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散歩

地面は鏡だ。

田舎の、線路沿いの細い道を
ただひたすらに真っ直ぐ歩く。
ここは山手であるから、
すぐ隣が線路でない時は
ずっと林沿いを歩いて行くことになる。

私は幼虫が苦手。
緑色のもの、白いもの、茶色いもの、毛の生えたもの
あの柔らかそうで、足のたくさん生えたものが
恐ろしくてたまらない。
あれらは非常に無力だから。
だからこそ怖い。
これは本能なのだろうか。

林沿いを歩くということは、
木々に囲まれているということなのだが
これがやっかいなのである。

あれらは道に居るだけでなく、
よく、葉っぱや枝からぶら下がっている。
何故なのかは知らない。
そんなところで何をしているのか、
恐怖から来る苛立ちをその姿に覚えるが
彼らもそういう生き方をしているのだから
どうしようもない。

そのようなことで道を注視しているわけだが
ここで気づくことがある。
両端には茶色い落ち葉や小枝、
道の所々に緑色の落ち葉。
なるほど、ここが葉の落ちやすいところ。
下を見ていれば、私の頭上でどのように
木々が茂っているのか想像しやすい。
これは落ち葉の少ないところを歩くのが吉。
僅かにでも危険を少なくするのだ。

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