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還暦過ぎて歯をほとんど無くした私からのアドバイス

毎年発売される新作の歯ブラシ・歯磨き粉に意味はあるのか。

また今年も新作の歯磨き粉のCMが盛大に流れてきている。今回は歯磨きを手早くぱぱっと済ませる人とゆっくり時間をかけて磨く人とで別々の歯磨き粉を用意してくれているらしい。歯磨きの時間が変わると歯磨き粉の成分にどんな違いが必要なのかよくわからないのだが、歯磨き粉を選ぶときに歯磨き時間で選ぶというひとがそれほどいるとも思えないので、この製品はすぐに市場から消えてなくなってしまうのではないかと心配している。いやどうでもいいので心配していないが、この企画を思いついて製品化したプロジェクトリーダーや企画を通した役員は責任を取らされるのではないかと、少し気の毒には思う。そこまでして毎年新製品を売り出さなければならないのだろうか。歯磨き粉や歯ブラシは還暦過ぎた私が子供のころから毎年画期的な新製品が発売されてきた。昔は歯を白くすr「ホワイト」や息をきれいにする「エチケット」、リンゴをかじって歯ぐきから血の出る人向けの「デンター」など。これくらいあればもう性能としては出尽くしていると思うが、相変わらず毎年画期的な新製品が発売されている。そう考えると歯磨き時間に合わせて種類を変える歯磨き粉は内容はどうでもいいことだが切り口としては画期的かもしれない。

私の歯の矯正

私は生まれつき歯並びが悪い上に歯石が落ちにくい体質らしく、歯には昔から悩まされてきた。前歯の歯並びが悪く歯ががたがたで非常に印象が暗かった。大学を卒業して東京で働いていたころ社員寮の近くの本屋で「審美歯科」の本を見つけ、さっそく本の著者が開業している歯医者に電話してカウンセリングしてもらった。九段下にある小さな、それでいて高級そうな歯医者だった。そこは歯医者というよりも作家の書斎のように落ち着いた部屋で医師のカウンセリングを受けた。歯科矯正という方法もあったのだが、年齢的にも30歳近かったとこともあり、前歯3本を小さく削ってそこにセラミックの義歯を被せるという大工仕事のような治療になった。治療には健康保険は利かないので1本5万円で合計15万円かかったが前歯3本がきれいになったので顔の印象は一変した。もっと若いころなら歯並び全体を矯正できたと思うと、早いうちに決断しておけばよかった。ちなみに私の息子2人も歯並びが悪く矯正治療中で1人70万円+αかかっているが、顔の印象がだいぶ変わるので、できればしっかりやっておくことをお勧めする。セラミックの義歯は15年もつと言われたが結果としては30年ほどもったので安い買い物だったと思う。それも義歯そのものが悪くなったわけではなく私の歯の手入れが悪かったので50代の半ばごろから歯そのものを失うことになった。

私が歯を失った原因

前歯3本をきれいにした私はすっかり油断して審美歯科で教えてくれた小さな筆のような歯ブラシを使うお手入れも、やがて全くやらなくなり、歯医者には歯が痛いときしか行かないという生活にすっかり戻ってしまった。だいぶたって50代のころの人間ドックで歯科検診の機会があったが、かなり歯槽膿漏が進んでいるとの診断だった。私はそれまでもいろいろな歯ブラシや歯磨き粉を買って試してきた。けれどどんなに優れた新製品を使っても、たとえ食後必ず3回磨いたとしても歯垢は完全には除去できない。残った歯垢はやがて歯石となって歯と歯茎の間に奥深く留まり自分では除去できなくなる。歯茎の奥深くに接着した歯石はばい菌のかたまりであり、これが歯と歯茎を腐らせ歯槽膿漏になる。歯槽膿漏は進行するまで痛みがないため歯医者には行かない。ある時歯茎が赤く腫れて痛みが出るので歯医者に行くが、その時にはだいぶ進行していて治療はできず歯はぐらぐらになり抜くしかなくなる。恐ろしい病気だ。そうこうしているうちに還暦になるころには上の歯は1本を残して全部、下の歯も奥歯は全部抜けてしまった。

私からのアドバイス

今は残った歯を1日でも長く保たせるために定期的に歯医者に通って歯石をとってもらい、検診してもらっている。そんな私から若い人たちに年取ってから歯を失わないためのアドバイスを送るとすれば。
「虫歯がなくても定期的に歯医者に通うこと」私の妹の嫁ぎ先の姑は90歳近いが虫歯は1本もなくすべて自分の歯を維持している。その姑が若いころから継続していることは月に1回歯医者に通う、これだけである。世の中には体質的に歯石が定着しずらく虫歯にも歯槽膿漏にもならない人もいるだろうが、大部分の人は歯磨きでは取り切れない歯垢が歯石化して歯を失う原因になる。歯石となったものは歯医者でないととれないので、定期的に歯医者で診てもらうことは非常に大切だ。毎日の歯磨きで歯垢が完全に除去できれば良いのだが、これが思うより難しい。毎食後にちょこちょこっと磨いただけでは全く落ちない。歯垢とは単なる食べ物の磨き残しではなく、口の中の細菌が唾液や食物などと結合してねばねばになったもので、歯ブラシではよく落ちない。また歯磨き粉についてはどんなに素晴らしい新製品でも役には立たないと思ったほうがいい。口の中がさっぱりして磨けたような気になるだけだ。それどころか歯磨き粉に入っている界面活性剤いわゆるせっけん成分は体に悪いので使わないほうがいいという人もいる。私は今では歯磨き粉を使っていない。歯ブラシも毛の固いものは歯ぐきを傷つけてそこから歯ブラシに繁殖しているばい菌が入って歯ぐきに炎症を起こす原因になると思う。かたい毛の歯ブラシは使わないほうがいい。かたい毛は歯垢を落とすことにさほど役に立たないうえに歯のエナメル質や歯ぐきを傷つけるのでやめたほうがいい。ではどうするか。インターネットの検索サイトでで「毒だしうがい」と検索するといろいろと情報が出て来る。照山容子さんという歯科医師が書いた書籍もある。この方法で歯垢が歯石になる前に洗い流すといい。私も実践しているが歯槽膿漏の進行は止まっていると思う。これらを若いうちから実践すれば年を取ってからも自分の歯を保つことができるだろう。また私は普段は毒だしうがいと柔らかいブラシによる掃除のあと「にがり」の液を歯ぐきに塗っている。にがりは塩化マグネシウムで炎症を抑える働きがある。また炎症を起こし歯ぐきが腫れてしまったときは緑の「コンクール」といううがい薬を直接歯ぐきに塗っている。これはなかなか効くと思う。
これらのことを若いうちから継続すれば年を取ってから歯を失うということはないだろう。


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