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「キャラメルは銀歯ドロボー」で、キャッチコピーを考える

テレビ朝日の『ネオバズ!!チョコプラCUP』というバラエティ番組が好きで、よく観ている。毎月第4火曜日0時20分〜1時20分(つまり月曜深夜)に放送されている、チョコレートプラネットの冠番組だ。

番組では、毎回「○○CUP」という演目がいくつか用意されていて、ゲストの芸人さんやタレントさん、ときにチョコプラのふたりやアシスタントMCの松村沙友理さんが挑戦していく。

これまでやっていた「○○CUP」をいくつか挙げてみると、こんな感じ。

・取調室で口を破らない犯人を自白に追い込む「自白させカップ」

・よく見るネット広告のキャッチコピーが書かれた背景に合わせて、表情とポージングを決める「ネット広告ポージングCUP」

・刑事ドラマでありがちな「お隣さんなら引っ越しましたよ」のシーンでインパクトある隣人に扮する「お隣さんなら引っ越しましたよCUP」

イメージとしては、チョコプラのYouTubeで話題になった「悪い顔選手権」に近い。ちなみにこの「悪い顔選手権」は、報道番組で見かける容疑者のような“悪い顔”を長田さんと松尾さんが再現するというものだ。

『チョコプラCUP』は「長田王(おさだおう)」が主催している設定。「○○CUP」の企画も長田さんが考えているらしい。

番組では、まず長田王がどのCUPをやるかを決め、民(たみ)と呼ばれるゲストの芸人さんやタレントさんを指名する。そして選ばれた人がそのCUPに挑戦。最後に、長田王がそのCUPでの優勝者を決める。その繰り返しで番組は進行していく。

そんな『チョコプラCUP』の2月22日放送回に、「いきなり まさのりCUP」という演目があった。

この企画は、昨年のM-1グランプリで優勝した錦鯉・長谷川まさのりさんのギャグをオマージュしたもの。まさのりさんのギャグ「キャラメルは、銀歯ドロボー!」の語呂に合わせて、提示されたモノについて、即興で表現する。

要は、お題として上の句の「キャラメル」の部分が提示され、下の句の「銀歯ドロボー」の部分を自由に考えるという企画だ。

「パクチー」「たくあん」「女子高生」「アイドル」といったお題が出て、芸人さんたちは即興でおもしろ一言を考える。自分も指名されたつもりで考えてみたけど、おもしろい答えは全く思いつかなかった。おもしろの才能ないなあと、つくづく残念に思う。

▲まさのりさんの実際のギャグは、このリズム感。

余談だけど、このツイート動画の「トムクルーズは、お金持ち!」は、錦鯉のラジオリスナーからの投稿が本ネタに採用されたもの。「いきなり まさのりCUP」みたいに即興ではないけれど、「銀歯ドロボーのコーナー」に集まる「○○は、〜〜〜!」のギャグは、おもしろくて笑ってしまうものばかりだ。

前置きと脱線で、言いたいことに辿り着くまでとても長くなってしまった。

伝えたかったのは、この「銀歯ドロボー」のギャグって意外と深いのでは……!?という話。

「キャラメルは、銀歯ドロボー!」みたいに、モノを一言でおもしろく表現しようとするときの思考は、キャッチコピーを考えるときの思考にとても近いと思うのだ。

TOTOウォシュレットの「おしりだって、洗ってほしい。」、コスモ石油の「ココロも満タンに、コスモ石油。」などのキャッチコピーを手がけてきたコピーライターの仲畑貴志さんは、言葉の冒頭に「早い話が」をつけてコピーを考えている、と聞いたことがある。

たとえば、早い話がおしりだって洗ってほしい、みたいに考えて、冒頭の「早い話が」を切り捨てるらしい。

キャラメルは、早い話がなんだろう。
たくあんは?アイドルは?

そうやって考えてみると、コピーを考える力や、企画を考えるのに必要な視点を鍛えられそう。そう思うと同時に、ラジオの「銀歯ドロボーのコーナー」で紹介されているリスナーさん(ハガキ職人の人)たちを、改めて尊敬しなおした。

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