見出し画像

追憶5

小2の途中で隣の市に転居。
それまでは社宅(と言っても当時ではまだ珍しい鉄筋アパート)だったのだが父の初めての持ち家一戸建てである。
父の勤務先が用意した分譲地だったので、社宅の時と同様に町内は同じ企業に勤務する人達だった。

小1から習っていた珠算で九九は既にマスターしていたが、転校先の算数で教師が九九の書いてある紙を1枚手に取り、その答えを誰が早く言えるか?みたいな授業があって、転校早々『九九の横綱』なる称号をいただき、後ろの黒板にでかでかと名前を書かれた。

珠算に追加で小学校の体育館で行われる夜間の剣道教室にも通い始めた。
また、近所に住む従妹の真似をして英会話教室にも通い、そこでは『ロバート』と言う名を付けられた。

父は長年の夢だった『家を持ったら犬を飼う』を実現させて柴犬の子犬(雌)を購入。
今から考えると有り得ないが、当時は散歩に連れて行った先で排便させて、そのまま放置が普通だった。
放置しても問題ない場所が多く存在していたのである。

当然、屋外に犬小屋を置いて番犬として飼っており、餌は人間の食べ残しが多く、『ビタワン』(ドッグフード)が売られ始めていたが、食べ残しが出ない時などの非常用でしかなかった。

最近のワンコとは違って良く吠えたが、それが当たり前の光景だったので近所から苦情も無い。
飼い始めた頃は私も珍しさで散歩に連れて行ったものだが、最終的にほぼ母親の役目になっていた(苦笑)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?