見出し画像

【鉄日】24/06/05. 猪鹿蝶

花札の役。
(猪は子孫繁栄の象徴、鹿は幸運や俸禄の象徴、蝶は円満な結婚生活の象徴とされ「猪鹿蝶」はとても縁起の良い役)

鹿を、お子が生まれる間近、義理のお父さんが車を運転し、ハネとばして殺した。
雨の中、並走してきたための事故である。
死んだのかどうかわからないけれど、たぶん凄い音でぶつかったので、先は長くなかったろう。
オリバー・ストーン監督「ドアーズ」のオープニングを思い出した。
子供時分のジム・モリスンが、交通事故で轢かれ死んでるインディアンを、車内から見ているシーン。
吉兆なのか凶兆なのか、とにかく生き死にに触れると、特別に神聖な思いを感じる。
鹿が死に、お子は無事に産まれたのだった。

ここ毎日、草刈機を操って、雑草を刈っている。
大虐殺だ。
見通しよく刈り取られ無惨に横たわった草花を眺めてると、
「地獄の黙示録」ホーチミンにでナパーム弾を落とし虐殺してるかのような罪悪感だ。
ピロティ周囲を大方終え、路上へと足を伸ばす。
そうしたら昨日、獣道から、2匹のイノシシが飛び出してきた。
一匹はかなりの大物で、「もののけ姫」乙事主(おっことぬし)の貫禄だ。
ヤツが威嚇して自分を追い払おうと突進のそぶりを見せ、急に恐怖心が湧き上がる。
これはヤバいかも、ぜったい勝てないというコトがすぐに分かった。
確かに草刈機で肉を裂くことも可能であろうが、生半可な気持ちでは向かっていけない。
とっさに背中を向け逃げようとしたら、距離を縮め迫ってきた。
ダメだ、逃げる素振りは危険だ、正面で向かい合い、こちらも威嚇しながら後退りが正解だ。
ウィーーンと草刈機で間合いを取って、ずりずりと後退りしていく。
ヤツはずりずり迫ってきて臨戦体勢、数10mくらいしてやっとテリトリーから離れたのだろう、
睨みをきかせたまま止まり、ぷいっと消えていった。
ダメだ、ぜったい勝てない。
情けなくも戦意喪失したまま、顔面蒼白で逃げるのみだった。

誰が言ったか知らねど、勝てない相手を喰らってはいけない、という法則がある。
普段美味しく家畜化された肉を喰らう我ですが、鳥ならば勝てるが、豚は少し危険だ。
「あしたのジョー」で鑑別所からブタにまたがって"これがホントのトンズラだー!"て吠えるジョーならばいざ知らず、
僕なんて、勝てるんだろうか、甚だ疑問である。
野生の猪を家畜化したのが、豚である。
ふいに野生の本能に目覚め、凶暴化した豚がまさに猪突猛進、
突進してきたら、"どすこい"って跳ね除けらるような力はないだろう。
ダメだ、豚は喰えない。
そうすると当然、牛なんて、勝てるワケないので、牛も喰えない。
なんてこったい、焼き鳥しか食べれないじゃないか。
でも生身で戦えとは言ってない、人類には知恵もあり、道具もあるのだ。
多勢で攻めればマンモスだってやっつけられるんだ。
そうして安堵し自身を誤魔化し、肉を喰らうのであった。
ちゃんちゃん。

テリトリー問題なんだ。
ヤツらの領土を犯しているが故に、これらの衝突は起こってしまう。
熊が出没するのもそれが所為である。
人がやたら増え、草木を刈り、山を壊し、必要以上に破壊するから、乙事主は怒る。
それを分かっていても止まらず、害獣だの雑草だのと区別をして殺していく人類。
いつか裁かれるのは必至でしょう。


爆竹と草刈マシーン

そんなコトを考えながら、今日は爆竹を鳴らしながらの草刈りメ〜ン。
とにかくさしあたって、お互いに衝突は避けようじゃないか。
チョウチョが呑気に飛んでいた。

「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」20点!