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#43 メトロ・アドベンチャー

「日本語?」

昨日、駅でバスを待っているときにおじいちゃんが話しかけてくれた

「そうです、日本語分かるんですか?」と聞くと

「昔、大学で日本語を勉強したことがあるんだ」と英語で答えて「すこし」と日本語で付け足してくれた

バスが来たので乗ると、さっきのおじいちゃんが「隣に座ってもいい?」と聞いてくれたので「もちろん」と答えて駅までの旅が始まった(昨日は電車が運休だったから電車が動いている駅までの代用バス)

おじいちゃんは私たちにどうしてオーストラリアに来たのか、いつからいるのか、何をしているのか、これからどこへ行くのか、たくさん質問してくれた

また、おじいちゃんがこれからシティに行くこと、パースで生まれたこと、大学で日本語を勉強していたこと、10人兄弟だということ、今年で80歳になるんだってこと、たくさんお話してくれた

おじいちゃんは今でも言語の勉強が好きだと言っていたので「日本語は難しい言語だけれど、日本語の勉強を続けられる理由は何かありますか?」と聞いてみた

そうしたら、「日本語で少し話すことができると、日本語で話しかけたときにたくさんの人が素敵な笑顔を見せてくれるんだよ、今みたいにね」と笑顔で答えてくれた

「とても素敵ですね」って言うと、「でも勉強したのがあまりに昔だから、たくさん忘れちゃったんだ」とお茶目に笑うおじいちゃん

バスを降りる少し前、おじいちゃんが「最近、週末に電車が運休していることが多いでしょう?そうするとこうして代用のバスに乗る。この駅から駅までのバスの旅を僕はメトロ・アドベンチャーって呼んでいるんだ」と言った

メトロ・アドベンチャー

おじいちゃんの一言で、代用バスでの旅がいつもより楽しいものに感じられた

結局おじいちゃんとはシティに行って改札を出るまで1時間半近くずっと話続けて、そのあと私たちが乗る予定だったトラムの乗り場まで教えてくれた

とても親切にしてくれて、楽しい時間を過ごさせてくれた

Thank you so much, nice talking with youと言うと

You are more than welcomeとやさしい笑顔で言って「またね」と日本語で言って軽い足取りでシティに向かっていった

He was the one who made my day.




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