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BAKENEKO DIARY

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飼い猫が交通事故で瀕死の重傷に。安楽死させるべきか、回復を目指して治療するべきか。治療を選択してからも、食道チューブでの給餌、傷の消毒、エサの選び方等、難題に直面する日々。危機を…
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2021年5月の記事一覧

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  23日目

BAKENEKO DIARY /DAY 23. 跳んだ! 走った!  昨日、3週間近く装着していた食道チューブを外したミータ。分泌液が浸みているので、病院で付けてもらった包帯をはずし、指示された通りやわらかいハンカチに取り替えた。傷口を見ると、まだ見た目は痛々しいが、早くもくっつきはじめている。    チューブが外れると途端に飲み込みやすくなったのか、ミータの食事量は一気に増した。ウェットフードとドライフードを置いておくと、ウェットから食べ始めるが、ドライフードも少し食べられ

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  22日目

BAKENEKO DIARY /DAY 22. 食道チューブを外す!  予定通りの診察日。ミータがシリンジ給餌を拒絶するような態度を見せたり、リード散歩が難しくなってきたりしたので、食道チューブを抜いてもらおうと決意して病院に向かった。A先生が目標と言われた「以前の半分の量」は食べられていないが、これからがんばればいいのだ!  名前を呼ばれて診察室に入ると、先生ではなく看護師さんがふたりいた。ミータを移動用バッグから出し、診察台に乗せるとすぐに看護師さんが言う。 「今日は

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  21日目

BAKENEKO DIARY /DAY 21. もうリードは嫌だ  朝、ミータはシリンジでチューブから注入したミルクを吐いてしまった。シリンジ給餌を拒絶しているようにも思える。退院したときはまっすぐ歩くこともできなかったのが、数日でゆっくり歩けるようになり、今ではトコトコと早足もできようになった。回復が実感できてうれしいのだが、厄介なのが食道チューブ。60センチほどあるチューブをくるくる巻いてテープでまとめ、筒状の簡易服の背中側にしまえるようになっているが、服が伸びてきている

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  20日目

BAKENEKO DIARY /DAY 20. シリンジ給餌はもう限界?  交通事故にあい、口からエサを食べられなくなったミータ。首の下辺りを切開して食道チューブを挿入し、シリンジで高カロリーミルクを注入するようになってから2週間ほどたつ。シリンジなんてろくに触ったこともなかったので最初はこわごわ。ミルクを注入するときに空気が入ってしまったり、チューブからシリンジが外れて背中にミルクがこぼれたりと、失敗しながらコツをつかんできた。  途中、どうしてもミルクが入らなくなったと

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  19日目

BAKENEKO DIARY /DAY 19. 猫の記憶力  散歩をはじめて数日経ち、ミータは外に出るときには「リードを付ける」ことを覚えた。外に出たいときは洗濯干し場に行き、リードを装着してもらえるのを待つ。まず頭を通すと、右足はすぐに自分で適正な場所に入れられるが、麻痺の残っている左足はできない。なので、私がそっと左足を持ち上げて左足用の場所に入れるが、痛みがあるのか「ニャア」と小さく鳴く。リードを付けるのは、”嫌々“という感じで少しかわいそう。  元気が出てきたからか、

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  18日目

BAKENEKO DIARY /DAY 18. 7年前の“皮下気腫”  ミータはドライのフードも少しずつ食べられるようになってきた(下に食事量記録の写真を載せます)。でもやっぱり、まだ飲み込むのが辛そうだ。チューブを入れているので飲み込みにくいのか、痛いからなのかはわからない。ただ、ゆっくりだが確かに回復しているのを感じる。退院時に比べると起きている時間も増えて、なんとなくだがコミュニケーションが取れるようにもなってきた。  それで最近になってやっと、帰宅した当初、寝てばかり

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  17日目

BAKENEKO DIARY /DAY 17. 猫時間を一緒に過ごす  外に出るようになって、ミータはすぐに室内の猫トイレを使うのをやめた。土の方が弱った脚でも踏ん張れる。朝や午後遅くに起きてくるとすぐに猫ドアの前で待つようになったので、できるだけ外に出してやることにした。  リードを付けて猫を散歩。こんな田舎で、野良猫出身のミータを。まさかこんな日がくるなんてな~と思う。天気はいいし、12月にしてはそこまで寒くない。でも実際は、散歩と言ってもミータにほぼ動きはない。ウッドデ

