「ナイツの塙さん」を思い出せない母

母と電話をすると、必ず「何かの単語を思い出させる作業」に付き合うことになる。

今回(昨日の夜の電話)の場合は、「ナイツの塙さん」であった。

見た漫才が面白かったらしく、
「あれ、面白かったよ、あの人たち、漫才協会の、、、」

私は、自分の知らないどベテランのおじいさんかおばあさんコンビ(林家○○・△△みたいに人の間に・がついてる系の)かと一瞬考えたが、思い直した。

漫才協会会長、ナイツのことだろう。
そんなわけで私は歌いだした。(ヒントを出すためである。)

私「S・A・G・A 佐賀~の人の弟でしょ?」

私の世代の人が覚えているかは知らないが、はなわさん(お兄さんの方)が一世風靡した歌ネタである。

母「そうそう、なんだっけ、、、はにわ?

、、、、

なんて古典的な、、、

わざと言ってんのか?

私「(笑いと呆れの無言)」

母「ああ!塙(はなわ)か。でもあの人たちはなんていうんだっけ?」
(=コンビ名はなんだったっけ?という意味)

母「『なんとか!』」

私「『なんとか』っていうコンビってこと??」
(な、で始まるのはあってるけど)

母「違うよね、なんだったっけ~」

私「ほら、ノンスタ石田、とかいうじゃん。○○塙」

母「え~、、、あ、はにわ?」

はにわ好きすぎん?

私「そしたら『はにわはなわ』になっちゃうじゃん。噛みそうなんだけど」

母「思い出せない~この白菜スープさあ、どう味付けたらいいと思う?」

マジで一拍も置くことなく、白菜スープの話に。方向転換がすごい。
急転直下でコンビ名の話、しゅうりょう~~~~~。

直前までうんうん唸ってコンビ名を思い出そうとしていたのに、別人のようにケロッと声色が変わっている。

おい、ナイツの話はもういいのか。

だが、母の中では、この流れが自然なのだ。

ドラマのめっちゃいいとこでチャンネル替えられた!みたいな。
話の切り替えのスピードだけは天下一品である。聞いているこちらがついていけない。

急カーブで曲がりきれているのは母だけ、こっちはそのまま直進で事故っている。それに母の脳は順応しているらしい。いや、母の脳がそういうシステムになっているのか。

まあでも、これがうちの通常運転である。


白菜スープの味付けの話をした後、さっきのコンビ名の話はもういいのかと母に聞いてみた。

母「あ~そうだった!思い出したら言うよ(LINEするよ、の意)」

私(あ~絶対思い出さないやつだ、これ)

母「明日の朝までには思い出すんじゃない?」

私(いやいや、同時に作業できない人がスープ作りながら考えられないでしょ)

そんなやりとりをして電話を切った。


その後、昨日の夜じゅうにラインの通知がきた。

白菜スープの写真だった。


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