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組織へのアジャイル導入アプローチに関する情報まとめ

日本IBMの和田です。半年ぶりの投稿です。アジャイル導入アプローチについて調べてみました。

スクラムガイドには、スクラムの導入方法については書かれていません。私の知る限りですが、最初にスクラム導入に関してまとまった情報が公開されたのは、スクラム生みの親の一人、Ken SchwaberとSAFe生みの親のDean Leffingwellが共同で公開した2005年のホワイトペーパー「A CIO's Playbook for Adopting the Scrum Method of Achieving Software Agility」ではないかと思います。オリジナルのリンクはもう無いので、Web Archiveのリンクを付けておきます。最初のスクラムガイドが公開されたのは確か2009年なので、それよりも古いことになります。

2007年にDean Leffingwellが、のちにSAFeへと発展する「Scaling Software Agility」を出版し、21章のChanging the Organizationに、Ken Schwaberと共同執筆で、2005年のホワイトペーパーの内容を再掲しています。

同じく2007年にKen Schwaberは、「The Enterprise and Scrum」を出版し、この本では全編に渡って企業への導入方法が解説されています。

2012年にKen SchwaberとJeff Sutherland共著の「Software in 30 Days」の9章のEnterprise Transformation: Profound and Persistent Changeに企業への導入方法が簡潔にまとめられています。また、Appendix 3: A Playbook for Achieving Enterprise Agilityに2005年のホワイトペーパーの内容が付録として付けられています。

その後、アジャイルをスケールするフレームワークが現れましたが、LeSS、SAFe、PMI-DA、Scrum@Scaleも中身については違いはあるものの、大きな導入の枠組みは最初のホワイトペーパーから大きくは変わっていないように思います。

2016年の「Large-Scale Scrum: More with LeSS」では、3章のAdoptionでLeSSの採用方法について書かれています。

2017年に SAFe Implementation Roadmap が公開され、SAFeの実装方法がV4から含まれるようになりました。「SAFe 4.0 Distilled」のパート4のImplimenting SAFeにロードマップについて説明されています。

2017年の「An Executive's Guide to Disciplined Agile」 では、7章のA DISIPLINED APPROACH TO AGILE TRANSFORMATIONSに導入ロードマップの説明がされています。

2020年の「Scaling Done Right」Scrum@Scaleの初めての書籍の5章のScaling in Contextに導入ロードマップの説明がされています。

また、アジャイルの導入に関して、Michael Sahotaの「An Agile Adoption and Transformation Survival Guide」も多くの有益な情報への参照が整理されています。

どれにも共通するのは、アジャイル導入の阻害要因ややるべき施策をバックログとして、アジャイル導入自体もスクラムで行うということのようです。自分で考え現場と向き合うことは大切ですが、巨人の肩の上に乗ってみることも必要だと思います。


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