見出し画像

今年もオリヅルランを植え替えた話

このオリヅルランの続報である。

そろそろ気温も大丈夫だろうということで、今年も植え替えシーズンである。今年、真っ先に手を付けたのはオリヅルランだ。というのも、親株さん(2022年に玄関から救出した株。ヘッダー手前右端)と、その親株から出た子株のうち鉢植えにした子株(ヘッダー手前左端)が、どうも調子が悪そうだったからだ。

どちらも秋冬通して、葉っぱの先が痛みがちだったり、新しい葉っぱの展開が水栽培組と比べて鈍かったり……という様子だったので、早めに対処した方が良さそうだとは感じていたのだ。しかし鉢から抜いたら、親株と子株で非常に対照的な状態だったことに驚いた。

親株の方は、根の半分くらいがしなびてボロボロになっていた。やっぱり元々の環境が酷かったこと、いい加減お年であること(最低でも三十歳以上、ヘタすれば四十歳越えてるかもしれない株である)から、ある程度覚悟はしていたことだった。昨年の植え替え時も似たような状態だったので、新しい根を出す→しなびる→新しい根を出す、を鉢の中で周期的に繰り返すターンになっているようだ。これで根を出すパワー<しなびる速度になったらきっとそのときが寿命なんだろうな、と思いつつ、まだ生きている根がある間は、棚で暮らしていただこうと思っている。

尚、前回の記事で小さい鉢に分裂させた方は、やはり調子が良くないので途中で水栽培に切り替えたところ、元気いっぱいに育ちまくっている(ヘッダー奥側中央)がランナーが出ない。オリヅルランとしてはちょっと寂しいので、土で行ける間は土で育てたいなと思っている。

そして子株の方は、親株とは正反対の状態だった。鉢に根が回りきって、パンパンになっていたのである。しなびたり枯れたりしている根など一本もない。葉先に枯れが出ていたのは、『せまいよー!』ということだったらしい。ごめん。プラ製のスリット鉢に植えていた為に全く気づかなかったのだが、もし素焼きの鉢だったらブチ割れていたかもしれない。一回り大きい鉢に植え替えてやったけれど、棚の面積的にこれ以上のサイズの鉢は難しい。来年からは株分けで対処しようと思っている。

そして子株がこの状態だとするならもしや、と孫株さん(ヘッダー手前中央。子株の子株なので孫株と呼んでいる)も鉢から抜いてみたら、案の定パンク寸前になっていた。こちらは素焼きの鉢に植えていたので、放っておいたらホントにブチ割りかねない状態だったのである。というわけで急遽、こちらも一回り大きいプラ鉢に植え替え。土を多めに備蓄していて良かった……と心から思った次第だ。

ちなみに昨今の物価高は、園芸関係の品にも容赦なく及んでいる。育てている植物の種類や数によっては、環境を整える為に頭を抱えている人もいるのではないだろうか。特に植物を育てて販売して利益を出さなくてはならない場合、つまり食べる植物を商業的に栽培している場合、この状況キツかろうなあ……と心底感じる次第だ。何しろ植物は『環境に正直』で、肥料と光と水が足りなかったら容赦なく相応の姿に育つ。どれだけ懇願しようが説得しようが一切ムダだ。このある種の身も蓋もなさがまた、楽しいところでもある。


頂いた投げ銭は、全て生きる足しにします。ありがとうございます。