『夢のように』福永武彦
新潮から出た六冊の随筆集シリーズの一冊。このシリーズを読むのは三冊目だけれど、どれも福永武彦のリラックスした雰囲気が感じられて、とてもこの作家を身近に感じられる。
驚いたのは、結核の療養所で、後に結城昌治になる男性と交流があったという話。
清瀬市のサイトにはそのことについて説明があり、結城昌治がその頃のことを綴った随筆が引用されている。
有名な話のようだから、知らずに驚いたのはこちらの無知を曝すだけだけれど。
源氏物語ゆかりの地を巡って京都を旅する紀行文も良い。クラシック音楽や絵画について語る文章も、良い。本当に、良い随筆集である。
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