二次創作の作り方
友人と喋っていたり、定期的にtwitterで目にする話題ではあるんですけども、本当に同じ人間か……?と思うくらいには作り方に差が出るのが面白く、自分ってどうやって二次創作文章を作ってるんだ?と考えてみたら、いやあれ……?……工程……ある……?え……?となりまして。
自分でも「お前よくそんなザルな工程で創作をしているな……?」って感じだったので
つまりそれって、これくらいクソ雑でも作れるんか!作ってみるか!ってなるかもなって思って、筆を取っています。
つまりこれは現状バリバリ創作を作られている方にとってはまったく参考にはなりません、珍獣見物noteです。
あとタイトルにもしましたが二次創作だけです。オリジナル(一次)は作ったことないし多分考えられない。
割と最近になって作成したものの作成過程を覚えていたので、それを例にしていきます。
プリンセス・プリンシパル(以下ププ)のドロシー(以下ド)とアンジェ(以下ア)中心話です、この話の途中で原作はどんな話なんや…?と疑問に思ったらぜひ原作を見てください、面白いです。アニメワンクール+ova二作で追いつけます。
ステップ1、欲望を丸出しにする自分と原作が好きな自分の理性を戦わせよう!
光あれ、大体のことは欲望から始まります。
今回の場合、大変に顔が良くてかっこいい女であるド・アがモブ女に刺されて欲しいなぁ~~という欲望からスタートします。
ここの欲望の種類はなんでもいいです、カプに○○して欲しい、このキャラに××して欲しい、この台詞言わせてぇ~など。
そうすると、おおよその場合自分の中で理性という対立候補がちょっと待てと名乗りを上げます。やぁやぁ我こそは解釈第一原作好きの自分自身であるぞ。
「あの二人がそうやすやすと刺されるとは思えない。」「スパイ任務の為なら汚いこともなんでもありなのはお前が好きだからであって、原作であるププの表現ではもう少しマイルドではないか。」「そもそもモブと肉体関係を匂わすのは、一部の純愛派読者にとって最悪の脳破壊では?」
欲望側はそれに対して必死でプレゼンします。
「時系列的には当然過去になる、まだ未熟だった頃なら矛盾はない。」「原作ではマイルドだが、そもそも殺人とか麻薬とか出てくるし、本日の不二子リスペクトみたいな流れもあったし、解釈の一つとしてはギリいける。」「この世の全員が俺の作品が嫌いでも俺は俺の性癖に正直であれ!!!」
最終的に欲望が勝ったら次のステップです。
理性の自分も自分ですので、大体欲望が勝ちます。とはいえ絶対に歪められないこだわりみたいなものが解釈です。欲望と解釈で欲望が勝つか、欲望と解釈が手を組めば先に進めます。
ステップ2、描きたいシーンをどこにもっていくかを考えよう!
大体ど真ん中に来ます。
変則的に、冒頭に書いちゃってそれに至る経緯を後とか、最後の最後のオチに来るとかもあります。それは最初の欲望の種類によりますかねぇ。
兎にも角にもキッスさせてぇ……とかいう時は一番最後の方がまぁオチもつくし、みたいな。
二次創作の場合原作ありきですから、ステップ1の時点でおおよそ時系列のどこなのかみたいなことはふんわり決まっているはずです(完全別世界パロの場合は別ですが、その場合おおよそは出会いからになるからね)。
今回の場合、原作時系列よりは後、ププのドアは作中で過去にスパイ学校に通っていた描写があるのですが、スパイ候補生時代か現役新米スパイ時代か中堅スパイ時代かを考えて、しっくりくるのは中堅くらいかなとなります。そうすると推しカプの片割れがまだ登場しない時系列になりますが、ここはあくまで推しカプ時空であることも表現したいとなると、文章のメインは過去の描写になるが原作時系列の描写も入れたい。よしじゃあ、過去回想みたいにしよう。となります。これで流れが決まります。
原作時系列→過去回想(メイン)
じゃあ最初と最後に原作時系列をいれて回想を挟もうかなみたいな。
原作時系列→過去回想(メイン)→原作時系列
ここまでくると、じゃあ過去回想に至る理由付けを原作時系列でやろう、となる訳です。
誰を出そうかな、と考えると場所が大体固まります。
どうやったら過去の出来事に思いを馳せるだろうかを探します。傷跡を見られる、質問をされる、似ている人物を見かける、処刑されたニュースを見つける…そこら辺をごちゃごちゃ数パターン考えて、時折ステップ1の原作至上主義者の自分と話し合って(殴り合って)着地点を見つけます。
