東洋文庫ミュージアム 創立100周年記念「知の大冒険—東洋文庫 名品の煌めき—」
以前から行きたいと思いつつまだ行けていなかった東洋文庫ミュージアムへ行ってきました。
なんと言ってもモリソンコレクションの書庫を一度は見ておかないと、という思いがあって。
実際にモリソンコレクションを目の前にすると、想像以上に格好いい。並べられている本には手を触れられないのがもどかしいけれど、様々な装幀の稀覯本たちを眺めているだけで、眼福の極み。
東洋文庫は、三菱の三代目社長・岩崎久彌が集めた古今東西の貴重な文献が基となって出来た、東洋学の研究機関。研究が主の組織ではあるけるど、貴重なコレクションや研究成果を民間に共有するため、企画展示という形で公開している。
「地の大冒険」は、膨大なコレクションの中でも極め付きの有名どころを中心に抜き出し、日本からアジア、中東からヨーロッパと、時空を旅する大いなる航海の航路になぞらえて、それらを配してみせたもの。
何か具体的なテーマやコンセプトがあるわけではないので、観終えた感想としては雑駁な印象ではあるのだけれど、楔形文字、ヒエログリフ、甲骨文字など、文字の発生の地点から、文化文明が発生し発達し出逢い衝突し融合する歴史の流れを、貴重な資料たちで描き出す力技、東洋文庫にしか出来ない展示であることは間違いなし。
目眩く綺羅星の美しさに酔わされて、観終えてレジャーランドのアトラクションのような満足感と、ああ終わっちゃったなという想いとが。
清朝の祭祀の執り行い方をイラスト付きで記録したもの。なんというか巧まざるユーモアのような可笑しみが…
ジャワ島の影絵芝居で使われる“人形”とのこと。この美しい色彩、影絵では見えないのでは?
江戸期の日本人が、日本に来た朝鮮通信使の様子を記録したもの。このゆるゆるの線と表情も何ともユーモラス。