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ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  22日目

BAKENEKO DIARY /DAY 22. 食道チューブを外す!

 予定通りの診察日。ミータがシリンジ給餌を拒絶するような態度を見せたり、リード散歩が難しくなってきたりしたので、食道チューブを抜いてもらおうと決意して病院に向かった。A先生が目標と言われた「以前の半分の量」は食べられていないが、これからがんばればいいのだ!

 名前を呼ばれて診察室に入ると、先生ではなく看護師さんがふたりいた。ミータを移動用バッグから出し、診察台に乗せるとすぐに看護師さんが言う。

「今日はミータちゃんのチューブをはずしますね。」
「えっ。あ、あ、はい、お願いします。」

 びっくりした。何の事はない。こちらから言い出す前から、先生はそのつもりでおられた。一週間ほどまえに診察を受けて、これからどうなるか予想がついていたのだ。さすがというか当然というか。

「ドライフード食べてますか?」と看護師さん。
「いえ、あまり。口から落としてしまいます。」
「まあ、なかなかね。チューブ入れてると、猫ちゃんはそんなに食べられないものなんですよ。」
 
 えっ、そうなんですか!と思う。A先生は「チューブを入れてても食べられます」と何度も言っていた。それはもしかして、“身体の構造的には食べられる”という意味だった? そこにA 先生が入ってこられた。

「チューブ入れて3週間近く経つのでね、一度取ります。できるだけ食べさせてください。大丈夫だと思いますから。」
 
 そうなんですね。あれこれ心配したけれど、過ぎてしまえば、ごく普通の順調な経過だったということなのだろう。
 それから看護師さんはチューブを首元でカットし、手際よく挿入口から抜き出した。15センチほどか、体内に入っていた部分も意外と長い。こんなに長いのが入っていたら、それは気持ち悪いだろうなと思う。チューブを抜いた傷口は、縫ったりせずに、薬だけ塗りながらそのまま治っていくのを待つ。掻いてしまうと傷口が開くので、毛が生えてくるまで緩くガーゼやハンカチを巻いておくようにとの指示を受けた。

 さて。3週間ぶりに点滴の管もチューブもついていないミータ。前より少し痩せてしまったけど、すっきり! 猫本来の姿が戻ってきた。ミータもとても気持ち良さそうにしている。「やっとはずせた~!」と思っているに違いない。


 そして家に帰ってまた驚いた。ミータがドライフードをパクパク食べたのだ! バンザーイ!

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