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わが子の幸せをたくすエンディングノートプロジェクト

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障害のある我が子と暮らす親の最大の不安を少しでも解消できればと、「親なき後問題」を考えるプロジェクトを始めます。親が元気なうちに何をするべきか、ご家庭の状況に即した解決策を考えて…
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2021年10月の記事一覧

おやごころ 〜 episode007 〜

入院できなかったんです「今すぐ入院させないと間に合わない!  息子さんのことは どうにかできないんですか?」 近所の方からの電話を受け家を訪ねると、そこには動けなくなっているお母さんの姿がありました。お母さんは癌でした。ずっと前からお医者さんや近所の方は入院を勧めていたそうです。 「わたしがいなくなったらこの子が一人になる。  そう考えたら 入院できなかったんです」 そう言い残して、お母さんは病院へ向かいました。 気づけなかった異変と不安いぶきは通所施設ですが、なかまが自

18日目と9,975日目

18日目10月28日(木)。今日でガバメントクラウドファンディングの取り組みが始まって18日目です。これは全期間のおよそ1/5になります。今日までに35名の方から632,000円のご支援をいただきました。ご支援とともにいただく温かいメッセージにも、皆とても励まされ、残り期間もますます力を入れていかねばと思いを新たにしています。 9,975日目1994年7月8日(金)。この日、法人登記が完了し正式に社会福祉法人いぶき福祉会が誕生しました。多くの人の夢が叶った日であり、そして、

誰もひとりでは生きていけない 親なき後をつなぐバトン 〜 Interview.001

いぶきの「エンディングノートプロジェクト」がはじまり2週間が経ちました。今週から定期的に、プロジェクトに関わる人たちのインタビューを配信していきます。いぶきの職員、当事者である障害をもつ方の親や兄弟、専門家…など、さまざまな人の視点から「親なき後」の問題について語っていきます。 障害があってもなくても、誰もひとりでは生きていけない。 だから、みんなの課題として考えたい。 そんな思いを、プロジェクトに関心をもってくださった方みなさんへ、次のバトンとしてつないでいくことを願ってい

寄せられた応援メッセージ 〜 vol.01 〜

ガバメントクラウドファンディングがはじまって、ふるさとチョイスのサイト上や、Facebookなどを通して、さまざまな応援メッセージをいただいています。今日はそれらを紹介したいと思います。 〇障害者の「親なき後」のためにできること 、とても大切な取り組みだと思  います。共感の輪が広がりますように。応援しています! 〇プロジェクト応援しています。 〇障がい者の親亡き後のことって、不安が大きすぎて、口にさえ出せない人  がたくさんいらしたんじゃないかなぁ。いぶきの取り組みが今後

職員のおもい ~ episode006 ~

地域であたりまえにくらすためには気管切開やチューブ栄養摂取の仲間が多い「朋」のみんな。指導員も仲間もとってもいい表情でスライドに写し出されている。 「地域であたりまえに暮らす」 使い古された言葉だが、実践するとなると、いろいろな障害が横たわっている。私たちの指導の中で、「これはこの仲間には無理だ」と決めつけてはいないか。そう考えたときに指導は終わってしまう。 「どうすればできるようになるか」 これを論議し工夫し、失敗を恐れず実践する。そして仲間と親と指導員で互いに喜び

おやごころ ~ episode005 ~

いぶき福祉会後援会設立記念講演  竹下義樹氏の 「夢が障害者を育てる」をきいて 夢を語る 明るさと 強さと2~3年前、友人に誘われて、谷汲山の本堂の下にある回廊に入ったことがある。そこは一条の光もない、まさに漆黒の闇の世界だった。狭いのか、広いのか、天井や足元はどうなっているのか、何ひとつわからない。時間さえ止まったようなその闇の中で、わたしは壁に張り付いて、そろそろ足を進めるしかすべがなかった。1、2分後には、また元の光の世界に戻れるとわかっていても、自分自身の姿さえ確認

10日目

10月20日中日新聞朝刊に掲載されました 法人のはじまりから27年。 「親なき後」を広く社会の問題と捉え、親さんと障害のある仲間本人と一緒に悩み考え、向き合っていきたいのです。 ご寄付はこちらから【外部サイト:ふるさとチョイス】   https://www.furusato-tax.jp/gcf/1423

