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Iccoka #3「クロップドケーキ」の後

先日は、Iccoka #3「クロップドケーキ」
にご来場いただいた方、また応援してくださったすべてのみなさま、ありがとうございました。

クリスマスイブの夜、無事に終演いたしました。

全5回、28名のお客さまに見守られ、実現しましたこの舞台。

終わって、ゴロゴロしてたのですが、次に進む為に、いろいろ書いてみようと思います。

まずは、今回関わってくれたメンバーについて。

みんな、優しく人々でした。
私のめちゃくちゃさやわがままを聞いてくれまして、ご迷惑もかけたし、感謝でいっぱい。
The 大人 という人の集まりでした。

中西 彩乃さん (劇団 月とスカレッタ)
今回の相方です。

そもそも私、違う人と勘違いしてまして、初回の稽古の時にわかり、すぐにごめんなさいと謝りました。

私が観た舞台が3チームありまして、私が観てないチームに出演されてたんです...。そんな勘違いから始まりまして、中西さんの方も「引くに引けない」と思われたそう。

稽古場では、いつもニコニコされていました。

今回の配役は、最初からあの役だったのですが、中西さんにとっても、きっと新鮮だったのではないかと思っています。

役者さんは一度適役が決まると、それしか来なくなる時があるみたいで、中西さんも例外に漏れず、似たような役しかやってこなかったみたいです。
だから、一度配役換えして読んだことあるんですが、めっちゃ楽そうでした。でも、それじゃ、私のやりたいことと違うんだって!...モヤモヤしてたのですが、それ以後、どんどん良くなっていく中西さんをみるのは楽しかったです。

写真は、私の一番好きなシーンのもの。

創ってて、一番拘った所です。
だから、動作だけで2時間ずっとやってた日もありましたが、その時も中西さんはニコニコしてました。

間違いの出会いからだったですけど、とても良いご縁でした。

正面奥にいるのが、今回の照明音響オペをしてくれた、佐田りおさん。

手前が、Sky Theater PROJECT 主宰で今回は制作をやっていていただいた、四方田直樹さん。

四方田さんは、写真みたいな、演出みたいな位置にいるのが合ってるなぁと私は思いました。

佐田さんは、今年3月に共演したのがきっかけで知り合いました。
そして、たまたまその中のメンバーが旗揚げするよってことで観に行ったところ、再会した時、スタッフワークもできると知り、すぐに連絡し、お願いました。

私は、拘るとこ以外は大雑把なんで、音の細かな調整をやってくれていたり、私の気が回ってないところをさりげなくフォローしてくれていて、本当にありがたかったですし、スタッフとして、主宰の私が間違ったことをした時は教えてくれました。

私の性格もわかってるから余計そうしてくれたんだと思っています。
また、今回の作品をすごく気に入ってくれてた人でもあります。そういう人が仲間にいるのは、心強く、ありがたかった。

さだりおさんとは、小屋入りしてからおいしいものを一緒に食べに行く仲間でした。
そのおいしいものの代表が、有名なつけ麺道のつけ麺。

本当に身に染みる味で、リピートせずにはいられません。

亀有は、ジャンプに連載されていた両さんが有名で、それ以外はそんなに知られていないかもしれませんが、おいしいものの宝庫です。
昭和の風景もまだ生きてて、人情厚い人が多い気がしますし、東京という感じがしない。のんびりできる街。

コッペパンの有名な吉田パンや、

レトロな昭和感漂う、ラッキー亀有2号店。

会場になったカメアリ座横にあるパチンコ屋さんの自転車は、几帳面なおじさんがきっちり整列させていたのが印象的でした。

...私にはできないことなので、そのおじさんが動く度、じっと見ていたものです。

話がズレました... 

制作やってくれてた四方田さんも終始ニコニコしてました。

やっぱり20年この道をやってると、衣装のこととか演出とかもこうしたらいいってのがパッとわかっちゃうみたいでアドバイスをもらったりしました。
演出家さんの面でそういう、私が未熟な面をフォローしてもらったことが多々ありましたね。

制作のことではかなりわがままを言いまして、多大なるご迷惑をかけたところもありつつ、私に必要なサポートについても考える機会になったのはありがたかった。

そういうのが今回は大きな収穫になった気がします。そこまで持っていけたのは、四方田さんの懐の深さだと思ってます。

というか、私の周りにいる人は優しいんだ。

ここにも載せてる素敵なゲネ写真を撮ってくれた、松永幸香(Twitter @17_aroma 、instagram yukika _stage )さんも心良く引き受けてくださったし、
急遽撮影を頼んだ、私のデビュー作の、
作演出の吉田高尾さんも「いいよ」の一言。

みんな、優しい...。

そんな方々に支えられ、今回の公演はできていた訳です。

訂正。

Iccoka観に来るお客さんも優しい方々ばかりなんで、お客さんも含め、みなさんの優しさに支えられた公演でした。

終演後、四方田さんに「今度は何を考えて創っていけば良いですかねぇ~」と聞いてみましたら、「お客さんに何を持って帰ってもらうかを考えてください」と...

