キングオブコント2021のかんそう

キングオブコントを、リアルタイムで初めて観た。

お笑いにハマり始めたのは去年。だからここ1年は、今までになくバラエティたくさん観たり、芸人さんのラジオをたくさん聴いたりしていた。そうすると賞レースとやらを観るときの気持ちも変わるもので、M-1グランプリのときもだけど、純粋にげらげら笑って観るだけじゃなくなった。もちろん楽しみな気持ちはあるけれど、好きな芸人さん達を応援したい気持ちや誰が勝つんだろうという不安みたいな気持ちもあってどきどきした。

自分はネタについて語れるほどお笑いに詳しいわけではないけれど、それでも空気階段は他にない世界観みたいなものを確立しているようだったし、会場の人たちの巻き込み方が圧倒的にみえた。ダサくてカッコ悪くてやさしくて、大袈裟かもしれないけど、この世界を好きになれるような空気階段のネタがとてもすきだ。


そして今朝、ファイナリストのネタについて「異質な他者と、豊かな関係を築く」という内容を含むという共通点を見出している記事を読んで、なるほどなあと思った。「異質」と思える他者にツッコむよりも、その人のいい面を見たり、思わず好きになってしまったりする方がウケる。そんな傾向があるのかなと思った。

前に講談師の神田伯山さんが、「コロナ禍では暗い話よりも明るい話・笑える話が求められているのを感じる」とテレビやラジオで話していた。お客さんがエンタメやコンテンツに求めるものが時代によって変わるなら、今は泣けるより笑えるものがいいし、相手を否定するより好きになりたい、という時期なのかもしれない。

それでいえば、そいつどいつのネタは笑いだけじゃなくて「こわ!」ってびっくりした感情も大きかったけど、それはそれで違う面白さがあったなと思う。何より、新しいものを見せてくれる心意気みたいなものに感動した。前にネタパレか何かでふたりがカップルに扮するコントを見てからすきだったけど、もっとすきになった。あと1発目で蛙亭の中野さんが緑の液体出したのもびっくりしたし笑った。そういう、自分たちのスタイルにプラスして「もっと面白く」とか「もう少し新しく」とかで、いいものができていくんだろうな。

スタイルについては、個人的に空気階段のダサいけど本人は至って真剣でそれが否定されないやさしい世界のコントがすきだし、蛙亭のぶっ飛んでるのにどこか憎めない人たちのコントも、ニッポンの社長のすぐツッコまないボケで時間をかけて何度も笑かしてくるコントもすき。ジェラードンでいうと、アタック西本さんが如月マロンちゃんの握手会に何度も並び直すネタがすき。自分はやさしいコントが好みなんだなと改めて思う。

どの組もいいなーと思いながら観てたけど、やっぱり敗退したコンビの悔しさがひしひしと伝わってきたのは痛かった。それから、ザ・マミィと男性ブランコがファイナルステージで同点を取った後に空気階段が順番を迎えたこと、そして歴代最高特典を叩き出して優勝したことは本当ドラマみたいだった。林田さんと酒井さんの「ドラマー!」がそのまま自分のなかに刻まれた感じ。かたまりさんが「サイコゥサイコゥサイコゥ」て言ってくれてたのも、踊り場リスナーや単独ライブのannaを観た人がTwitterでわーって盛り上がってるのをみたのもじーんときた。

ここまで書いてきて名前でてなかったけど、毎週ラジオ聴いてるマヂラブも、冠番組でやってた街中でのう○ち探しとかラブホで帰れま10がたのしかったニューヨークもすきなので引き続き応援したいし、うるとらブギーズも男性ブランコももっとネタ見たいなーと思うなどしてます。あと来年は決勝でかが屋のコント見たい……!

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