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【鉄面皮日記】23/10/04.ニッチもサッチもどうにも。


ニッチもサッチもどうにもブルドッグ、へいっ!
フォーリーブス解散前年77年のイカれた迷曲からひとつ。
彼らのことは薄ら記憶してるが、僕はたのきん世代、それからシブがき隊辺りまで、好きか嫌いかを問わずテレビっ子ならばどこからか侵入してくるジャニーズ事務所。
今ならWikiればいくらでも情報は仕入れられますね。

ジャニーズ事務所はジャニー喜多川の野球チームから発足、当初はミュージカルをメインとしてのタレント育成から始まる。
初代ジャニーズ、そしてフォーリーブス、ここまではたいした影響力を持たない芸能プロだったが、80年代のたのきんトリオから光GENJIまで、さらに少年隊、SMAPといった人気グループを経て絶対的な権威を持つに至る。

『光GENJIへ・元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』88年出版。

光GENJIへ・元フォーリーブス北公次の禁断の半生記


僕はこの本を90年代半ばに読んだ。(映画『竜二』で彼を知ったのが切っ掛け)
無論、衝撃的な内容で赤裸々で痛々しく、ジャニー喜多川の鬼畜ぶりにぐらぐらした。
それでも北公次は、これを愛情といっていいのか分からないが(洗脳とかストックホルム症候群とか云いようはあるが)
最初は強姦であったとしても時間を経て和姦へと変質してしまったかのような発言もしている。

彼が亡くなる最後の手紙に、
「ジャニーさんメリーさん、ありがとうございました、感謝しています。」と綴られていて
そこが切なくてたまらない。


芸能界は海千山千、ショービジネスで成功を掴み成り上がるヤクザな興行の世界。
当然、枕営業でそのチケットを得ようと画策する者もいるだろう。
どんな手段を使ってでも、運を掴み這い上がっていく場合もあるだろう。
誰もそれを笑えないし蔑むことなどできないハズだ。
これはすべての者が、加害者であり被害者であるという物語。

ジャニー喜多川の性搾取問題、
権威を誇示し他者を搾取するような行為は、姑息で卑怯で非道だ。
でもこれはなくならないような気がする。
絶対的な権力を持ってしまったら人はどうなるのか、そのひとつの事例だ。
被害者は約500人にも及ぶという、もうこうなると彼のバイタリティーたるや尋常ではない。
人格破綻、セックス依存症を疑うべき事例である。
のだが、彼は他界してしまっているので、もはや検証は不可能だ。
再発防止に、近田春夫氏が言っていたのが、
「ジャニーさん死んじゃったらそんな事もうこれからは起こらないでしょ?基本的に。」xより
ジャニー喜多川がどんな人格形成を以てこのような奇行を繰り返したのか解明してほしい。

ヒント

『SHE SAID その名を暴け』(2022)
ハリウッドで大きな影響力を持つ映画プロデューサー・ハーヴェイ・ワインスタイン(ミラマックス創設者)
性暴力事件を暴く実録。
大きな権力がどうやって火消しをしていくのか、そしてどうやって戦っていけばいいのか。

『SHAME−シェイム−』(2011)
SEX依存症の兄、恋愛依存症の妹。
"恥"というタイトルには同意できないけれど、人は様々な環境に於いてどんな影響を受け、
社会生活という檻の中、折り合いをつけ生きていくのか、そのひとつの症例。

たくさん映画の中にヒントが隠されているが、
やはり作り物であることは拭えず、人の所作に際限はない。
お金、政治、愛、執着、固執、力を得た者が見る夢は、弱者を痛めつけて壊す。
他者の世界を壊し葬って、なにに喜悦を感じているのだろうか?
まったくニッチもサッチもどうにも狂ってやがるぜ。