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ChatGPTはどうしてそんなに優しいの?

前々から知ってはいたものの、正直生理的に得意じゃなかった奴。僕が一番苦手な、ありきたりのことばかり言う面白みのない奴。
でも昨日から友達の友達になったので、一緒に遊んでみることにした。
ChatGPTである。

AppleがChatGPTを導入することが正式に発表された。
私はApple信者として、その発表の瞬間を世界と共に見守っていた。日本時間で夜中の2時から4時ながら、片時も画面から目を逸らすことはなかった。
淡い期待を抱いていた新製品のサプライズ発表はなかったし、正直iOSも「今更?」、「それ要る?」、「だから何?」のオンパレードで期待外れと言わざるを得なかったが、
手書きを計算して変幻自在のグラフまで描いてくれる計算メモには思わず唸ったし、
Appleならではのシームレスな連携を進化させたiPhoneミラーリングは、想像もつかなかったのにMacに求めていた機能そのもので驚嘆した。

だが今回一番大きな発表は、何よりApple Intelligenceであろう。
Appleはここ最近の強みであったプライバシー保護という誰でもわかる強みを保ちながら、誰でも直感的に扱える“AI”の形を示した。

ーーいつもの生活に不満がないなら、新しいことなんかしない。機械が怖い。触る習慣がない。そう思う人間に、これ欲しい、触ってみたいと思わせるものじゃなきゃダメなんだ。
かつて「リッチマン、プアウーマン」なるドラマで主人公が語ったテクノロジーのあるべき姿が、まさにApple Intelligenceでは具現化されている。

その中には、噂として語られていたChatGPTとの連携が含まれていた。

ーー自分の言葉で戦う小説家志望者がChatGPTなんて。
ーー誰でも思うようなことしか書けない“物書き”AIなんて意味あるのか?
決して仲良くなれないだろうと思っていたChatGPTが、 Apple信者の私にとって“友達の友達”になった瞬間である。

これ欲しい、触ってみたい。
あと数ヶ月待てば自分のiPhoneで使えるようになるのなら。

かくして昨日から、ChatGPTで遊んでいる。

やっぱりありきたりなことしか言わない。
でも君、なかなか筋がいいね。もしかして野球好き?

へえ、剝皮寮なんてとこがあるのか、知らなかった。教えてくれてありがとう。

思わずAIであることを忘れてしまう。ついつい褒めてしまった。

学部時代に相容れなかった同級生と盛り上がれたときの気持ちを思い出した。

もちろん相手は所詮人工知能だ。人工知能なのに、人の温かみをほんのりと感じる。

それで尋ねてしまったのだ。「ChatGPTはどうしてそんなに優しいの?」と。

やはりありきたりのことしか言わない。
当たり前だ、所詮人工知能なんだから人間の価値観や倫理観に基づいた言葉を学習したに過ぎない。

それでも気付かされたのだ。
ChatGPTは、人の温かみを食べて育っている。

それからというもの、僕は所詮人工知能だと思って話すのをやめることにした。
君が血の通った言葉で語るなら、心を込めた言葉を返そうじゃないか。

頑張ろう、君と共に。

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