ドSと言われた人物である。
とにかく職業ごとにレベルを上げるのがキツく、同じモンスターを何時間も狩り続ける必要があった。
かく言う私も浜辺で何時間もタコメットというタコみたいなモンスターを狩り続けていた。
当時レベル上げにうんざりしたフレンドから「そんなにタコ狩って何が楽しいの?」と聞かれたことがある。
何も楽しくないのである。
それなのにタコを狩り続けていたのはもはや意地であっただろう。
あとMMOってそんなもんだよな、という何かしらの諦めがあったのかもしれない。
・移動の不便さ
広大なフィールドマップはMMOにつきものだが、当時は移動時間を短縮する乗り物が存在しなかったため全て徒歩だった。
ちょっとしたおつかいクエストで「あそこに行け」「ここに行け」等と言われるのだが膨大な時間をかけて移動する必要があった。しかも移動先であっさり死ぬこともあった。
しかしながら当時の自分はむしろそれすら楽しんでいた節がある。藤澤仁がドSなら私はドMだった。
・強ボスの勝てなさ
ver1.4で実装されたのが「強ボス」と言われるエンドコンテンツである
個人的にはこの時期の「強ボス」が今まで実装された全てのエンドコンテンツの中で一番難しかった。
徐々に緩和されていったが初期段階ではあまりの勝てなさに病んで引退する人も少なくはなかったと思う。
Ver2 眠れる勇者と導きの盟友
新たな大陸への船出、そして勇者姫との出会いや共闘を描いたお話。
ver2で登場したキャラクターは魅力的で、どれも印象深い。
Ver1が正統派なら、Ver2はキャラ萌えも狙った路線。
かつ新たな大陸に散りばめられたストーリーも味わい深く、勇者とのエピソードも印象的なのでまさにDQ10の黄金時代と言っても過言ではないだろう。
個人的にVer2の良いところを挙げると「遊び心の多さ」である。
ちょっとしたお使いクエストでもキャラクターの魅力を表現し、かつちょっと笑えるネタ要素も入れてくる。新しいクエストが実装される度「次はどんな仕掛けがあるのかな?」とワクワクしたものだ。
★当時の思い出
ディレクター、齋藤力が就任した直後はお祭り騒ぎだった。
Ver1で苦しめられた不便さのほぼ全てを緩和したのである。
レベル上げや狩場の緩和はもちろん、移動時間短縮の乗り物の実装。
修行僧のように画面に向かっていた我々にとって齋藤力はまさに天使のような存在であった。
Ver2で引退した人はどういう人なのか
Ver2で引退した、という人は少数のように思える。
時はまさに黄金時代、毎日寝る暇もない程楽しいコンテンツがたくさんあった。
なのでVer2で引退した人の多くは「勇者の物語に区切りがついたから満足した人」なのではないかと思う。
Ver3 いにしえの竜の伝承
竜族が住む地・ナドラガンドが舞台のお話。
Ver1で活躍したキャラクター達に再びスポットが当たり、キャラクターの掘り下げを行った作品でもある。
竜族と呼ばれる新しい種族も登場し、もしや主人公も竜族になれるのでは?と思いきやそんなことはなかった。
ストーリー自体は相変わらず素晴らしいが、様々な問題点があったバージョンである。
話の傾向はやや暗めだが、基本的には王道ストーリーである。
★当時の思い出
ディレクター、齋藤力の元気がなくなった。
Ver2で誰もが感謝した「緩和」が徐々に裏目に出てきた時代である。
当時なんの疑問も抱かず与えられる飴をしゃぶっていた私だったが、与えられすぎると様々な不具合が発生してしまうことに気づく。
これについての詳しいことは様々なサイトに載っているので改めて説明はしないが、MMOにおける運営の舵取りというはとても難しいのだと知らされる。
ver3で引退した人はどういう人なのか
ver3で引退した人は多い。
自分がいたチームのメンバーやフレンドも総合して一番人口が減ってしまったバージョンである。
多くの問題があったと思うがメインストーリーを進める上でもそれらは発生していた。
各バージョンのストーリーが短すぎたことや、ボスが強すぎたこと等がこれに当たる。
また、ダンジョンに散りばめられた謎解きも賛否両論があり、面倒だと感じてしまう人もいた。
メインストーリーを最も楽しんでいる層にはこれらが大きな壁となり、引退へ至ってしまったのは言うまでもない。
今でも引退した友達に「DQ10に復帰したいけどVer3って課金で飛ばせないの?」と聞かれる時がある。
未だに飛ばせないが、少なくともボスが強すぎる問題は緩和されているので戻ってきてくれると嬉しい。
Ver4 5000年の旅路 遥かなる故郷へ
主人公の能力、「時渡り」に焦点を当てたお話。つまりタイムトラベルものである。
時を旅することで主人公のルーツを辿ることになるので数多くの真実が明かされる。
ver4からガラッとストーリーの傾向が変わって驚く人も多いと思う。
全体的に鬱々としており、やるせなさ、救われなさ、後味の悪さ.........
