その瞬間は一生懸命 それでも必ず将来につながっていくはず ~医療法人博仁会 まちづくり推進室長 西村 和也 氏~ VOL.3
今回は、医療法人 博仁会 まちづくり推進室長で、コミュニティカフェ・バンホフの店長、フロイデDANメンバーでもある西村 和也氏に、”カフェオープンのきっかけ” や ”まちづくりに懸ける想い” を伺いました。
VOL.1はこちら ⇊
VOL.3 自分たちの住んでいる “まち” を “可能性” を信じてほしい
医療法人博仁会まちづくり推進室長として、「みんなの休憩所」立ち上げにも関わる西村さん。
「コミュニティカフェ・バンホフは、皆に来てもらいたいという想いがありつつも、コーヒー代など多少はお金がかかります。
だから、「街中にお金を使わなくても、自由に行ける場所があったらいいね」が、みんなの休憩所のコンセプト。
予算がないので、休憩所に置く本の寄付を募りました。そしたら、ありがたことに沢山の寄付があって・・・。収まりきれないので、今は寄付を一旦休止している状況です。
休憩所はフリーwifiも入っているので、地元の子どもたちが集まってゲームをしたり、読書をしています。」
西村さんは、医療法人博仁会まちづくり推進室長としての顔、コミュニティカフェ・バンホフ店長としての顔、フロイデDANメンバーとしての顔、3つの顔を併せ持ち活動しているため「時々、自分がどの立場でやっているのか、わからなくなる時があります。」と、笑います。
「私は、東北出身・東北育ちで、縁あってこの常陸大宮市に来ました。
地域の方が、『昔はこういうところだった。』とか、『昔は賑わっていた。』と生き生きと話す姿を見た時に、もう一度、賑わいのある地域を取り戻したいと思ったのです。
それでコロナ禍前は、駅前を歩行者天国にして『イルミネーション点灯式』などを開催しました。
小中学生が2,000人くらい来てくれて、やっぱり人が集まるイベントは良いよね!と、みんなで話していましたが、そのうち「これらは、何のためにやっているのか」を考えるようになりました。
ですから、コロナ禍前に何が印象に残っているかを聞かれたら、間違いなくイルミネーション点灯式と答えたと思うのですが、現在はそんな感じではないのです。
今は、100人規模のイベントだったとしても、その目的が正しければと良いと思っています。
フロイデDANも、今、その瞬間は一生懸命で先がわからなくても、必ず将来に繋がっていくと思っています。
10年前は点だったかもしれないけれど、今の自分を考えると、あれがあったから、今のこれに繋がっているなと気付くことも多いんです。
逆に言えば、これから自分たちが目指している地域像に、自分たちの経験値もネットワークもマインドも繋がっていくと思っています。自分たちがやりたいことがあった時に、自分たちの経験値が生きていくというイメージです。
これは、今やろうとしてもすぐにはできません。10数年続けてきたものがあったからこそ。続けてきて良かったなと思っています。」
最後に、西村さんの目指すところを聞いてみた。
「私個人でも、フロイデDANとしてももちろんですが、医療法人博仁会としては、「常陸大宮駅周辺で出かけたくなるようなエリアを作りたい」と考えています。あとは、「住んでいるだけで健康になれる街にしたい」という2つが今後目指していく大きな軸です。
そして、常陸大宮駅周辺のことに関わってくれる人が増えて欲しいです。
10年後の街を作るのは、若い方だと思っています。我々のように、ずっと住んでいる人の役割は、若い人の想いを尊重していくことです。
お願いに近いかもしれないけれども、可能性を諦めて欲しくないんです。自分たちの住んでいる まち を信じて欲しい。
もし、まちづくりに興味があるという人がいれば、バンホフに電話していただきたい。常陸大宮市でやりたいことがある方は、ぜひ一緒にやりましょう!!」
若手職員の想いが集まり、組織を動かし、やがて地域を巻き込んだうねりになる。
完璧な成功ストーリーのようだが、その裏には西村さんやフロイデDANメンバーの、相手の想いを大切にする気持ちや、1つ1つの物事に丁寧に取り組む姿勢、そして目標を達成するという強い想いがあってこそのストーリーだったのだろう・・・。
西村さんのにこやかな笑顔の奥に、強い意志を感じとれた取材だった。