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憧れのディズニープリンセス

子どもの頃は、VHSでディズニー映画をよく観ていた記憶がある。『ムーラン』くらいまでは、ディズニープリンセスが登場する作品はひと通り観ていた。なかでも特別好きなのは、『リトル・マーメイド』のアリエル。その次が『美女と野獣』のベルだった。

当時でいうと(今もかな?)『シンデレラ』『白雪姫』『眠れる森の美女』なども定番の作品だと思うのだけれど、これらの作品に出てくるプリンセスを憧れのまなざしで見ることは全くなかった。活発で落ち着きのない子だったから、おしとやかな印象のプリンセスにはあまり惹かれなかったのだと思う。

それよりも、溺れそうな王子を自ら助けにいったり、帰らない父を探しに野獣の城に乗り込んだりしちゃうような、行動力のあるプリンセスに憧れた。

小さい頃から「どのプリンセスが好き?」と聞かれたときの返事は、アリエル一択。わたしが子どもの頃に、アリエルがいてくれてよかった。彼女のように天真爛漫で行動力のあるプリンセスがいてくれなければ、わたしは好きなプリンセスの名前を挙げられず、返事に窮していたに違いない。

当事、周りの女の子がシンデレラとか白雪姫をキラキラした眼差しで見つめる気持ちを全く理解できなかったのを覚えているから、余計にそう思う。


少し前に動画配信サービスの「Disney+」に加入したので、今日、久しぶりに『リトル・マーメイド』を観た。学生くらいの頃にも一度観返しているはずなのに、記憶から抜け落ちていることもあるし、抱く感情も新鮮だったし、思った以上の満足感があった。

画面越しに久しぶりの再会を果たしたアリエルやセバスチャン、フランダー、スカットルたちが愛おしい。それからわたしは、今もアリエルを好きなんだなとわかった。

アリエルはときに自分と似ている部分もあるし、自分に足りなくてこんな風でありたいとも思う部分もある。たとえば、王子に見染められるよりも前に王子を助けるという受け身でない行動力。人間界のものをいっぱいコレクションして、それでもなお焦がれ続ける好奇心。あと「これ知ってる!」とばかりに髪をフォークでとかしちゃう可愛さも。

子どもの頃は「大きくなったらこうなりたい」と憧れていたのが、今は「大人になるにつれて削ぎ落としてきた純粋さでもってこうありたい」と別の憧れになっているのに気づく。それでも、憧れや好きには変わりない。「アリエルが好き」という感覚が大人になっても変わらないことが、不思議とうれしかった。



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