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文転までの旅路

2月4日

文転した、重い決断だった。
もちろん後悔はしていないが。
私を知っている人は、特に驚いたことだろう。
だが正直、一番驚いているのは自分なのかもしれない。

まさか、文系になるなんて。

中学の3年間はそんなことを一切考えたことがなかった。
得意なのは数学。飛び抜けてできるわけではないが、他の科目と比べ高い偏差値を誇っていた。
中学受験の際も、合格の鍵を握っていたのは、パズルのような算数だっただろう。その背景には、数字の魅力に私を導いてくれた心から尊敬する先生がいるが、今は置いておこう。この情熱と興味が私に優位性をもたらしてくれたことは確かだと、今更ながら感じる。

理系だった過去

高校1年生になって義務教育から卒業し、責任を持って勉学に励んでいかなければなくなった。また、私はIBDPコースを志望していたため、その基準をクリアするために成績と英語のスキルを伸ばすために必死になっていた。
幸い、基準はクリアしIBDPコースへの道は確定した。
進路も一回目の調査では理系として提出した。

それまでは何にも考えていなかったのか。調査不足と言われればその言葉がぴったり当てはまる。IBDPコースにはSLとHLという2つのレベルがあり、文字通りSLよりもHLの方が難易度が高く、それぞれ3科目ずつ選択しないといけない。

私が当初、理系に提出した理由は以下の3つである。

  • 理系からの文転はしやすい

  • 数学をHLで選択し得意を活かせる

  • 興味のあった宇宙関係の仕事をするために役立つ

きっかけ

IBDPコースが確定している中、Rくんが急にその意向を変えた。彼は医学部を志望している。彼にとっての決断も複雑だったと思う。中高一貫で4年目となった高校1年生で彼がIBDPコースから離脱するのは意外だったが、周りもこの決断を尊重した。

その出来事があり、本当に大丈夫なのかと心配になり、進路を真剣に考えた。今までは、都度変わるからまだ確実な進路は決めないと逃げの選択肢をとっていたが、それが間違いであったと気づいた。
目標がなく、IBDPコースを受講し続けるのは拷問に等しい。IBDP志願理由書で書いた言葉を見ながら何のためにするのか。そう、もう一度自分に問いただした。

学びたい学問とは

進路が曖昧な自分が嫌いになったのは高校1年生の夏休み後からだ。何か自分が楽しく学べる学問を探したい。自分の場合はそれが学びたい学問だった。でも、どうすればいいか。
正直、周りの大人はとにかく良い大学に行くために最大限の勉強をさせる。それと同様に進路のサポートもあれば良いと思うのだがこの考えをするのは私だけだろうか。

そこで私は、国内外両方のオンラインコースを受講してみた。まず、学校と比べてこのシステムが自分に合っていることに初めて気づいた。自分が理解できればどんどん先に進むことができるし、理解できなかったら見返したり質問することもできる。オンラインコースでは修了証明書がもらえることも私のモチベーションを維持させる重要な要素だったかもしれない。

そこで、私は主に2つの学びたい学問を見つけた。

紆余曲折

そして、自分が学びたい学問を見つけた私は、もう一度文理を考え直した。

理系に提出した理由をもう一度振り返っておこう。それぞれに、理系ではなくても良い理由が見つかったから矢印の先にその内容を書いた。

  • 理系からの文転はしやすい                                → 医学部・理学部・薬学部には興味がなかった、また学びたい学問が経済学部などの文系学部だった

  • 数学をHLで選択し得意を活かせる                          → SLでも難易度は高いが、HLよりもハイスコアを目指せる

  • 興味のあった宇宙関係の仕事をするために役立つ                  → 工学系には物理の取得が必須でIBDPコースには含まれていない

ここで完全に理系と思っていた自分の中に文系の選択肢も生まれた。そして、最後に残った疑問は文系の選択科目である。IBDPコースではGroup 6と呼ばれるところで文系は美術と生物の選択ができる。
現時点で、文系で生物を選択している人は0人。もし、自分が志望しても1人だけでは開講されないと知った。美術はPre-IBDP sessionを受けて楽しかったが2年間続けることは自分には向いていないと感じたため、やっぱり理系なのかと若干諦めていた。

決断

そんな時、もう一人自分と同じように文系コースだけど生物を選択したいというKくんがいた。その当時、進路締切の1週間前だったためなるべく早く先生に話に行った。

結局、今期からは2人で文系の生物を選択することになった。この4月からIBDPコースが始まるが、他人と比較してではなく自分との勝負だと思う。ここから2年間、自分が決めた学びたい学問に向かって精進していこうと思う。

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