久々外出
久しぶりに外に出て歩く。米津玄師を聴きながら歩いて、外はいいなあとか思った。どんよりした曇り空も、見慣れた木とか花も、今日はそのひとつひとつが愛おしい。あと夏は18時近い時間でもまだ明るくて、夜がくるのが遅いのがいい。ちょっと得した気分。本当はもっと早く家出たかったのに、気づいたら17時半をまわってたけど。
本当はファミレスに行って家で進まなかった仕事をしようと思っていたのだけど、一度行ったきりの喫茶店が恋しくて、足が自然とファミレスと別の道へ向かう。
喫茶店までの道のりにある本屋さんが目に留まり、吸い込まれるように店へと入った。ぜんぶが久しぶりだから、何をするにもちょっとうきうき気分。その勢いで、田辺聖子さんと松浦弥太郎さんの本を買う。レジで店員さんと話しながら、対面で人の会話するのも数日ぶりだなあ、なんて考えていた。外に出ずとも電話で家族と話していたものの、淀みなく話せたことにほっとした。当たり前のことにも、いちいち安心してしまう。
喫茶店で本でも読もうと思っていたのだけど、いざお店に着くと、窓ガラス越しにカウンター席に座る常連さんたちがめちゃくちゃ笑ってたのしそうにしているのが見えた。そこに入るのは気が引けたし居心地も悪そうなので、引き返してファミレスに向かう。残りの仕事をちゃんと片付けなさいというお告げかも、なんて考えが頭をよぎった。
でもそんなお告げも聞かなかったフリをして、お散歩がてら遠回りしてたくさん歩いた。運動不足だし、ぐるぐる考えごともしたいし。空は少しずつ暗くなってきていて、そのせいか、寂しいなあとか思ってしまった。わたしはきっと一生寂しいんだろうな。家に帰りたくなかった高校生の頃を思い出した。
高校生とか大学生の頃にひたすら聴いていたチャットモンチーが恋しくなって、イヤホンで曲を流す。CAT WALKが流れているときにファミレスに着いた。CAT WALKは父が亡くなった頃、妹の車でよく聴いた曲。車を運転する彼女は、スマホにプレイリストを作っている。そのプレイリストにこの曲も入っていて、車中で繰り返し流れていた。だからこの曲を聴くと、あの頃に引き戻されるみたいに父のことを思う。
家を出た頃には元気だったのにおかしい。かなしいときは、ご飯をもりもり食べるに限る。ファミレスの4人がけテーブルに座って、和風ハンバーグを注文した。結局仕事はほとんど進まなかった。最低限すぐできることだけして、ハンバーグが届くまでの間、田辺聖子さんの本を読んでいた。
注文したハンバーグ食べ終えてからもしばらく本を読み耽り、「この時間にパフェとか食べていいと思う?」と仲のいい人にLINEを送ったら「いいと思う、なぜならパフェは食べると幸せになるから」と最高の返事がきた。もう22時近かったけど、幸せになろうと思ってパフェを食べた。
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