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眉マスカラをまつ毛につけてた

朝、洗面台の鏡の前。左眉に眉マスカラをつけて、右眉にいかずになぜか右目のまつ毛につけた時点で、「今日大丈夫か?」という予感があった。眉毛に使うマスカラを、なぜか無意識にまつ毛につけていた。

シャンプーしたかどうか忘れたり、忘れ物を何度も取りに帰ったり、なんだかぼーっとしててダメな日が年に数回はあるのだけど、今日はその日だったのだと思う。それでも、眉マスカラをまつ毛につけるという間違いは初めてだった。

茶色になったまつ毛をカモフラージュするみたいに、黒いマスカラを上から丁寧に重ねる。久しぶりにマスカラ使ったからか、まばたきしたら下まぶたにマスカラの黒がベッタリついた。クレンジングと綿棒を使って拭き取る手間が増えた。

そんな朝から始まった今日は、全然うまく進まなかった。自分のミスに気づいていろんな仕事が後ろ倒しになり、迷惑もかけてしまった。

取材でも、関わる人にお世話になりっぱなし。わたしひとりじゃ何もできないし、自分の力だけではいいものをつくれないことを何度でも思い知る。関わらせてもらってるひとには、本当に感謝しかない。

うまくいかないことって、なぜか連続して起こる気がする。でも実際、悪いことって本当に連続するものなのだろうか、とも思う。自分が勝手に「うまくいかない」と思い込んでるせいでダメなところにばかり目がいって、ますます運が悪くなっていくような気もする。


去年の秋頃、『霜降りミキXIT』という番組にSHOWROOMの前田裕二さんがゲストとして出演していた。前田さんはその番組で、採用面接で人を見極めるために「自分は運がいいと思いますか?」と質問すると話していた。

自分は運がいいと思っている人は、たとえ仕事がうまくいかないどん底なときでも、なんとかしようと行動を起こしてくれる人。だから、自分のことを運がいいと考える人と一緒に働きたい。そんなことを言っていた。

柔和な雰囲気でにこやかに話す前田さんを見つめながら、「自分は前田さんとは働けないのか……」と残念な気持ちになる。というのも、その時期のわたしは、どうしても「運悪すぎ!」と思えてしまう日々を過ごしていた。体調崩すわ、パソコンは壊れるわ、スマホも壊れるわで、いろんなものがぶっ壊れ続けていた。

とはいえ、どこまでも続くかのように思える運の悪さも、永遠には続かない。運の悪さに足を引っ張られて溺れるような苦しい日々でも、いつかは水面に上がって、息継ぎできる瞬間が訪れる。その頃のわたしもそうで、いつの間にかするりと不調から抜け出して、水面に顔を出せていた。

たしかに今日はちょっと不調だったし、運も悪かったかもしれない。でも、どんなに不調が続いても、また息継ぎできるタイミングがぜったいにくる。

いまそう思えてる自分は、前田さんでも他の誰かでも、一緒に働きたいと思ってもらえるだろうか。やっぱり、自信を持って運がいいとは言い切れないけど……。少なくとも、今日ダメダメな自分を助けて、支えてくれた人たちに恩返しできるくらいの人間にはなりたい。

ちなみに、毎週欠かさずたのしみに観ていた『霜降りミキXIT』が、3月で終了してしまうことも今日知った。霜降り明星、ミキ、EXITのみなさんの良いところがすごく出てておもしろくて、「ゴールデン番組になったらいいのに!」なんて思ってたくらいだったので残念。かなしい出来事は続く。

だけど、今日は書店でようやく『週刊ダイヤモンド』の伝わる文章術特集を買えてうれしかった。ずっと買いたいと思いながら、購入する機会を逃していた2/19号。気づけばもうバックナンバーの棚に置かれていた。時間の過ぎる速さに驚き焦る。ただそう考えれば、今日の不調や運の悪さも、同じスピード感で過ぎ去っていくはずなのだ。今日のダメさを引きずらずに、先へ先へいこう。

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