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旧正月、満州旅行 〜蘇州からハルビンへ2300kmの旅〜 

今回はタイトルにもある通り旅行記になります。旅先は旧満州(ハルビン、長春、大連)、私は蘇州(江蘇省)に住んでいるので、旅の始まりとなるハルビンまでは約2300km。日本で例えると、東京-福岡で約1000kmなので、東京福岡を往復してやっと着く感じです。寝台列車で約24時間の長旅となります。


幼少期から電車好きだった私、電車好きは一度は憧れる寝台列車。まさかその夢が中国で叶うとは思ってもみませんでした。中国で仕事をし始めて約10年になりますが、新幹線や飛行機での移動はありましたが、寝台列車はカオスだととあまり良い噂を聞かなかったので疎遠しておりました。


周りの人のイビキは耐えるしかない

しかし、今回旧正月休みとなり、2週間という長い時間が生まれたので、思い切って寝台列車旅行にチャレンジしてみました。正直、行き先はどこでもよかったのですが、せっかくなら勉強になるところが良いなと思い、旧満州に決めました。久しぶりの一人旅に高揚感と共に緊張感が漂い、出発直前は緊張感が上まっていました。列車の出発は夜の19時です。家から20分くらいの蘇州駅から、2000km先のハルビンまで直通列車が走っているとは感慨深いものがあります。 


462元=8000円くらい

寝台列車には3種類のチケットがあります。安い順に椅子席(硬座)。硬ベット(硬臥)。柔らかベッド(軟臥)。ちなみに柔らかベッドにするなら一般的に飛行機の方が安いと思います。私のチケットは真ん中の硬ベッドになります。両脇3段ベッドでベッドの大きさは畳0.6畳くらいです。

ベッドの他にも通路には折りたたみ式の椅子とテーブルが設けられており、そこでご飯を食べたり、携帯の充電ができたりします。コンセントは人数分はないので、譲り合いになります。


さて、列車は蘇州を出発すると、北上していきます。22時過ぎに南京についた頃には眠気が襲ってきまして、一眠りしていました。そして目が覚めると夜が明けており、早起きの子供たちや老人らが朝食を取って喋っていると、それが自然と目覚ましとなりました。現在地をGoogleマップで確認すると天津を過ぎていました。寝台列車の乗り心地は想像以上に良く、自由に動き回れるし、横にもなれるし、飛行機、バス、車の旅よりも快適でした。時間が掛かるというのは難点ですので、現代人には疎遠されがちですが、私のような暇人には最適であることを認識しました。


ちなみに硬ベッド車は3段式なのですが、足の悪い方や老人は絶対に下段にするべきです。ベッドには梯子はなく、アスレチックのように自力で登っていかなければなりません。上段か中段であれば、上段の方が良いと思います。上段は荷物の置き場所も少しあるし、見下ろせる感覚が良いかと。中段までは窓があるので景色が見れるけど、狭く感じると思います。ちなみに私は中段でしたが、荷物もリュック一つだけなので、対して不便を感じませんでした。


では気になる食事ですが、機内販売があります。弁当25元(500円)、軽食など。私は弁当や軽食に期待していなかったので、カップラーメンやお菓子やお茶を持ち込みました。各車両にはお湯の出るウォーターサーバーが設置されているので、お茶もカップラーメンも簡単に作れるので便利です。


狭い車内では本を読んだり、外の景色を見たりしてゆっくりと過ごしました。近年、10日以上のホテル隔離を何度か経験しているので、時間の潰し方は上手になったと思います。そして改めて思うのは無駄な時間ほど大切なものはないということ。無駄な時間を過ごすと、人間は色々なことを考えます。過去を振り返ったり、未来を見つめたり、何か発見できたり。普段やらないことを試るのです。こういったことを繰り返すことで、自分を見つめ直すきっかけとなり、誰かに与えられた線路の上ではなく、自分で敷いた線路に乗り換えて走るきっかけを作ってくれます。 


さて、列車から見える車窓ですが、昼間の時間は天津から長春の約1000kmです。どんな景色が見えたかというと、ほとんど冬の荒れ果てた広大な大地です。時には集落が見えたり、羊飼いが見えたり、凍ってる河があったり。ほぼ同じ景色なのですが、時に小高い岩山があったりと、新鮮な景色を無心に眺めているだけど、旅をしていることを感じさせてくれました。


いよいよ列車は長春をすぎ、24時間の寝台列車の終点ハルビンに到着になります。ハルビンに近づくと列車の窓縁は凍りついていました。iphoneで外の気温を確認すると-20℃。想像以上の低気温に興奮と驚き、そして少しの恐怖感が湧いてきました。

ハルビン西駅に降り立った瞬間の印象は冷凍庫の中にいるようでした。昔行った田舎の遊園地の冷凍庫アトラクションと同じ感じ。



地下鉄に乗り換えてホテルに向かいました。ホテルを決めていなかったので、まずは中央通りという繁華街に向かって地下鉄に乗り、地下鉄の中でホテルを予約しました。ハルビン西駅から中央通りまでは45分くらい。ホテルを決める時間は十分にありました。100元前後の安宿で良いので、簡単に見つかりました。地下鉄2号線の工人文化宮駅から徒歩3分。この駅から繁華街の中央大街駅までは5駅。中央大街近辺にももっとホテルはありましたが、あえて少し離すのが、自分流。繁華街の中に入ればそこは旅人の世界。しかし、その周辺には地元民の生活が入り混じってると思ってます。


ホテルにチャックインすると、安心からかお腹空いてきたので近辺を散策。と言っても外はマイナス20℃。悠長にはいきません。外を歩けても20-30分が限度。幸運にもすぐに串焼き屋が見つかったので、羊肉の串やホタテ焼き、アサリの炒め物などを持ち帰り注文し、帰り途中にハルビンビールを購入してホテルの部屋に戻ってきました。串焼きもビールも美味しく、どちらも蘇州の味とはちょっと違い、新鮮さも味わえました。   

というわけでハルビン初日はこんな感じで終えました。 
次回はハルビン2日目です。














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