見出し画像

大学運営で重要視されている、「大学IR(教学IR)」とは?その流れをご紹介!

初めまして、株式会社アイビーネットのIR担当の齋藤です。
普段は、主に大学IRの情報公開のサポートなどを行なっています。


突然ですが、皆さんは「大学IR」という単語をご存知でしょうか。

実は、弊社のコラム『大学IRとは?企業のIRとは違う広範囲の活動範囲』はよく検索されているようで、月平均700アクセスを獲得しています。
かなり調べられているようです。

しかし正直、内容が難しい….

今回は「大学IR」を、全く知らない人でもわかるように噛み砕いて紹介していきたいと思います。 


まず、大学IRってなに?

大学IRとは、学内に蓄積されている多数のデータを集積、分析し、そこから導き出される結果から、学内での意志決定や改善活動を立案・実行・検証するための支援を行う活動を指します。

https://www.ibnet.ne.jp/column/ir/201012/index.html

大学IRについてはこのように定義しています。
要は、データの側面から大学の運営を支援すること。

つまり…

集めた数字(データ)をもとに
方針を決定するための根拠を作ってあげること

大学IRのIRは「Institutional Research」という意味です。
企業のIR「Investor Relations」「企業が株主や投資家に向けて業績の実績、今後の見通しなどを広報する活動」を指すIRとは別の言葉です。

大学IRの目的

大学IRの目的は、主に以下3つだと考えられます。

  • 教育プログラムの改善

  • 学生生活環境の向上

  • 学生の学習成果の可視化 など

大学IRが教育機関としての評価や経営方針を定めるためにデータを活用していきます。
データからのアプローチを加えることで、大学IRは意思決定を支援し、共学における質の向上や大学の発展につながると考えられています。

大学IRの流れとは?

大学IRは、主に以下の流れでできています。

  1. 情報の収集

  2. 情報の整理

  3. 可視化 (見える化)

  4. 分析調査

  5. ディスカッション、施策の検討

大学組織によって様々なタイプがあるとは思うのですが、これはしっかり大学IRに取り組んでいる例として考えてください。 
弊社が考える“理想型“です。

図にして説明すると以下のようになります。

まず最初に学生情報や財務情報やアンケートなどのデータを収集します。
そのデータを整理する作業が入り、用途に合わせて可視化や分析調査をする。
結果を踏まえてディスカッション、施策の検討に活かす。
これがIR業務の概要です。

- ① 情報の収集

・学生情報
・財務情報
・アンケート などの回収・集計がメイン

大学でよく集められるデータといえば、
学生数、定員数に対して学生がどの程度埋まっているかを示す定員充足率などの学生情報、収支や寄付金などの財務情報、オープンキャンパスの参加者数や、アンケートによって集められた意見などのイベントごとに集計するデータ、など様々なデータがあります。

ひとまず情報の収集をしなければ、何も始まらないので、できるだけ早めにデータ集めなければなりません。

また、経年での変化を調査したい場合は、継続的にもちろん正確にデータを集める必要があるため、1度集めれば終わりというものでもありません。

よって「素早く・正しく・絶え間なく」が情報収集の鉄則です。 

- ② データの整理

大学では、「大学」と「法人」のように分かれていたり、特に部署数も多いため、データの形状が各部署でバラバラになっていることが多いです。

例えば、学部学科の名称を省略していたり…
英数字に半角全角が混じっていたり…
回収データのフォーマットが古いデータの使い回しだったり…

こう言った事態は通常業務でも発生がちな問題だと思います。

こうなると各部署内でしかデータを活用できないし、他のデータと一緒に扱えないという事態が発生してしまいます。それを統一した形状にそろえてあげることで、部署を跨いでも活用できるようにします。

現状だと、データベースで管理している大学もありますが、やはり導入するのにはお金がかかってしまうので、Excelで作業している部署がほとんどです。

簡単にデータを触れてしまうExcelだからこそ特にこういった事態を招きがちです。

- ③ 可視化 (見える化)

見える化というとわかりやすいかもしれません。

まず、可視化とは、目に見えない(見えにくい)内容を見える状態に整えておくこと、見たい時に見れるようにしておくことを指します。
大学IRで言う可視化と言うのは、数字で持っている情報をぱっと見でわかるグラフなどに変換することを指します。

ただの数字の羅列じゃよくわからないですよね。
例えば、会社の収支内訳表を経年で比較しようにも、表になっているし項目多いし、ぱっと見で変化がわかりにくいです。
表で見せるには限界があります。

表で経年変化を見る場合、「+12345」「△12345」のような表記をされていることが多いのですが、これは前年度との比較しかできません。
それをグラフなどでわかりやすい状態にしていきます。

これらは、BIツール(PowerBIやTableau、Looker Studio等)を使用して可視化させます。

BIツールというのは可視化のためのツールという認識でバッチリです。
「こんなのただグラフにするだけだ!」
って思う方もいるかもしれませんが、これがなかなか奥が深いです。

現状最大で70万行のデータを可視化させることも!

- ④ 分析調査

分析とは、可視化データを見てどのような傾向があるか検討すること。また、数値データを利用した統計分析で傾向を割り出すことを指します。

〇 可視化データを見てどのような傾向があるか検討すること
グラフを見て「最近減っている?」「この項目は増えてる。」と思ったとします。
その時点で傾向を見つけ出すことができていますので、分析できていると言えます。

〇 統計分析で傾向を割り出す
データとデータがどれくらい似た傾向があるか調査する相関分析や
データにどれだけ影響を与えているか調査する回帰分析などが手法として挙げられます。
これらの手法を使用して傾向を見つけ出すのも、分析のうちに入ります。

これがかなり重要になってきます。
気がつくところが多ければ、多いほどデータから情報を得られます。
大学関係者から見た意見と、関係ない人が見た意見も違ってくるので、どれだけ客観視できるかが重要になっていきます。

- ⑤ ディスカッション、施策の検討

ディスカッション、施策の検討は最終フェーズです。
大学IRの目的に合わせて検討していきます。

例えば、大学の満足度を上げたいという目的を持って大学IRに取り組んでいたとすれば、その起因する原因が1つ前の分析調査フェーズで分かったということになります。

その分析結果を元に、運営に活かす。
それが、施策の検討です。

まとめ

大学IRはかなり多数の部署の絡むものになりますし、多くの大学が取り組むにも足取りが重くなってしまっています。しかしこれから、大学IRが絡む補助金対象条件の枠も増えると予想されます。
データ集めは、早く始めるしかありません。
ぜひ、積極的に取り組んではいかがでしょうか。

大学IRへのお悩みを弊社がヒアリングの上、サポートいたします。以下のような悩みを持つ大学様は、ぜひご相談ください。

  • IRを推進したいが、何から手をつけたらいいかわからない

  • 関連する情報の管理を各部署に一任しているため、管理元が複数存在する

  • アンケート調査は行なっているが、最低限の集計までにとどまっている

  • 継続的な情報が集められない

  • 他の業務が忙しく、IR業務まで手が回らない

お問い合わせは、以下URLよりよろしくお願いします。


大学IRの支援についてはこちら

・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?