中居さんのバイトであった、危うい事や、温泉街の事情話
看護科にいるのに、温泉旅館の中居さんのバイト中心の生活をしていました。
付き合いだしたA君が温泉旅館のバイト先からいなくなった解放感があり、色んな人とお話ししました。
夜警の人は、私を子供を見るような目でよく可愛がってくれたし、調子に乗って、ニコニコしていたら、
あるとき、電話ボックスに連れ込まれて、キスをされました。
見上げると相手が満更でもない顔をしていたので、びっくりしました。
父親としてしか見てなかったので、私の中で、衝撃がデカすぎました。
気持ち悪くて、飛び出して来ました。
男の人は最も簡単に勘違いする生物なのか?それともこのような歳の方を勘違いさせるほど、いつの間にか自分が大人になったのか。
自分は学生だけど、もう子供ではないのか?甘えていた自分に嫌気がさしました。
パンチパーマの板前さんと、天然パーマの板前さん2人に、誘われて、教育学部の女の子と4人で夕飯を食べに行った事もありました。流れでラブホに行き、4人で寝たのですが、
うち1人、天然パーマの方が布団の中で足を絡めてきて、怖いと思う気持ちと、どうにでもなれ、と言う気持ちが混在して、抵抗できなかったです。
あまり記憶がないのですが、性交まではなかったですが、割と過度なスキンシップはあったと思います。
次にバイト行くの気まずいな、と思っていたら、
バイトに行ったら、スキンシップしてきた板前さんが、サラッと封筒を手渡してきました。
は?なんですか、これ?
中身は五万円入っていました。
要は、行き過ぎたことをしてしまったので口外しないで欲しい、ここ以外に自分は働けないから、とか
そう言う事だろうな、と、察しました。
別に、よかったのに。
大人って、こういう事をするんか、と思いました。
お金は頂いておきましたし、その後、その板さんの関係も至って普通に仲良しでした。
夜警の人は、手のひら返したかのように他人行儀になりました。
男の人には気をつけないと。
私はまだ運がいい方だと思います。
そんなことがあったのに、フロントのBさんと親しくなり、煙草を覚え、終わった後に吸い散らかして、おしゃべりしまくっていました。
Bさんは、心臓病で、常に顔が浮腫んで、顔色も悪いのですが、いつも、私の事をねぇちゃん、ねぇちゃん、と、話しかけて来ては、決まって、アンバサというジュースを奢ってくれたし、私も妹気分で着いて回ってました。
Bさんは母親さんと2人暮らしで、たまに遊びにも行っていましたし、実習ナース服の裾上げまでしてもらったり、付き合いが深まりました。
このBさんとは、下心もなく、本当に、よくしてもらったなぁと思います。
いい思い出でしかないですが、本人は腎臓も心臓も悪く、今考えたら深刻な家族だったと思います。
あるとき、金曜日にお金をおろそうと思って、キャッシュコーナーの列をついていたら、急に閉まってしまい、週末お金なしかーと思っていたら
いつもパントリーで働いている気さくなおばちゃんが、3千円貸してくれました。
デイリーストアの、上に住んでるということでした。
月曜にすぐに返しに行ったら、まぁまぁ、お上がりとの事で、上がったら、足や腰、心臓の悪い寝たきりの巨大、肥満な娘さんと、寝たきりの夫さんがいて
びっくりしてしまいました。
パントリーのおばちゃんは明るい人で、そんな背景は微塵も見えません。
うちはこんなんやからー本当、いつでも遊びに来て。
あんたみたいに本当にお金返してくる子、珍しいわとか、なんとか言ってて、
温泉街は何というか世界なんだ?と思いました。
父子家庭で、パントリーで働いている高校生の男子とも仲良くなって、色んな事情を抱えている人を
この温泉街は受け入れるんだなぁと思いました。高校生は今考えたら不登校だったと思います。影の薄いイケメンでした。
この父子ともたまに終わった後蕎麦食べにいったりしてて、仲良くなったけど、何とも言えない暗い影があり、私の事情を、遥かに上回っているのは想像できました。
ところがある時、高校生が来なくなり、お父さんに聞いたら「実は髄膜炎になってしまって、意識ない状態が続いてて、大学病院で治療してて助からないかも知れないんだ。」と言われて、複雑になりました。
なんで!
その後に、お父さんも姿を消したので消息はわかりません。
また、パントリーにヤクザみたいな女の人がいて、いつも、ハイライト片手に仕事してて、肝臓が悪くて末期、もうすぐ死ぬとか言っている、茶色の人がいました。
中居のミチコさんは、いつも明け方から新聞配達を、してから、朝出し(朝食出し)をして借金を返しています。
ここは、事情があって行く場所が全くない人が集まる場所なのか。。。。
人生、いざとなったら履歴書要らない、中居という道もある、そんな事を知りました。
当時はシャ乱Qのいいわけという曲がとにかくあちこちで流れていて
寂しい夜はごめんだーを聴くと、温泉街のバイトを思い出してしまいます。