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これからのSmartHRを「コンテンツでサポート」するために。サポコンプユニットのご紹介

こんにちは、SmartHRでUXライターをしているibulogです。

11月に記事を出そうと思っていたんですが、あっという間に年末に差し掛かり、スーパーに陳列されていたクリスマスのお菓子詰め合わせはいつの間にか消え去り、代わりに鏡餅が並んでいました。まぁブログ記事ってそういうもんだと自分に言い聞かせています。

さて、UXライティンググループにはこれまで「SmartHR基本機能ユニット」と「タレントマネジメントユニット」という、開発組織の体制にアラインした2つのユニットがありましたが、2023年7月に3つ目のユニット「サポートコンテンツプラットフォームユニット」通称サポコンプが新設されました。

この記事では、生まれたばかりのユニットであるサポコンプについてお話しします。サポコンプはどこから来たのか、何をやっているのか、そしてどこへ行くのか。この記事で少しでも伝えられたら幸いです。

サポコンプはどこから来たのか

サポコンプが新設された理由は、簡単にいうと「これからのSmartHRを支えるに足るサポートコンテンツをつくるため」です。

これまで、SmartHRのUXライターは特定の開発チームに所属し、仕様策定の段階から議論に参加してきました。開発チームとともに動くことで、機能のコンテキストを深く理解することができました。UI文言をじっくり検討できたり、ヘルプページの制作を依頼することなく開発チームで完結できたりと、メリットはたくさんありました。

ただし、これには弊害もありました。UXライターが特定の開発チームに所属することは、プロダクトに直接は紐づかない「サポートコンテンツ全体」に関する課題が宙に浮きやすくなることを意味します。サポートコンテンツ全体に関する課題とは、下記のようなものがあります。

  • サポートコンテンツ全体の情報設計

  • サポートコンテンツのプラットフォーム開発・運用

  • サポートコンテンツの効果測定

上記の課題はUXライターが特定の開発チームに所属してからずっと宙に浮きがちだったわけですが、「これまでの」SmartHRであればなんとかなってきました。しかし、マルチプロダクトを目指す「これからの」SmartHRを支えていくためには、看過できない課題になってきました。

マルチプロダクトを目指すSmartHRでは、プロダクト単体ではなく、複数のプロダクトを組み合わせた価値の訴求が重要になってきます。全社的にも、マルチプロダクトを見据えた組織作りが進んでいます。

サポートコンテンツも例外ではありません。単一プロダクトの機能の使い方を超えたサポートコンテンツを提供できる環境を作らなければなりませんし、サポートコンテンツ全体を見通した情報設計が要になってきます。

そんなわけで、特定の開発チームに所属することなく、サポートコンテンツ全体に課題に立ち向かっていく組織になるべく、サポコンプが爆誕しました。やったね。

サポコンプは何をやっているのか

「サポコンプはどこから来たのか」に書いた通り、主に下記の3つの課題に日々立ち向かっています。

  • サポートコンテンツ全体の情報設計

  • サポートコンテンツのプラットフォーム開発・運用

  • サポートコンテンツの効果測定

サポートコンテンツ全体の情報設計

SmartHRのサポートコンテンツそのものは、比較的充実しています。ヘルプページの記事数は1000をゆうに超えていますし、ヘルプページの他にも「学び」に特化した「SmartHR スクール」もあります。どちらも記事の新規追加・更新が頻繁に行われています。

そんな中、サポコンプでは、コンテンツそのものではなく「ページをどのように分類すれば、読み手が探しやすいのか」といった、すべてのコンテンツに影響がある課題の解決に取り組んでいます。

例えば、現在のヘルプセンターは「機能別」にページを分類していますが、マルチプロダクト化が進むと「複数のプロダクトを組み合わせて利用する」ことが前提になるため、機能別のセクションを全面に出す意味が薄れてきます。
ユーザーの業務という観点でも、一つの機能だけ利用されることは稀なはずです。実際、社内の労務担当者にヘルプページのカードソーティングを実施したところ、機能単位ではなく業務単位で分類する結果が出ました。