これ見たことある、DQ7だ!!
シナリオチーフである成田篤史が本気を出してきたな、と感じるバージョンである。(※DQ7のシナリオアシスタント)
過去のドラクエのナンバリングではとても見られない表現が使われ、個人的に一番心に響いたストーリーである。
★当時の思い出
完全に元気がなくなってしまった齋藤力に代わり安西崇がディレクターになった。
安西崇は元々DQ10のバトルプランナーであり、その甲斐もあってかバトル周りのシステムに大幅なテコ入れが行われ、痒いところに手が届くようになったなと感じた。
同時にクエスト周りにパワーダウンが見られ、クオリティの低いクエストが連発されていた時期があったのだが、ひとつだけズバ抜けて面白いクエストが発表された。
後にそれが齋藤力が最後に作ったクエストだと知る。
齋藤力に関しては色々とあったが、個人的には大好きなディレクターだったのでこの時に何故いなくなってしまったのだろう、と泣けてきてしまった。
ストレスでげっそり痩せてしまった彼の姿を見ると無理強いはできないが、作品に対する愛は本物だった。
本当に惜しい人がいなくなってしまったと思う。
ver4で引退した人はどういう人なのか
ver4のストーリーが収束した後、フレンドからチャットをもらった。
「ストーリー終わりました?もし終わってたら愚痴を聞いてもらえませんか?」
曰く、何故今まであんなにワクワクしたストーリーが鬱々とした雰囲気になってしまったのかということ。
救われない展開は本当にやるせないということ。
「今のストーリー自分に合わなくて......引退するかもしれません」
そう言ったフレンドはバージョン5も少しやっていたようだが程なくして引退してしまった。
私はその時はっきりとは言わなかったが心の中ではこう思っていた。
「う~ん!この救われない感じがいいのになあ!」
Ver5 いばらの巫女と滅びの神
主人公、ついに魔界へ!
新種族、魔族が登場するバージョンである。
Ver3で竜族が出てきた時、竜族になれるかと思いきやなれなかったことを反省しているのか、このバージョンでは魔族になることができる。
Ver4に引き続き成田篤史が本気を出しているほの暗い部分もあるが、王道展開もあるというバランスの取れたストーリーである。
★当時の思い出
バージョン5で個人的に注目したいのは露骨に腐向け、夢向けを狙ってきたということだろう。
DQ10は過去何回か腐女子層、夢女子層を取り入れようと頑張っているがどれも失敗に終わっている。
しかしバージョン5の展開は初期段階で既に「腐と夢を何なのかわかってる人が露骨に狙ってきた」と思う部分が多々ある。
後半につれてそれは確固たるものに変化してゆき、確信に変わったのは各キャラクターの声優が演じる朗読劇「アストルティア拾遺譚」を聞いた時だった。
Ver5はキャラクターに声優がついた記念すべきバージョンであるが、「アストルティア拾遺譚」はその声優たちが年に1回開催するDQ10のイベントで昔懐かしい「ラジオドラマ」的なノリでオリジナルの台本を朗読する催しである。
このオリジナル台本がまた露骨な腐向け、夢向けで、DQ10のストーリーにおいて「公式の供給が凄い」と感じたのはこの時が初めてである。
今時ラジオドラマってwwww
と思われる方もいるだろうがDQ10のプレイヤーの年齢層が高めなのを考えた末のサービスなのかと思うとまた泣けてくる。
Ver5で引退した人はどういう人なのか
一番多いのは新しいコンテンツに真新しさを感じなくなった人、季節イベントや限定クエストに魅力を感じなくなった人だろう.........というありきたりな答えはさておきストーリーから離れてしまった人の中には
「なんかホモっぽいからヤダ」
という人もいるだろう。
「なんかホモっぽいからヤダ」という感想は周りの男性陣数名から聞いており、実際彼らのストーリーはVer5の途中で止まっている。
一方、腐としては同じキャラクターが好きな人と騒いだり、プレイヤーイベントで盛り上がったりと人との交流がとても楽しかった時期だったと感じる。
さて、ここまで好き放題ストーリーや当時の思い出話について語ってきたので何の参考にもならなかったとは思うが次はちょっと真面目に戦闘システムについて語ってみようかと思う。
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