閑話休題パクチー男

壮大な旅行編が始まる前に、少し補足を。

パクチーくんに関するエピソードである。

旅行に行くまでの間、彼は、自己紹介で笑いをとったり、職場の人におすすめの観光地を聞いたりと、初日の硬さが嘘のように上司や先輩と接していた。
相変わらず同期の私とシナモンちゃんには、まだ距離を測っている感じがあったが。

ただ、上司や先輩に対して笑顔で接していても、心の底でビクビクしているのは表情に現れていた。

でも、私にそれを見抜かれているのも気づいていない風であった。

上司たちの人のよさもあって、2人の毒から解毒されかけており、上司を交えてご飯に行って、それぞれのことを少し知った頃、(旅行前である)

帰り道でパクチーくんが「地元から離れて、気軽にご飯に行ける友達もいない」とこぼしていた。

この出来事に、彼のビクビクが現れていると思う。
私としては、「ご飯行かない?」とはっきり言ってくれればいいのになー。と思っていた。
寂しいアピールされても、、、
なんだか、この言葉は使いたくないが、こいつちょっと女々しいな、と思った。

「えー、同期のLINEグループあるんだから、行きたいとき連絡してくれれば、都合が合うとき行くよー」

と私は言った。一緒にいたシナモンちゃんも「うんうん」と同意した。

その週末、20時ころ、「今からご飯行ける人いませんか」とパクチーくんから連絡が入った。

私は既にご飯を食べた後だったので行けない、と返信したが、

シナモンちゃんはまだだったらしく、待ち合わせて2人で行ったようだった。

意外とシナモンちゃんも、表情はないけど人と関わる気はありそうなのである。とはいえ、いつも彼女は無表情。

私は私で、パクチーくんに話しかけられれば明るく適当に返したり、言いたくないことは笑って流したりするけれど、心は開かない。

パクチー君からすれば私たちは「いまいちつかめない」相手で、私たちが彼をどう思っているのか、ビクビクしていたのかもしれない。

そいつがなぜ、私たちを旅行に誘うのか。やっぱり謎である。


垣間見える本性

やっぱりこの人無理、と思った。

話は前後するが、仕事を始めて2週目にもこんなことがあった。

急に出張に行くことになり、必要なものを私とパクチーくんは持っていなかったので、仕事帰りに買いに行くことになった。

一緒に行こうと言った覚えはないのだが、仕事が終わるのも同じ時間だし、流れで同じ方向に歩き出した。

私は、ここに引っ越してきてどうか、と聞いた。
私からすると、地元からは離れてはいるけれど、適度に都会で、でも自然も近くにあり、晴れの多い気候で住みやすかった。
つーわけでポジティブな印象をいだいていたのだが、彼が放った一言は…

「中途半端に都会やな。」

ホームシックだったのかな??そう思いたい。(彼の地元はもっと都会らしい)

私は、ここ住みやすいよね、とか、職場まで近くてありがたいよね、とか話したかったのだがその気が失せた。

ささっと買い物を済ませた帰りには、私の大学はどんな感じだったのか、根掘り葉掘り聞かれた。

どこにある大学だったのか、何系の学部か、サークルなどなど、、、

別に聞かれて困ることではないし、正直に答えていたけれど、肝心の大学の名前は聞かない。

私は、スパっと聞いてくれればいいのにな~、まわりくどくて面倒だな〜と思った。

もし私の出身大学を知っているなら、その方がイメージがつきやすくて分かりやすいだろうに。まあでも、私とパクチーくんは全く違うエリアの出身なので、興味ないのかな。

あとは、自分の大学名を聞かれたくないから、私にも直接聞かないのかもしれないし、と思った。

ただ、大学の名前を聞かないこと以外にも、やっぱり違和感があった。

サークルにしろ学部にしろ、外堀を攻めている感じだが、何を言っても「ふーん」といった感じの反応で、私が何が好きで、何に興味がある人間なのか、には関心がなさそうだった。

友好的な会話をしているというより、合コンでプロフィールの探り合いしてるみたいな。

そこで気づいてしまった。

この人は、私ではなく、「私を構成する情報」にしか興味がないのだ。

大学のランクは?出身は?俺よりできるやつか?
こいつは俺に役に立ちそうな人間か?

この時は、大学のことを少しずつ聞いて、いわゆる「ランク」の品定めをしようとしていたのだと思う。

「俺か、俺以外か。」(by ローランド)ならぬ、

「俺以下か、俺以上か」の基準だ。

この私の仮説は当たっていることがどんどん証明されていく。残念なことに。

みんな、こういう人間には、ほんとに気を付けてね。

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