生理は個性じゃないとしても、生理の話がしたい

生理を個性と捉えようというプロモーションが炎上して、良くも悪くも多くの人が生理を話題にしているのに便乗して書きます。

個性の話というよりは、生理の話をもっと気軽にしたいという、個人的な考えや感覚の話です。


最初に個性の話でいうと、わたしは生理の多様性には魅力を感じられず、そもそも身体の機能(まさに生理現象)である生理を個性と表現するのには違和感がありました。例えば、経血量や生理期間でいうと、尿の量や回数が多い・少ないという違いを、あえて個性と呼ぶような。生理では、さらに痛みにも個人差があります。

ときに自分の性格や特性を「個性」と捉えることで、生きやすくなることもありますが、生理痛やPMS(月経前症候群)は、軽い方が身体的にも精神的にも楽だろうし、それを「生理が重いのは個性だから」と捉えるのは難しく感じました。


とはいえ「生理は個性」という表現は別としても、こうして生理について書いたり、誰かの生理についての考え方を知る機会ができたのはありがたいことでした。「生理の話、できないけどしたい……」という感覚がずっとあったからです。

たとえ女性同士でも、誰かが「生理だからお腹痛くて無理〜」みたいな話題を出してくれなければ生理の話するのは気がひけるし、SNSでも生理について書くタイミングがわかりません。

あまり言えずにいたけれど、性差関係なく、信頼できる人には生理の話、生理で自分の身体や心がどんな状況なのかを話せる世の中になったらいいな、と思っていました。

「今日、生理だからしんどい」
「生理前だから、肩こりと腰痛つらい」
「PMSですぐ悲しくなるしイライラしちゃう」

そういうことを、気軽に言えたらなと。

もちろん、言いたくないのに無理にオープンにする必要はないです。

わたしの場合は、生理のせいでこういう状態なんだ、というのを話してわかってもらうだけで気持ちが楽になる日もあるから、職場とかで言えたら楽なのにな、と思っていました。

これも人によって違うと思うのですが、わたしが生理の話をオープンにしたいと思うのは、仕事やプライベートで同じ時間を過ごす人、あくまで信頼できる人です。心を許してない人に「この人、今股から血を垂れ流してるんだな」と思われたり、理解のない人に「仕事ができないのを生理のせいにするな」なんて言われたりして悲しくなるまでを想像してしまうからです。

男性と生理の話をすることがなくて、どんな風に捉えているのかわからないのもあり、そんなネガティブな反応パターンに備えてしまうのですが、実際はどうなんでしょうか。

読んでる男性は、生理の話されたら嫌ですか?パートナーやお姉さん、妹さんといった身内の女性から「今日生理でつらいんだー」って言われるのと、仲の良い友達の女性から同じことを言われるのでは、やっぱり違うんでしょうか。今度はそれが会社の同僚、先輩、後輩、といった立場になると、また違うんでしょうか。

それで思い起こされるのが、小学生か中学生の学年集会。女子だけ残されて生理の話されるアレです。集会の後、「なんの話だった?」と男子に聞かれたわたしは、「生理の話だった」と何の気なしに返答。すると隣の女子に「なんで言うの!?」と怒り気味に言われ、「男子にはそれすら言っちゃダメなの?なんで?」と思ったのでした。

子どもの頃から今日まで、男性に生理の話をすることは全くといっていいほどありませんでした。でも、男性といる場で「今日はしんどいって言いたいけど言えない……」という日が少なからずあったのを覚えています。


気軽に生理の話をできる世の中になるのを待つのには時間がかかるから、せめて自分の周りにいる信頼できる人には、性差問わず、ここに書いたような話をしてみたい、と小さく思っています。

相手や状況、気分によっては話せないこともあるかもですが、そこは自分が生きやすいように。

仕事や生活で気持ちを楽にするっていうのもありますが、ただ単純に、生理のときはこうしてるとか、生理前は食べ過ぎちゃうとか、生理前のイライラ対策とか、そういう話を気軽にしたいんです。

わたし自身、PMSで無理なときは本当に無理なうえ、生理中、ときに血のついた下着、さらに寝具なんかを洗わなきゃいけないときは、これ以上のことある?ってくらい虚無になるので……。

わかるひとには「あれ虚無じゃない?」と言ってみたいし、わからなくても「虚無なんだよ」と言って聞いてもらえたら、それだけでも嬉しい気がします。

「今生理なんだ」とオープンに話すことに嫌悪感を抱く人もいるだろうし、その気持ちも少しわかります。ただせめて生理そのものの話は、タブー視されずにもっと気軽にできたらな、と思います。

スキやコメント、SNSでのシェアうれしいです。ありがとうございます。いただいたサポートは、本、映画、演劇、寄席など自分の好きなものに注ぎ込みます!