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銀本解説シリーズ | 西武台新座中学校2022(令和4) 社会分野

こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASEです。
「銀本解説シリーズ」では、全国の公立中高一貫校で出題された過去問の中から「良問」だけをピックアップし、その解説を連載していきます。


1.今回の出題:西武台新座中学校2022

①問題
適性検査型Ⅱー2(銀本p.23~)
(問題1)年号の考え方についての問題です。今回の解説では、ここについてはふれません。銀本に解答がしっかり書かれているので、取り組んでみてください。
(問題2)複数の要素について示しているグラフを2つ読み取り、その特徴を答える問題です。適性検査型の入試でとてもよく見られます。

②解答時間
(問題1)(問題2)あわせて「15分」を目安に取り組んでみてください。

2.問題の分析(問題2)

過去の政策について、関連する資料を読み取ることでその背景を考え、「なぜその政策が行われたのか?」を考えていく問題です。探究学習を行っていく際に、「なぜ今このような制度があるのだろう?」「なぜ今はこのような状態なのだろう?」と考えることは非常に重要です。学習を始める最初の一歩とも言えるでしょう。

また内容については、「人口」というテーマは非常に一般的であるものの、普段よく目にする「少子高齢化」とは異なる切り口で資料を読んでいく問題であり、単に知識を用いれば解けるというものではないことが特徴的です。

字数制限はありません。だからといって不必要に長く書かず、問われているポイントを理解した上で過不足なく書くことを心掛けましょう。(問われているポイントの見つけ方は、のちほど解説します)


3.解答・解説

ここまでの内容をきちんと頭に入れたうえで、さっそく問題の解説に入っていきましょう。

⓪今回のカギとなるポイント

まず初めに、今回の問題を解くためのカギとなるポイントを紹介します。

<「割合」とは>

割合とは


今回のグラフには、「人口増加率」という数値が出てきます。これは割合を表します。では、「割合」とは何でしょうか。
それは、もとの量に対して、比べるの量がどれくらい多い(/少ない/高い/低い…)かを表した数値です。例えば人口増加率であれば、「もとの人口に対して、比べたい人口がどれくらい増えたのかを表しています。

「人口増加率が10%」ということは、もとの人口の10%の人数が増加した」という意味になります。
例えば、前年が100万人だったときは、今年は100万人の10%にあたる10万人が増加して、110万人になったということ。
前年が50万人だったときは、今年は50万人の10%にあたる5万人が増加して55万人になった、と考えられます。

人口増加率が同じでも、前の年の量がどうだったかによって、何人増加したかは変わってくることに注意が必要です。

<「比べる」ときのポイント>
皆さんは日常生活で、「比べる」ことをよくしていると思います。では、その「比べる」という動作には2つの観点があることを知っていますか?

比べるときのポイント

それは、「同じところ(=共通点)を見つける」ことと、「違うところ(=相違点)を見つける」ことです。
2つのものを比べるとき、みなさんは無意識に、その2つのものの共通点と相違点を考えながら見ています。例えば、デザートにいちごとプリンのどちらがいいかを比べるときは、こんなふうに考えることができます。

共通点:どちらも甘い。
相違点:いちごは果物、プリンはお菓子。

共通点と相違点が明らかになると、例えば「どちらも甘いけれど、お菓子は昼間にも食べたから、今回は果物にしておこう」などと考えることができますね。
このように、共通点・相違点のうち、考えを決めるのに重要になったり、特徴を表すのは、相違点であることが多いです。

ここまでをふまえて、問題に入っていきましょう。

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