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  16日目

BAKENEKO DIARY /DAY 16. ミータは“いい猫”  消毒のために病院へ。チューブの挿入部分が赤くなっているとA 先生が言う。 「かゆいみたいなので、薬を変えますね。あとどうですか、食べてますか?」 「はい。少し、食べ始めました。」 「量は、前の半分くらいいけてます?」 「いえ、それはぜんぜん。」 「体重もまた少し減っているのでね、チューブからの栄養補給はもうしばらく続けましょう。」 A 先生が診察室から出て行かれ、看護師さんが包帯をまき直してくれる。ミー

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  15日目

BAKENEKO DIARY /DAY 15. 外に出る!  ミータは、ちゅーるなら一度に一本、時には1本半くらい飲み込めるようになった。一本は14g、7kcal。カロリー低い… 何本もあげたくなるが、動物病院のA先生から「おやつ系のフードは、まず総合栄養食のフードをあげてから、どうしても無理な場合に」と言われている。観察してみると、ミータはドライフードを噛んだり、飲み込んだりができないようだ。口に入れて数回、咀嚼のようなことをするが、フードがすぐに口からぽろりと落ちてしまう

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  14日目

BAKENEKO DIARY /DAY 14. Hさんのラブラドール  ミータの様子は変わらず。こんこんと眠り、声をかければうっすらと目を開ける。たまにヨロヨロと起き出して用を足す。そしてまたノロノロとベッドに戻る。  何か刺激をと思い、ミータが寝ている私の寝室の前と、トイレの近くの二カ所にドライフードを置いておくことにした。10粒数えて小さなお皿に乗せておく。10粒。ほんのちょっとだ。  娘のSはテニス部に入っていて、仲の良いテニス友だちにNちゃんという子がいた。Nちゃん

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  13日目

BAKENEKO DIARY /DAY 13. 涙腺崩壊  朝。やっとちゅーるをひとなめしてくれた! 食べた分だけ、適当にシリンジで注入するミルクを減らしていいと言われたが、これってどうなの?減らしてカロリーは足りるのだろうか?  ミータは、こんこんと眠り続けた。猫はよく寝る動物だが、普段より多いと言うよりも、本当にずっと寝ていた。こちらが声をかけて、ようやくうっすら目を開ける、というくらい。用意したケージと寝床には全く興味を持たず、私のベッドの布団の上で。布団カバーはミル

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  12日目

BAKENEKO DIARY /DAY 12. 忘れてしまった?(涙)  娘のSは食道チューブからのミルク注入に何度か失敗し、こわくなってしまった。ここは、私ががんばるしかない。それともうひとつ。退院時に、チューブの挿入部分に化膿止めの薬を一日に2回、塗るように言われていて、こちらにも手こずった。包帯の上部に指を入れて隙間を作り、挿入部分を露出させて塗るのだが、毛をそった生肌に切開した傷口が見えて、少々グロいのだ。走って逃げるような身体ではないが、嫌がって顔を動かすのでうまく

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  11日目

BAKENEKO DIARY /DAY 11. ミルクの注入に苦戦  昨日の夜、帰宅後すぐにミータは娘Sのベッドに行ったが、寝ている間に自分の手や脚があたるとコワイとSがいうので、抱き上げて私の寝室に移動させた。嫌がるかなと思ったが、なすがままという感じでぼーっとしている。朝になるとヨロヨロと起きて、ほとんど落ちそうになりながら、ゆっくりゆっくり階段を自分で降りた。そして猫ドアまで行き、しまっているのを見るとどんよりと落ち込んだ様子で座り込み、その後はもう猫ドアへは行かなくな

ー安楽死を宣告された猫との35日間ー  10日目

BAKENEKO DIARY /DAY 10. 家に帰った途端 さあ、いよいよ今日は退院! 長かったような、無我夢中であっという間だったような。まずは支払い明細の紹介から。 ICU 5日間 35000円 入院料 9日間 36000円 静脈・皮下注射 8回 8000円 点滴 静脈 5日 17500円 留置針設置 2回 6000円 痛み止め注射 1000円 X 線 撮影 5000円 超音波 2000円 ノミダニ除去 1000円 麻酔料 6000円 手術料 31000円 食道チュ