おやごころ ~ episode004 ~

名前にこめた思い我が家の本家には名づけの辞書があり、代々その辞書から命名してきました。私も長男もその辞書からの命名です。その中から選んだ【祐】の文字。 その意味は「優しい」。人に対し優しい子になってほしい、助ける人になってほしいと名づけました。親ばかかもしれませんが、まさにその内容どおりの子どもに成長したと思います。 親父として【祐】のことは普段は家内任せかな?と思いますが、ここぞという時には、「親父として」関わってきました。小学校入学時、地元の小学校に特殊学級(現:特別支

スタートから1週間

ガバメントクラウドファンディングがスタートして1週間がすぎました。現在、17名の方から350,000円の支援をいただいています。のこり85日間の取り組みです。 今、いぶき福祉会の中では保護者の方に向けて、ガバメントクラウドファンディングの学習会をしています。10日間に分けて各10~20名程度の参加。今日でおよその半分の日程が終了しました。 参加者の声● ふるさと納税の仕組みが少し複雑だと思いました。説明が聞けてよかっ   たです。 ● エンディングノートについてイメージで

職員のおもい 〜 episode003 〜

今日は泊まらないよ お母さん迎えに来るって2012年4月、なかまたちのパストラルいぶきでの生活が始まったばかりのころ、彼女がよく口にしていた言葉です。 おやごごろ と なかまのねがい と 職員のおもい とご家族が、まだ20代である彼女のグループホーム入居を決心したのは、自分たちが元気であれば新しい生活のスタートを十分支えてあげられるから。 しかし、彼女は大好きな家族と離れて暮らすことがどうしても納得できません。 「(ホームに)連れていかんといてよ!」そう泣き叫ぶ彼女に、職員

なかまたちのねがい ~episode002~

安全と安心の間である日の作業中、なかま宛に1本の電話がかかってきました。 「お母さん、今から入院することになったから」 お母さんと2人暮らし、初めての入院、彼女は大パニックです。 2007年3月29日、いぶき福祉会が始まって4,648日目のことでした。 「一人になるのは嫌だ」そう言って、一度はショートステイを利用してみました。しかし、知らない人たちと過ごす時間は緊張し、自由にも欠け、彼女には居心地の良いものではありませんでした。 「ショートステイにいる方が安全」 職員もお

ふるさと納税ってどうやるの?

90日間の取り組みがスタートしました。あらためて、ガバメントクラウドファンディングとは、「自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄付金の『使い道』をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄付を募る仕組み」です。 今日は、まだ「ふるさと納税」に馴染がない方に、動画や資料で「ふるさと納税のしかた」をお届けしたいと思います。 *わたしはいくらふるさと納税できるの?自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税、及び個人住民税から控除される控除上限額は年

おやごころ ~ episode 001~

一人で帰れることに ほこり...今年になって、作業所からの帰りは、友だちとバスに乗って帰るようになりました。 バスから降りると、ひとりで家まで歩いて帰ってきます。ひとりで帰れることをほこりに思っているようです。 帰ってきたときに、私がいると不満そうな顔をしています。ひとりでいたいというねがいが あるようです。 留守番ができるようになるといいなあ...と、親も願っていますが、親はまだ心配なのです。 これは1994年9月30日に小規模授産所いぶきが発行した「いぶきだより」

わが子の幸せをたくすエンディングノートプロジェクト ~障害者の『親なき後』のためにできること~

社会福祉法人いぶき福祉会とは 「いぶき」は1984年、障害のある人の活動する無認可小規模作業所として誕生し、1994年に岐阜市初の障害分野における社会福祉法人を設立しました。「重い障害があっても、大好きなこの街で安心して暮らしたい」、そんな障害のある人自身と、わが子の将来を思う親のねがいに、私たちはできるかぎり寄り添うことで、尊厳と人権を守り続けてきました。現在は利用者197人、職員177人で活動しています。  今回、障害のある我が子と暮らす親の最大の不安を少しでも解消できれ