今回の公演は、本当に自分のやりたいことを純粋にやりました。うまくいったかは別として、私はそのことに満足しています。

こうだったらおもしろいなぁってことや、思い付いておもしろそうなこと、やってみたら良いよと言われたことを片っ端からやってみました。

それやったら、何でこんなことに悩んでたんだろうってことがポロポロでてきました。
やるってことは、思い込みや恐れ、そういったものを手っ取り早く取り払ってくれました。

夏に倒れたから余計に、余計なことも過ったのも事実です。

でも、自分がどうしたいか?の方が重要なんだ!って振り切り、進む内にどんどんやりたいことが明確になり、やれていったのです。

ここで、公演のゲネ写真を。

演出で、開場中に焼き上がり、デコレーション。
終演後は、食べれるケーキ。

声かけても食べてもらえなかったので、最終的に切り分けて振る舞ってました。

美術はカメアリ座の備え付けものを利用し、設定に合わせ+α大量のゴミを配しました。

一度持って帰り、また持っていく日がありまして...その日は、本物のゴミと勘違いした人々が私の周りから離れるという、これまたレアな体験をしました。

衣装はそれぞれで決めました。

中西さんは部屋着を。
でも、胸元が見え、セクシー。
さだりおさんと二人、「いいよね~」(←何が?)と言ってました。

私は、上にチェックのシャツ着てたんですけど、
「それは井川さんだから却下」と四方田さんに言われ、指定されたスカーフを着用。

...四方田さん、演出さん???

サザエ頭は、私、発案。似合ってるでしょ?

劇場ではできない、火を使った演出。

ロウソクの明かりが温かさをより引き出し、素敵なシーンとなりました。

ここと、オープニングで流れる
「Goodnight Sweetheart Goodnight 」

この曲は偶然見つけたんですが、この作品の内容を更に伝えてくれる歌詞で大感激しました。

ラストで流れる曲は
「White snow」

このサイトで見つけたフリー音源でした。
http://www.music-note.jp/bgm/xmas.html

一番拘った所。

演出としては、先程書いたように拘る所に時間を割きまくって、シーンを創りました。
それくらいイメージを強く持ってたので、何とか形にしたい想いでいっぱいでしたから、中西さんは大変だったと思います。

良いシーンになったと思います。

フィードバックは、私にはすごく必要な要素。
一番感じました。

初回のお客さんから、叱咤激励受けまして、また自分が観たいのとは違う風に伝わってるのが悔しく、一気に変えました。

演出としての私にとっては、それはすごく良かったこと。

役者として今回の役からは、私、自分で創った人物ですけど、価値観が変わるくらい影響を受けたんです。それをゼロに...

これって、稽古場から声が上がってたら、こんな強く影響として出てこなかったと思うんです。
そういう意味では、私には正直に真っ向から意見を言ってくれる人が必要なんです。

前に、役者仲間のこんちゃん、紺乃鳳文さんから先輩役者さんの、ケンカしてでも自分の思ったものを創るっていう話が憧れで、いいなぁって。

みんな、優しくフォローしてくれた。
でも、私は、もうそういう段階ではなかったんだと千秋楽に思いました。

私は、創作を良くする為にケンカしてでも、ちゃんと意見を交わしたいんだ!

3年前の私だったら、結構、いやかなりしんどいんですけど、今は成長したし、そういう人の方がお互い、わかりやすくて好きかも。

私は一人三役やってますが、どの役も性格や特徴が全く違う気がしていて、まるで自分の中に別の人が3人いるような感じです。

その中で、役者の私は一番で遅れた感が否めません。
そもそも時間かかるタイプなので、もっと役者の自分をフォローできる環境づくりができていればとも思うのです。

それは、今後集まってくれる役者さんたちにも当てはまることだから、主宰としてその面は考えていく必要があるし、演出としてはすぐにゼロにしない演出=一気に全変えない風に持っていくことも頭に入れなと。

創ったものを、容赦なくゼロにしてしまえるのも、私の良さだと思うんですが...

だから、役者の私が対応できるだけの力を付けるのが来年の一つの目標ですし、その案配を覚えるのも演出家としての課題です。

喜ばしいのは、台本の腕が上がったこと。
これは自分で毎日書く習慣を付けたことが大きいと思ってます。

「クロップドケーキ」は、関西の劇団 iakuの「梨の礫の梨」という作品を読んで、その構成おもしろいなぁって思ってて、いつの間にかそれをオマージュしたものだなぁ...ってできた時に思いました。
関係性をわからなくしながら、話を進める、このやり方、おもしろくて、私は好き。

気になる方は是非読んで欲しいし、舞台で観れるなら観て欲しい。
私もこの作品は観たことないから、機会があれば、観てみたいです。

また、この作品は実体験云々というよりかは、今年、いろんなことを体験し、その中で考え続けていたことが現れた作品という印象です。

とにかく選ぶ。

自分で決めて、選ぶ。

今年は、天国と地獄を両方味わいました。

それぞれの良さ?を味わいました。

正直、もうしなくていいなっていうことも体験したし、そうじゃないこともありました。

それらを体験しなくても良いのだけど、私は体験しないとわからない人なので、こんな一年だったのねって思ってます。

この作品は、そういうことを経た私からのクリスマスプレゼントだったのかも...
私は、このプレゼント、ありがたく受け取りましたよ、次に繋げます!

そして、改めて思うのは、

人生って、日常って、素晴らしいの連続なんです。

私は、これからもその日常を創って、演じていこうと思います。

この想いをIccokaを通して、更に伝えていけたらなぁとも思ってるんです。

今、100%できなくても、日々重ねていく。

今回の役の言葉を借りると、

人は、生きてる限り、変われる。

みなさんに届けられるよう、焦らず、傲らず、怠らず、日々、淡々とやっていきます!

長々、書きました~。
読んでもらって、ありがとうございます。

最後に、
今年もお付き合いをありがとうございました!

どうぞ、来年もよろしくお願いいたします!

みなさまにとっても、来年が良き年となりますよう。

2019年12月28日

Iccoka(いこっか) 井川 いずみ

出会ってくれて、記事を読んでくれて、ありがとうございます。演劇をやっています、創るのも、立つのもです。良い作品を届けれるよう、日々やって参ります!