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夢はエベレスト

私の夢は

叶うか叶わないかは別として、私の人生最大の夢は、エベレストに登ることである。

と、ここで『それは無理やなあ』と言った人は大丈夫。そんなことは分かっている。“叶うか叶わないかは別として“ と始めに言っている。高所登山のプロが登ったって、天に召される可能性のある山だ。ただ、『夢はエベレストに登ること』というおふざけみたいな本気の話を、面白がって真面目に聞いてくれればそれで良いのである。

大丈夫じゃない人は、そんな私の夢を阿呆らしいとスルーする人だ。その瞬間、『この人とは仲良くできない枠』に容赦なく放り込む。叶う夢も叶わない夢も描くのは自由なのだ。そして、叶うか叶わないかなんて誰にも分からない。

代替案

とにかく叶わなくても、私の人生最大の夢はエベレストに登ることなのである。そしてその代替案として、ヒマラヤの麓でトレッキングか、ヒマラヤ山脈の遊覧飛行を候補にあげている。トレッキングは体力と準備が必要そうだが、遊覧飛行なら叶いそうだ。

そこで、遊覧飛行の申し込みサイトをわが子に見せながら、こんなお願いをした。
「あの世に行く前に、この『エベレスト・ヒマラヤ遊覧飛行』をしたいのだけれど、海外は不慣れなうえに、年老いてからってのが不安なのよね。英語の勉強と費用の調達は頑張るから、一緒に行ってくれない?」

すると、長男はこう答えた。
「別に良いけど、この飛行機、落ちるやつだな。」

え……笑。
そこで私の人生の幕が下りるのか。享年99歳。(瀬戸内寂聴さんが生きた年数生きることにしている。)
まだ40年以上あるな。40年以上あるなら、英語もペラペラになってるな。楽勝。


わが子、仲良くなれるリストに、間違いなく名を連ねるタイプ。

ただ…落ちる時は彼も一緒に落ちる、という問題点ができてしまった。

現実は

そんな私が現実的に、最終的に登りたい山は、やはり富士山である。
であるが、全く運動していない身で、到底登れるような気がしない。なので、低い山から体力作りを兼ねて、練習することにした。

山登り

中学生の時に登ったっきりの、実家近くの山である。こんな山だったっけ?となるくらい記憶がない山道。
標高173メートル。たった173メートル。なのにこれが、運動不足の身にはなかなかしんどい。足腰は問題ないけれど、持久力が足りない。

このたった173メートルの途中、私の心は萎んだ。今の私にはもう、山登りなんて無理なのだ。山は諦めよう。標高差の少ないトレッキングにする。それならできる。
そもそも標高173メートルなんて、山登りじゃなくてトレッキングだと言う意見は、この際スルーする。

という話を二男にしたら、
「なんでそんなにすぐ諦めるの。毎日少しずつ家でできる運動をすればいいじゃん。」
と、喝を入れられた。

全くもってその通りである。
自分で自分の限界を決めてはダメ、と育て続けたのはこの私だった。
子育て成功。

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