見出し画像

トリプルメディアとは?新たな基準「PESO」モデルの概要も解説

全9回にわたってお送りする、HubSoptのMAツールを活用したインバウンドマーケティングについて、第3回は優れた戦略に必要な「3つのメディア」をご紹介いたします。

第1回ではインバウンドマーケティングの全体像・概念について、第2回ではインバウンドマーケティングを実現するためのMA(マーケティングオートメーション)の機能について、ご紹介しました。

今回からはより深く、「戦略を立てるために」「成果を上げるために」必要な考え方を紹介していきます。

インバウンドマーケティングでは、多様化する顧客のニーズ・行動に対応できる戦略が求められます。一昔前のように「広告を打てば顧客が集まる」という時代ではなくなり、「顧客に合ったメディアでアプローチする」重要性が高くなりました

今回紹介する「3つのメディア」とは、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」です。3つのメディアはそれぞれ作成者が異なり、第2回で触れた「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」の適性にも違いがあります。

インバウンドマーケティングの成功には、多様化した顧客行動を理解し、この3つのメディアを戦略的に使いこなすことが欠かせません。

トリプルメディアとは?

トリプルメディア(3つのメディア)とは、企業のマーケティング活動にかかわるさまざまなメディアを、3種類に分類・整理したフレームワークのことです。

トリプルメディアは下記の3種類で構成されています。

  • ペイドメディア(Paid media)

  • オウンドメディア(Owned media)

  • アーンドメディア(Earned media)

簡単に違いを説明すると、ペイドメディアは広告出稿するメディア、オウンドメディアは自社運用するメディア、アーンドメディアはユーザーが作るメディアです。

トリプルメディアのそれぞれについて概要と長所・短所、リードジェネレーション・リードナーチャリングへの適性を解説します。

メディア(1)ペイドメディア

ペイド(お金を払う)メディアとは、企業が費用を支払って広告掲載するメディアです。主にテレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来型のメディア、リスティング広告やSNS広告、DSP広告といったWeb広告、スポンサーシップによって掲載してもらえるイベントやサイトなどがペイドメディアに分類されます。

ペイドメディアの長所は「お金をかければ顧客に届く」ということです。ディスプレイ広告で非認知層に商品やサービスを認知させたり、リスティング広告等で直接成果を狙ったり、テレビCMなどでブランディングしたりと、様々な目的に活用できます。

様々なメディアがあふれかえり、無数のメッセージが飛び交っている現在では、自社のメッセージを届けることは簡単ではありません。しかし、広告を活用すれば確実に自社のメッセージを届けられます。

ペイドメディアの短所は、継続的に費用がかかることと、コミュニケーションが一方通行になってしまうことです。

従来のマーケティング戦略では広告戦略、つまりペイドメディアをいかに活用するかが中心でした。認知の獲得から成約獲得・LTVの最大化まで、すべて広告が担っていました。しかしあらゆる企業が広告を出稿するようになり、Web上のいたるところに広告があふれかえっている今では、広告だけで成約獲得やLTVの最大化を狙うことは難しくなっています。

そのため、インバウンドマーケティングでのペイドメディアは「認知獲得」や「オウンドメディアの育成」に特化して使われています。

メディア(2)オウンドメディア

オウンド(自分たちの)メディアとは、ブログサイトのように、自社が保有し運用するメディアを指します。もともとは「自社が保有している」という意味で、パンフレットやオフィシャルサイトなどもオウンドメディアと呼ばれていました。

インバウンドマーケティングにおいては、自社のブログサイトやソーシャルメディアのアカウントなどが分類されます。また、メールマガジンやLINE公式アカウントもオウンドメディアに含まれます。

オウンドメディアの長所は、自社主導で情報を発信できることです。例えば、広告(ペイドメディア)では伝えきれなかった商品の詳細な情報、開発ストーリーや担当者の想いなどを伝えられます。

豊富な情報、自分たちの伝えたい情報を自由に伝えられる一方、既存顧客への情報発信が中心となり、新規顧客、潜在顧客へアプローチが難しいという短所があります。そのため、ペイドメディアを使った新規顧客へのアプローチをバランスよく活用していくことが重要です。

オウンドメディアの役割は、顧客、見込み顧客に自社の商品・サービスのことを理解してもらう、興味を深めてもらうことにあります。つまり、インバウンドマーケティングの「リードナーチャリング」で非常に重要となってくるメディアです。

以前、インバウンドマーケティングについて紹介した「“見込み顧客”の心をつかむコツ」で、「優れたコンテンツ」「魅力的なコンテンツ」がいかに重要かを伝えました。

その「魅力的なコンテンツ」を掲載するのは、オウンドメディアが中心になります。

インバウンドマーケティングの成功には、このオウンドメディアと、次に紹介するアーンドメディアでの戦略が肝になります。

メディア(3)アーンドメディア

アーンド(信用や評判を獲得する)メディアとは、SNSや口コミサイトのように、ユーザー自身の声によって作り上げられるメディアです。インバウンドマーケティングを提唱したHubSpotでは、アーンドメディアを次のように定義しています。

アーンドメディアとは、簡単に言うと口コミで獲得したメディア露出のことです。自社が公開した素晴らしいコンテンツ、SEOの取り組みによる効果、提供したカスタマーエクスペリエンス、あるいはその組み合わせなど要因はさまざまですが、「結果として獲得したメディア上の認知」がアーンドメディアになります。
(引用:HubSpotマーケティングブログ「アーンド・オウンド・ペイドの定義は?トリプルメディアの違いを解説」)

最大の長所は、ユーザー自身の声であるため他のユーザーの共感を惹きやすく、信用されやすいということです。また、SNSが持つ拡散力により、いわゆる“バズる”と呼ばれる状況にもつながる可能性があります。

アーンドメディアを効果的に活用できると、費用をかけなくても広く認知させられ、多くの新規顧客・潜在顧客にアプローチできます。

一方でアーンドメディアは、ユーザー主体であるため企業主体のコントロールが利かないという短所があります。また、望まないメッセージが勝手に拡散され、“炎上”につながる可能性もあります。

アーンドメディアは、新規顧客を獲得するリードジェネレーションで活躍することはもちろん、信頼を得ることでリードナーチャリングもスムーズになります。

自社主体のプロモーションでアーンドメディアを活用するには、より良い商品・サービスを提供することはもちろん、アフターサービスの充実、既存顧客へのアプローチが重要になります。

アーンドメディアの活用では、既存顧客に対して「Twitterでシェアしてくれたら10%オフ」のようなキャンペーンを実施したり、チャットツールによってアフターサービスを効率的に行ったり、MAの機能を有効に活用したりすることが重要です。

★Grab記事本編では、トリプルメディアの新基準「PESOモデル」の解説とMAツールの活用方法について解説しています。ぜひ、ご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?