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ドラゴンクエスト10を1万時間プレイしてみた結果2

DQ10の戦闘システムって?

ある時FF14をプレイしてる友人から尋ねられた。

「DQ10からFF14に来た人って戦闘中やたらピョンピョン飛んでるけど何で?」

そう、DQ10の戦闘とはピョンピョンしながら相撲することである。

ジャンプと相撲の必要性

DQ10の戦闘方式はコマンド戦闘である。
DQ特有のピッ、ピッ、と、ひとつひとつコマンドを選ぶ戦闘を行う。
それに若干のアクション要素が付随してくるのだが、それが「ジャンプ」であり「相撲」である。

通常、タンクと呼ばれる役割の職業は敵視を集めアタッカーを庇いながら戦闘を行う。
しかしDQ10におけるタンクは敵視を集めない。
逆に敵視をアタッカーに集中させ、敵視を向けたモンスターの攻撃がアタッカーに届かないように押し続けるのである。
この脅威のシステムを「相撲」と呼ぶ。

次に「ジャンプ」。
タイミングよくジャンプボタンを押さないと即死攻撃を食らわせてくるモンスターがエンドコンテンツには多くおり、ジャンプをしながらコマンドを繰り出せば、即死攻撃に対する対策がとれる。
なのでエンドに通ってる人は常にジャンプしながら行動する癖がついてしまっている。

この基本的な動きを組み合わせると「なんかピョンピョンして位置取りしながら敵を押してる」状態が出来上がるのである。
FF14をプレイしている友人が言うように、スプラトゥーンばりに戦闘中ピョンピョンする光景は知らない人から見たら奇妙に映るかもしれない。

そもそもFF14はピョンピョンする必要はないらしい(びっくり)

DQ10の戦闘とジャンプと言えばこんな思い出話がある

皆から「お母さん」と呼ばれているフレンドがいた。
何故こんなあだ名がついたのかというとリアルでお母さんだからなのだが、このお母さん、「年齢が高め」とのことだった。

「いっちさん、お夕食は何を食べましたか?」
「いっちさんはご結婚してらっしゃるの?」
「いっちさんのご家族は何人家族なの?」

「お母さん」はこんな質問をいつもチャットで飛ばしてきた。
MMO内でこんなことを聞かれたら普通ならば警戒してしまうが、「近所のおばちゃんに道端で質問されている」くらいに考えると不思議と警戒心は無くなってしまうのだった。

「お母さん」は24時近くなると眠くなってしまうらしく、パーティを組んでいると度々動かなくなってしまうことがあった。

寝オチである。

そんな時は大抵息子さんが出てきて

「息子です。すみません、お母さんコントローラー持ったまま寝ちゃって……」

と、代わりにチャットを打ってくれた。

事情をわかってるパーティメンバーは「いいよいいよ!気にしないで!」と言うのだが、その場合息子さんが自分のキャラを出してきて
「ボスに行くんですよね?僕が代わりに行きますよ」
とフォローしてくれる。
なんて連携の取れた親子なのだろう。
一緒にゲームができる仲の良い親子の図は私にとって憧れでもあった。

ある日、そんな息子さんから相談を持ちかけられる
「いっちさん、実はお母さんのことで相談したいことがあるんですが良いですか?」
深刻そうな話か?と思いつつ「どうしたの?」と尋ねる。

「コインボスのドン・モグーラにお母さんを連れて行ってあげたいんですが………」

コインボスというのはインスタンスダンジョン内で召喚アイテムを使うと現れるボスで、中でもドン・モグーラはHPを底上げするアクセサリー、「大地の大竜玉」が討伐報酬なため重要視されていた。



しかしながらこのボスを呼び出す召喚アイテム、当時はバザーで高額で売られており、負けたら2度と戻ってこない仕様であった。
なので勝つためにはそれ相当の準備や覚悟が必要だった。

「モグラか………それは…………」

思わず言葉に詰まってしまう。
何故ならこのドン・モグーラ、「ジャンプ避け」ができないと即死する技を使うのである。
そしてお母さんはこの「ジャンプ避け」ができなかった。

「お母さんがジャンプできないことはわかってるんです、でも大竜玉を取らせてあげたくて。どうしたらいいと思いますか?」

私はしばらく考えた後

「お母さん、アタッカーだよね?僧侶(ヒーラー)を2人にしよう、片方僕がやるよ」

と答えた。

「でも、それだと殲滅間に合いますかね?」

コインボスと戦える制限時間は20分だった。
回復メインの僧侶が2人いては火力が足りない可能性が高い、果たしてそれで間に合うのか………

「もし間に合わなそうだったら武器に持ち替えて殴りながら蘇生回復する、それで20分ギリギリまでやってみよう。
あと、お母さんには失敗してもいいからできるだけジャンプしてもらおう」

「わかりました!教えてみます」

息子さんは他にもお母さんと仲の良いフレンドに声をかけ、そして決戦当日を迎えた。


「お母さん、モグラが腕振り3回したらジャンプだよ!」

「腕振りきたら合図しますね。聖女(即死をくらってもHP1で生き残る技)かけますし、死んでも蘇生するのでできるだけやってみましょう!」

皆の言葉にお母さんは「がんばります」と答える。

そして結果は………殲滅に17分程かかったが見事な勝利であった。
お母さんのジャンプ避けは1回だけ成功し、コントローラーを握りしめながら皆で泣いた。
いや、画面の向こうのパーティメンバーが実際泣いたかはわからないが、少なくとも私は泣いたのだ。

ドキドキしながら討伐報酬の宝箱を開ける。
当たりなら大地の大竜玉現物が入っている、ハズレなら……10個集めると現物になる破片が入っている。

中には見事な現物が入っていた

大当たりだ

「お母さん!見て!現物だよ!」
「強運だね、ここずっと現物見てなかったよ!」
「初めて見た」

パーティメンバーの喜びようにお母さんは何度もありがとう、とお礼を言っていた。

「お母さんに大地の大竜玉を取らせてあげたい」

この時、息子さんの願いはお母さんと仲の良いフレンド全員の願いだったように思う。

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