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自社で排出した二酸化炭素(CO2)を地域に還元出来るような地産地消モデルを考える

脱炭素化に向け、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた動きが国際的に広まりつつある中、その達成に不可欠な技術としてCCUS(CarbondioxideCapture,UtilizationandStorage)が注目されています。
CCUSは、とても素晴らしいソリューションであることは間違いありませんが、回収したCO2ガスを運搬するための液化・再ガス化工程が必要でコスト増となったり、使用時の急減圧でドライアイスとなり、配管閉塞リスクがあります。

そこで、製造、貯蔵、販売、消費、容器等の法規制について理解した上で、専門知識のない一般ユーザーでも容易に扱うことが可能になるような仕組みを用いて、自社で排出されたCO2を地産地消で活用できるニーズを考えてみましょう。

【地産地消モデル】
1.地元の農業と温室栽培
排出されるCO2を地域の温室栽培、特に高付加価値作物の栽培に利用します。最適なCO2レベルで制御された環境を提供することで、植物の成長と収量を高めます。地元の農家と協力して、持続可能で効率的な農業を実践します。

2.水産養殖と藻類の養殖
CO2を利用して水質を改善し、植物プランクトンの成長を促進することで、地元の水産養殖を支援します。バイオ燃料生産、医薬品、栄養補助食品など、様々な用途向けの藻類の培養を促進します。

3.飲料及び炭酸製品の製造
地元の飲料メーカーに炭酸化プロセス用のCO2を供給します。地元産のCO2を活用して炭酸飲料の製造を支援し、輸送関連コストを削減します。

4.地元企業向けのドライアイス生産
医療、食品保存、輸送業界で使用するためのドライアイス生産施設を地元に設立します。地元企業に信頼性が高くコスト効率の高いドライアイス供給源を提供し、集中サプライヤーへの依存を軽減します。

5.現地建設におけるコンクリートの炭酸化
地元の建築プロジェクトの炭酸化プロセスにCO2を提供することで、持続可能な建設実践をサポートします。建設会社と協力して、環境に優しい建材を推進します。

6.教育及び研修プログラム
地域社会に対するCO2の利点と安全な取り扱いについての意識を高めるための教育プログラムを開発します。様々な用途でCO2を利用することに関心のある企業や個人向けのトレーニングセッションを提供します。

7.地域の研究開発イニシアチブ
地元の研究開発プロジェクトに投資して、様々な業界でのCO2の革新的な用途を探ります。学術機関や地元のイノベーターと協力して、新しい用途や技術を発見します。

8.コミュニティベースのCO2排出量削減の取り組み
地域コミュニティと協力して、CO2の回収と利用を活用したCO2排出量削減の取り組みを実施します。CO2を地域で再利用し、廃棄物を最小限に抑えることで、循環経済の概念を推進します。

9.食品及び飲料の保存
生鮮食品の保存期間を延ばすための雰囲気調整包装など、地元の食品の保存のためにCO2を提供します。地元の食品生産者や小売業者と協力して、持続可能な保存方法を導入します。

10.小規模産業との連携
地元産のCO2をプロセスに活用できる小規模産業と提携します。地元の職人、研究所、ニッチな製造業との機会を模索してください。

これらのニーズとアプリケーションに焦点を当てることで、輸送と規制遵守に関連する課題に対処しながら、世界的な脱炭素化の推進に合わせて、持続可能で地域にマッチしたCO2利用モデルを作成することが可能となることでしょう。


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