考える“順序”の話 [ほぼ毎日書くコラム]

人にはそれぞれに、物事を考える“順序”というものがあるんだな、なんてことをここ数日で感じている。言い換えたら、その人の興味の方向性みたいなものなんだろうけど。
例えば、料理を人に振舞わなければいけない瞬間に出くわしたとしよう。僕がだったら「美味しさ→材料費→手間」といった順序で考えて作る料理を決める。なので材料費がそこそこかかけてしまったり、需要に見合わないレベルの手間をかけた料理に挑戦したりしがちだ。それでも「美味しかったから仕方がない!」「作るの楽しかったからいいや!」ぐらいに考えてしまう。

うちの妻はこの考え方の順序が僕とは違う。例えば、同じく料理を作るとなると「材料費→美味しさ→手間」といった順序で考えているな、なんてことを思う。いかに安い値段で美味しいものを作るかを考え、なんなら作る前に原価計算とかする。料理を出す時に「これ、なんと材料費●円です!」という自慢もしそう、性格的に。

結婚するにあたって「考える“順序”が違う人と結婚したいな」なんてことを考えていたことを思い出す。
どうにも結婚というのは同じ家庭を切り盛りしていく作業なので……。得意分野は各々違っていた方がいいと思うのだ。僕と妻が同じく「美味しさ→材料費→手間」の順序で考える人だったら、日々美味しい料理ばっかり作って、手元の材料費すっからかんみたいなことが起こり得る。かと言って僕が嫁と同じく「材料費→美味しさ→手間」の順序で考える人だと、それはそれでちょっと味気ないというか……。

ちょっとここで難しいのは、相手の考える“順序”を尊重するということだと思う。
妻が「これ、なんと材料費●円です!」と言ってきたことに対して「安いからなんなの?」みたいなことは言ってはいけない(当たり前だけど)。「この値段でこの味! すごい!」って言うべきだし、その素晴らしさはキチンと噛み締めるべきだと思うのだ。「この人は僕にはできないことができる! すごい!」って感じでね。
それができないと、なかなか上手くいかないよね。結婚だけじゃなくて、色々。人付き合いとか。

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