雑記

こんにちは。演研3年の山下です。

早いものでもう公演日となってしまいました。
早いですね。師走ですからね。

兎にも角にも本番というものはやってくるもので、不安と期待が入り交じったような不思議な気持ちでいます。願わくば多くの人に見ていただければ嬉しい限りです。

さてみなさんはここまでの稽古場日誌、お読みいただけたでしょうか。まだの方はぜひ読んでみてください。演研会員のリアルが垣間見えますよ。
私はみんなのように小粋で面白い文章は書けやしないので、一つなんでもない話をしてみようかと思います。

以前道の駅を訪れた時の事です。
休憩でもしようと立ち寄った道の駅の駐車場で猿まわしをしていました。お猿さんが猿使いさんと一緒に芸をするあれです。それまで猿回しを見た事のなかった私は何の気なしに見物することにしました。
いざ見てみるといやはや大したもので、まざまざとお猿さんの身体能力と猿使いさんの話芸を見せつけられてしまいました。

演目は10分程度で終了し、最後にはおひねりを求められました。彼らも商業でやっていますから当然の事です。私は少し思案し、500円をカゴの中に入れました。
満足して私は帰ろうとしたのですが、ふと隣にいたいかにもマダムといった風貌の婦人が1万円札をカゴに入れているところを見てしまいました。

その時は
「さすがマダムだ」
などという失礼極まりない納得の仕方をしてその場を後にしましたがふと考えることがありました。
私とあの婦人の金額差は何ゆえであろう、と。

もちろん経済力と金銭感覚の差、と言ってしまえばそれまででしょうが。
でも1万円と言ったら大金です。世の中のものの半分は1万円以下で買えるんじゃないでしょうか。

少し話は逸れますが私は音楽ライブに行くことが好きでして、先日もライブに行ってきました。
そのドームライブのチケット代は15000円で、凡そ3時間のライブだったので10分あたりは800円ほどになるでしょうか。ドームのような大掛かりな会場で行われるライブでもこのくらいです。

おひねりの際、私は時間あたりの値段とまだ新人コンビであった彼らの練度を鑑みて500円と決めました。色をつけたと思っていたほどです。それなのに隣のマダムは簡単に1万円を入れて去っていきました。

つらつらと何を言いたいんだとお思いでしょうが、つまるところ芸事に対する対価って難しいですよね、という話です。
何かを練習して、準備して、本番に披露するという人の行為にどれほどまでにお金を使うことが出来るでしょうか。

練習や準備なんてものは見えないものです。その人がどれほどの時間努力したのかなんて分からないのです。そこにどれほどお金をかけられるでしょうか。

ただ一つ言えることは1万円を入れたマダムは心底満足そうに帰られました。

1番大事なことかもしれません。結局のところ、芸を披露するにあたって努力の量なんてのは関係ないのです。本番しか見せることは無いですし、見る人からすれば関係のないことです。

いざ自分が芸を披露する側になり、このことにはかなり苦しめられることとなりました。見せられるものをつくれているだろうか、本番はミスしないだろうかなどなど…

それでも私たちにできることは時間とお金をかけて来て下さるみなさんに酬いるものを見せることだけです。それだけなのです。

そんな思いでつくりあげた茨城大学演劇研究会2022年冬公演「サカシマ」はいよいよ開演となります。
私の精一杯を尽くしました。
ご覧いただけると幸いです。
是非お越しください。お待ちしております。

2022年冬公演「サカシマ」は終演いたしました。ご覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。

以下、公演情報です。

茨城大学演劇研究会2022年冬公演
『サカシマ』
脚本 斜田 章大
演出 山下 航輝

〈あらすじ〉
地上まで残り、百メートル。

日野陽毬は今、落下している。
姉が飛び降りたビルの屋上から、地面の底へ。

残り寿命は約五秒。
この物語はその五秒間に見た走馬燈の話。

落ちる、落ちる、サカサマに、サカシマに。

〈出演者〉
橋本 萌果
畠山 悠衣
西野 准平
立花 樹
齋藤 楓菜
金澤 勇翔
西尾 愛菜

〈日時〉
12月17日(土) 11:00~/15:00~
18日(日) 11:00~/15:00~
(20分前開場、全席自由席)

〈会場〉
茨城大学水戸キャンパス構内
サークル棟2階共用練習室1

〈料金〉
一般700円
大学生以下500円

〈お問い合せ・チケット取り扱い〉
メール ibadai.enken@gmail.com
Twitter @enken_i
または、各劇団員まで。

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