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旧正月、満州旅行〜幻想的な街ハルビン〜

1月の旧正月休みに蘇州発、寝台列車で7泊8日で満州(ハルビン、長春、大連)旅行に行ってきました。(前回の続き)。今回は初めの旅先であるハルビンについて書きます。

(日本語ではハルピンですが、中国語ではHalbinなのでハルビンとします)

哈尔滨がハルビンです。

ハルビンの緯度は北海道の稚内とほぼ同じ。気温は-20℃。経験をしたことのない寒さでした。防寒対策はしっかりとしてきたつもりでしたが、靴だけは歩きやすさを重視してナイキのスニーカーにしてました。ハルビンの街中は雪はそこまで積もってないのでスニーカーで大丈夫だろうと思っていましたが、それが大失敗でした。どれだけ動いても寒さが体に周り、1時間も外にいたら、かじかんで手足が動かなくなるのです。完全に-20℃の世界をみくびっていました。たまたまホテルの側に靴屋があったので、良さそうな雪靴を買いました。すぐに履き替えると、こんなにも違うのかというほど寒さに耐えられるようになりました。


最初の行ったところは1936年に関東軍によって創設された731部隊の人体実験施設です。市内からは小一時間離れたところにあります。施設はサッカーコート5-6面分はあるだろうという広大さで、旧関東軍が様々な人体実験をしていた施設が点在しております。私が最も印象的だったのは外部から施設内に入り込む線路です。ユダヤ人を大量虐殺したアウシュビッツ収容所のようでした。電車に乗せられて実験を受ける人々はどれだけ恐ろしかったのか。また実験をする日本人はどのような気持ちだったのか。どこまでも伸びる線路の先に視線を置くと複雑な感情が込み上げてきました。

ロシア正教大聖堂

次に向かったのは中央通りというハルビンの中心街です。ここは日本の原宿のような通りで、ちょうど春節中ということもあり、多くの人で賑わっていました。ハルビンの街は1896年以降、ロシアに支配されていたこともあり、ロシア建物が数多く残っています。中国とロシアが融合された街で幻想的な雰囲気を醸し出しています。そこに-20℃の冷たく澄んだ美しさが街の雰囲気を際立たせます。さらに日本の建物が所々に点在しているので、それを探る作業はまるで宝探しのようで胸を躍らせてくれます。例えば、旧日本総領事館や総領事館邸など。今は小学校になっていたりしています。初代総理大臣の伊藤博文はハルビン駅で射殺されました。ハルビン駅構内にある伊藤博文暗殺記念館(中国側からすると名誉なことだから記念館)の資料によると、ハルビン駅で撃たれたのち、すぐに旧日本総領事館に運ばれたが、息絶えたそうです。ハルビン駅から日本総領事館までは距離にすると1km程度。この距離を私は歩きながら当時の様子を想像してみました。

あとはハルビンといえば、氷祭りです。ここは日本の歴史とは関係ないのですが、有名な場所ということで訪れました。実はこの時はまだ雪靴を購入する前なので、寒さで長時間いられませんでした。でも、数々の氷の彫刻美には圧倒されました。その綺麗さを日本にいる我が子達に見せようとテレビ電話をしましたが、-20℃の寒さにiphoneも耐えられず、ものすごい勢いで充電がなくなってしまいました。入場料が 6000-7000円とそれなりにするので、せっかく行くなら防寒対策もしっかりして、楽しむべきだったと少し後悔はしています。 

砂鍋 ピリ辛で美味しい
羊肉 羊臭さが全くなく甘い
饅頭焼き 香ばしい

気になる食事ですが、ハルビンはロシアの影響も受けているのか、ビールやソーセージが有名で、安くて美味しいです。ドイツやロシアには行ったことありませんが、似たような感じなのでしょうか。個人的にはソーセージが好きなのでビール片手に美味しいソーセージを頬張って幸せでした。他には中華料理でいえば東北料理で、日本人にもよく合う味付けだと思います。砂鍋、串焼き、牛肉麺を食べましたが、どれも美味しかったです。

最後に、ホテルの側に銭湯があったので、ホテルのシャワーは使わず、滞在4日間のうち2日間はその銭湯にいき、体を温めました。中国の銭湯は色々なタイプがありますが、超庶民で陳腐な所から高級感のある豪勢な所まで。私が行ったのは後者の方だったので、迷わず行けました。高級感があるけども、入浴だけなら料金も30元(600円前後)なのでコスパ大です。旅の疲れを癒させてもらいました。こういう豪華なところはマッサージやその他サービスを受けると、追加料金が発生して、高くなっていきます。

以上がハルビン旅行記です。次はハルビンから新幹線で1時間程度、長春の旅です。 









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