このように、量やページ単体としての質は充実しつつあるサポートコンテンツを、どのように配置し、どのように届けてパフォーマンスを最大化していくかを、日々考えています。

...と言っても、一朝一夕に「俺たちが考えたさいきょうのサポートコンテンツ設計」が思いつくはずもなく、足元ではインプットを重視した活動をしています。
『DESIGNING CONNECTED CONTENT』を輪読したり、社内の労務担当者にインタビューしたりと、地道な学習を進めているのが現在地です。なんせ、これまでUXライティンググループで手をつけられなかった課題を扱うわけなので、たくさん勉強しなければ、と考えています。

輪読会のMiro会場。難しい箇所に一同共感し、理解を後回しにしている
輪読会のMiro会場。難しい箇所に一同共感し、理解を後回しにしている

サポートコンテンツのプラットフォーム開発・運用

UXライティンググループは「ヘルプセンター」と「SmartHR スクール」の2つの媒体を管理しています。それぞれの媒体を支えるコンテンツのプラットフォームを開発・運用することで、ユーザー・コンテンツ制作者の双方がより使いやすいようにしています。

特にヘルプセンターは、Next.jsとVercelのJamstack構成であり、柔軟な開発が可能です。

直近のユーザー向けの改善としては、検索結果画面で「対象読者」で絞り込める新機能がこっそり追加されています。

ヘルプセンターの検索で、対象読者で検索結果を絞り込んでいる

また、コンテンツ制作者向けには、ページ内の特定の見出しに移動できるアンカーリンクを設置できるようにするなど、プラットフォームとしての使い勝手を向上させる機能追加を行なっています。

開発・運用にはエンジニアに協力してもらっていますが、UXライターで実装できるものはUXライターで実装しています。

サポートコンテンツの効果測定

まず前提として、サポートコンテンツの効果測定はとても難しいです。例えば「問い合わせが減ったかどうか」を指標とした場合でも、コンテンツを公開したことと問い合わせが減った「相関関係」は把握できても、「因果関係」を明らかにするのは困難を極めます。

そして、恥ずかしながら、これまでSmartHRでは「サポートコンテンツの効果検証」というものを体系的にしてきませんでした。問い合わせが減ったかどうかを確認したり、ページごとのPV・UUを確認したりすることはありましたが、それらの指標そのものが効果測定をするための指標たりうるか、の検討はあまりしてきませんでした。

ただ、難しいのでやらない、というわけにはいきません。効果を測定できるということは、すなわち事業インパクトを可視化できることであり、UXライティンググループの存在意義を明示することにつながります。また、効果測定によってコンテンツの成否がわかることで、コンテンツ制作者の学習サイクルを高速に回すことができます。いいことしかないので、頑張ってやろうとしています。

幸いなことに、多くのデータは社内のBigQueryで利用できる状態にあります。RedashでBigQuery内のデータを可視化するダッシュボードを作成し、コンテンツ作成者に利用してもらうことで「効果検証をするために、どんな数値が妥当性があるか」を検証しているフェーズにあります。

ダッシュボードは「見るくん」の愛称で親しまれていて、グループのみんなに愛されすくすくと育っています。

見るくんを共有したグループ定例議事録の抜粋。見るくんの誕生を喜ぶとともに、似た名前の「みんくる」も好きという会話がなされている
見るくんを共有したグループ定例議事録の抜粋

サポコンプはどこへ行くのか

サポートコンテンツ全体に関わる課題に立ち向かっているサポコンプの仕事は、その影響範囲も広くなります。やりたいことはたくさんあるのですが、自分たちだけで進められることは多くありません。

UXライティンググループのサポートコンテンツライターと協業するのはもちろん、CSやカスタマーサポート、場合によってはマーケティングまで巻き込む必要が出てきます。
まだまだユニットとして立ち上がったばかりで、他のグループとのコミュニケーションが少ないのが課題。もっと他の部署と連携、いや、連携なんてよそよそしいことは言わずに、同じ釜の飯を食う勢いで一緒に仕事をしていきたいと思っています。

これからのSmartHRをサポートするに足るコンテンツを提供するために、やっていき!

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