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「政治的な意図はありません」


「政治的な意図は無いんだね?」
-「ジョーカー」2018より

だいぶ時間は経ったのだけど、モヤっている。
映画のジョーカーが意識高め連中に捏ねくり回されたからか?それともレジ袋が有料になって店員さんとの余計なやり取りが増えたからか?武田玲奈のグラビア卒業か?
違う!!!

なんと、安倍首相の辞任についてモヤっている。
いきなり意識の高さがキングコング西野のオンラインサロンに入会してる人レベルの記事になってしまった。(イェイェイ)

「安倍首相が辞任するらしい」との噂をTwitterで見かけた時は、今日もツイッタランドの皆は平常運転だなぁ!!!と呑気な感想を持っていた。
戦後生まれのタカ派として、憲法改正を目標に掲げ、その手段として、国威を高めるのにもってこいのオリパラ開催を目前に控えるこの最中での辞任はあり得ないだろうと思っていた。

しかも、辞任の主な理由は「健康上の問題」ときた。
今までは対岸の火事として眺めていたものの、指定難病の患者としては敏感になってしまうニュースだ。

ある日いきなり指定難病の当事者になって、二つのことが変わった。

一つは、自己の捉え方。
食事の塩分制限はもちろん、ストレスや疲労度にも気を配り、常に「今無理をしてるんじゃないか?」と問い続ける。
諦めたことや出来なくなったことは、日々その重さを増して、「病気なんだからしょうがない」と自分で自分を卑下することにも慣れる。

もう一つは、世間からの目。
前と変わった自分を受け入れてくれるだろうか、気を遣われるのではないか、と思うと人と会うことすら億劫になる。更に、ステロイド の副作用でムーンフェイスが酷かった時は、出来るだけマスクをしていた。カメラに写ることにも消極的になっていた。

大したことない、と自分に言い聞かせても、二つのことが90度ずつ変わった結果、世界は180度変わってしまったように見えてしまう。

だからこそ、前と変わらず接してくれる人達には感謝してもし切れない。大学時代の友人や、ダンサー仲間、一緒に踊っているO.F.Fのメンバーなど、改めてありがとう。

話を戻す。安倍首相の辞任について、TwitterやFacebook、ブログには「診断書を出せ」や「また逃げる気だろ」などの当事者としては目を背けたくなるような言葉が並んだ。政治的立場から考えれば、当然かもしれないが、到底納得し切れなかった。

その中で、若い人を中心に「たとえ公人であっても、健康問題を攻撃するのは良くない」といった論調も見られた。
これにはかなり救われたし、世の中まだまだ捨てたもんじゃないと思えた。

https://www.newsweekjapan.jp/amp/tokyoeye/2020/09/post-38.php?page=1

しかし、引っ掛かることがあった。
「安倍首相は当事者として、指定難病に関する啓発や発信をしていたか?」
との疑問が湧いてしまった。
思い当たる人はあまり居ないであろう。

個人の問題に踏み込みたくはないが、20前後の若い時に発症したのであれば、肉体的にも精神的にも苦労したことは想像に易く、世間からの目は気になるに違いない。
まして、著名な人物の影響たった一つで、自分の病気が不特定多数からどのようなイメージを持たれるかも重々理解しているはず。
もっと言うと、首相としての一期目は早々に健康上の問題で辞任している。病気に人生を振り回されるのは、本当に辛い。
誰も責めることが出来ないのに、確実に自分の身体の中に原因がある。

ここまで考えてみても、指定難病の当事者として何ら発信していないのはちょっと不思議だ。
ただし、既に辞任しているし、今更発信して欲しいとも、健康問題について説明して欲しいとも思わない。

「政治とは生活だ」
ピンとこなかった警句が、病気になってからはとても良く分かる。
立法や制度設計から法律の運用、国民の代弁者など、政治のあらゆることが生活に関わることを痛いほど実感している。


最後になりましたが、遠回しな政治批判に読むことが出来たらすみませんでした。
この記事に政治的な意図はありません。

m(._.)m

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