見出し画像

『グッバイ、リチャード!』(2018)

『グッバイ、リチャード!』(2018)
The Professor、別題:Richard Says Goodbye
監督: ウェイン・ロバーツ
出演者: ジョニー・デップ、ローズマリー・デウィット、オデッサ・ヤング、ダニー・ヒューストン

こうゆうジョニー・デップ、好きです。
難しく考えるコトない、誰もが迎える死が突然やってきたというお話。
末期がんと診断された大学教授、どうするかと思えば治療も受けずに、死期まで七転八倒する。
デップお得意のとぼけた演技が、まぁ悲壮感を煙に巻く。
でもよくよく考えてみたら、なかなか肝が据わらないとこうは進行しない。
映画であるから、コメディであるから、という括りは置いといて、
自分ならどう動く、という視点で見ていくと面白い。
余命宣告を受けたといっても、やはり実感は湧いてこないだろう。
腹も減れば、色目もあるし、
やり残したことはないかと詮索したり、
この理不尽な告知に憤ったり、
また哲学的に物事を捉えたり、
はたまた悟りに近い境地まで体験するかも知れない。
あと一日で世界が滅びます、というのも面白いが、
余命半年から一年、もしかしたら生き残ってしまうかも、
もしくは明日にでも死んでしまうかも、
これは現状とあまり大差なくもない。
健常であったとしても、死に際は不明瞭だ。
そうなると、今を生き切ることが一番重要な課題となり、瞬間を大切に思える。
怠惰に生きているとそんなことに気付かないくらい、無駄に時間を遣り過ごしてしまうものだから。

この映画はそんな重要なテーマを、軽く笑ってみせます。
リチャードは「じゃあね」て云いながら去っていくのです。

Johnny Depp #一骨画