大晦日の日記

大晦日、約3ヶ月ぶりに付き合っている彼に会った。当日になって彼がLINEで「中華街で食べ歩きとかもいいなと思った」と提案してくれたので、ふたつ返事で数年ぶりの横浜中華街へ。相変わらず約束の時間に支度が間に合わなくて、結局予定より30分くらい遅れて着いた。

最初は豚まんを食べた。角煮入りで、ちょっといびつな豚の顔が愛らしい豚まん。「かわいい〜」とか言って写真を撮りハフハフと頬張りながら、かわいいとか言ってから平気な顔して食べるのってなんか残酷だなと思った。豚まんと小籠包を食べるまでは順調だったけれど、その次に台湾の大鶏排(ダージーパイ)という平べったくて大きなチキンを食べたら、すっかりお腹いっぱいになってしまった。スパイスが効いていておいしかったのだけど、顔サイズより大きいものだから食べ終わる前に飽きがきて、ふたりで協力しつつ、最終的に押し付け合いながら食べきった。

数年前、中華街で手相占いをしてもらったことがある。家庭のことを相談したら「長女ですしね、やっぱり引き受けることが多いですよね」と、やる気のなさそうな女性の占い師に言われ、肩透かしを食らった思い出。リベンジというわけではないけれど、せっかくだから今回も占いをしてもらおうと、彼に付き合ってもらい中華街を歩き回って占いのお店を探した。

占いのお店のほとんどは手相占い500円セールをやっていて、それをアピールする客引きの人が店前に立っていた。客引きの押しの強さに逆に引いてしまうのもあるけれど、店前の看板に出ている占い師の写真やら名前やらを見ながら「胡散臭すぎる」と彼が笑うので、なかなか入りにくくて困った。最終的に上手な客引きのおばさんに誘導されるがまま入ったお店で、九星気学で占ってもらった。生年月日を伝えると、パソコン上に表示されたExcelファイルやら手元の書類を見ながら、おじさんがいろいろと教えてくれた。

わたしはツメが甘いとか、気遣いの性質が強いとか、いい人でいようとしがちだとか、行動力や外側へ向くエネルギーが強い代わりに自分を守ってあげる意識がゼロだとか、「たしかに」と思えるトピックもちょちょこあった。占いは自分の内面を見つめるヒントになって、おもしろいなと思う。

彼のことも占ってもらったところ、「相性いいですよ、90%くらいですね」と言われて「うそでしょ」と思わず笑ってしまった。続けてその切っても切れない関係で復縁する人も多いですという話を、ふたりで他人事みたいなフリをして聞いた。

帰り道、電車で隣り合って座って「占いとか全然信じないところ好きだな」と言ったら、「全員が全員、そんな風に分類できるわけないじゃん」みたいな答えが返ってきた。わたしは占いはエンタメだと思いつつも信じちゃう節があるから逆のタイプ。彼といると、いつだって「似てる」よりも「違う」を思い知らされるから、相性がいいって占い結果だけはなんだかしっくりこない。相性90%に残された10%がわたしたちなんじゃないかと、支離滅裂なことを考えてしまう。そもそも何を持って相性がいいとするのか、定義がわからないけれど。

昨年は正直褒められた1年ではなかったと自覚しているけれど、この大晦日だけは自分を責めたり悲しくなっちゃう気持ちもなくて、勝手に許されたような気持ちがした時間だった。そんな時間を過ごせる相手であることは確かで、たとえ残りの10%でもいいかとも思う。


スキやコメント、SNSでのシェアうれしいです。ありがとうございます。いただいたサポートは、本、映画、演劇、寄席など自分の好きなものに注ぎ込みます!