ここらへんで冒頭部分の5W1Hのビジョンが決まります、誰が/どこで/なにをしていて/どういった展開になるのか。
メインとなる部分もほぼ同じ流れです、まず欲望ありきでスタートなので、欲望にたどり着くように上と同じような思考回路で状況を組み立てて、ヨシ!そうなるな!となります。
原作時系列 → 過去回想 → 原作時系列
メインチーム五人が → スパイ二人が → オチ
博物室で → モブ女に刺されて →
古傷の話になる → 入院中 →
こんな感じ。
ちなみにステップ1からステップ2は全部脳内です。あんまりにも長くなりそうな話(感覚的には二万字以上のもの)とか、忘れそうだな……と思ったらメモ作っておきますが、この話なんかは短いのでなんもメモらずに作ってる。メモとるとしたらあーこういう台詞言わせたいよねとか、後に出てきますが時代考証で調べて引っ張り出した情報とかですね。
ステップ3、鉄は熱いうちに打て・妄想は冷静になる前に書け
あとは脳内にある設定に従って頭からどわーって書いてくだけです。おわり。
まじでこれだけです。章立てして全体文字量を管理とか、事前に伏線を考えておくとか、そんなことは二次創作の短編では特になくてもなんとかなります。二次創作の短編というのは感覚的に大体2000字~20000字くらい。伏線とかの描写っぽいものはその場で考えて矛盾がなければ入れる。
ただし作ってる最中に、なぜこんなに必死になって誰も喜ばない文章を作っているんだ……?という賢者タイムは来ますので、その時は寝た欲望を起こします、いやだって見てぇもん、モブ女に刺される推し。だよなぁわかる。
あと書きながら時代考証とか調べます、この小物出したいけどこの時代にあるか……?とかはもう書きながら調べる。調べて矛盾があれば代理のものを考えるか、うるせぇここはナーロッパじゃいで思考停止しましょう。
※ナーロッパ:なろうでよく出てくる中世ヨーロッパっぽい世界観のこと。ひいては古代だろうがファンタジーだろうが現代だろうが、なんとなくそれっぽい感じで通じる世界観。
中世じゃがいも警察とかよく聞くのに、同じ南米原産野菜である中世トマト警察とか中世茄子警察とか中世ピーマン警察はあんまり聞かないね。
ステップ4、オチとタイトルに苦しむ
これ作業工程にしたくないんですけど私は大体苦しみます。なんも考えずに書き出すので、着地点が迷子になるんですよね。誰かいい解決方法があれば教えてください。
私はまじで最後にタイトル決めます。なぜかといいますと、ノリと勢いで書いているので、たまに脱線して書き出す前に考えていたステップ2から派手にはみ出ることがあるからです。オチまで書かないとどんな話なのか私も分からない。
ステップ5、推敲なんて投げ捨ててさ
インターネット二次創作なんてメッチャクチャ真面目に推敲しなくてもいいよ。
まぁいちおうアップロード前にもう一度頭から最後までざーーーっと読み返して整えておわり。
はい、完成品がこちら
ちなみに、後に再録作業をおこないまして、文字数がweb版6,363文字→再録版7,978文字に増えてます。
真面目に推敲してないから、再録作業でほぼ書き足しみたいな推敲をするはめになるんだなぁ。
おまけ、幻聴のすゝめ
あんまりにもな内容なので、台詞を考える時に一つの基準にしていることです。原作にCVが設定されている場合はそのCV、設定されていない小説原作などは二次創作をするくらいならなんとなく脳内で聞こえている妄想上のCVがあるかと思うのですが、文字を読んだ時にその声が聞こえるかな?というのはちょっと気にしている所です。
でもこれって多分人によって違うんですよね、そもそも視覚/聴覚情報を考えながら読むタイプかそうじゃないかとか色々あって、は?って思う人は忘れてください。
ということで私の作業工程でした、嘘だろ、つまりは”とりあえず脳内で考えて頭から書きます”ってことです。なんのテクニックも技もないな。
ええ!そんな何も考えない私でも本が出せるんですか!?そう!なんとそうやって作られたものたちを再録して印刷してしまいました。
プリンセス・プリンシパルの百合が読めるオタクは連絡をください。贈ります。詳細は↓こちら↓
すげーこのオチPR記事みてぇだな、無償送付なので希望者が増えれば増えるほど赤字です。なんのPRなんだ……?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?