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20210606 養老天命反転地

こんにちは。旅行3日目です。今朝は富山県高岡市にいます。

本当は晴れていたら朝4時半(?!)に起きて、雨晴海岸という”海の向こうに山が見える”絶景の海岸に行こうと思っていたのですが、寝るのが2時になってしまい断念。実際起きたら曇りだったのでちょうどよかったといえばちょうどよかった。自戒の宿題とします。

ということで、7時前に起床し、支度。テレビをつけたらちょうどドラえもんがやっていて、さすが藤子・F・不二雄の出身地、高岡市だなとなりました(?)完全に偶然ですが、これはうれしい。

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よりによってままごと中。

ドラえもんを見ていたせいか?なぜか時間がなくなり、バタバタしながら出発。朝ごはんも食べずに8:05高岡駅発名古屋行きのバスに乗り込みます。富山とはこれでお別れ。最後におみやげ買ったり朝ごはん食べたりしたかったのですが時間もなく、お店もあまり開いておらずで叶わず…。名古屋に降りてきてからも景色に立山連峰が無いことに違和感があるくらいには富山のことが好きになってしまったようなので、また来ます。

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ラスト高岡。曇り。

名古屋までは東海北陸道というわりと最近出来た高速道路をひたすら南下することでたどり着くことが出来ます。本当は高山本線で特急ひだに乗っても旅情があってよかったのですが、富山始発のひだは本数が少なく、なんならバスだと3時間半を3000円、特急だと4時間を7000円ということで流石にバスを選択。ちなみに一番早いのはしらさぎに乗って米原経由で新幹線で行くルートが3時間で10000円です。

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田舎のバス特有、イオンモールに高速バスのバス停がある

ただ、かなりの山奥を走るのは高山本線も東海北陸道も一緒。通っている場所が違うので、こちらはこちらで合掌造りの集落が見えたりして思っていたより楽しい車窓。

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白川郷は見えませんでしたが、こちらはぎりぎり富山、菅沼の合掌造り集落。こんなに見えるのかと驚きました。トンネルを抜けた谷あいに突然現れたので、サプライズ登場といったところ。

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庄川沿いの大自然を駆け抜けていきます。滝すら見える。

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ひるがの高原サービスエリア。

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徐々に開けていき、居眠りをしていたらあっという間に濃尾平野。11:40に名古屋駅に到着です。

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大大大都会ですね。富山から来たぶん余計に大きく見えます。名古屋に来るのは3回目くらい。観光地がないと言われる名古屋ということもあり、今回も名古屋に来るとか言っておきながら結局名古屋市内を周る予定はありません。行きたいところはあるといえばあるのですが、タイミングが合わず。

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人もたくさん。久々にこんなに人を見ました。私も名古屋駅で友人と合流。

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暑くなってきたので駅ビルのきしめんよしだでちらしきしめんをいただきます。これとは別にかきあげきしめん(ちょっと高い)などもあったのですが、すでにこちらにかき揚げが載っているということで、メニュー設定が謎でした。おいしかったです、ただ咀嚼タイムが長くなるので友人と行くのは合わないかも(コロナ的には良いのかも)。

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関西線に乗り、桑名へ向かいます。三重方面のメインルートは近鉄かと思っていましたが、JRのほうが安いんですね。もしかしたら近鉄で安く行く裏技とかあったのかもしれないけど。

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人生初の三重、乗り換えのみで終了です。ありがとうございました。三重って新幹線も通ってないからわざわざ来ないと降りようがないですよね。伊勢方面もいつか行きたいですが、私がよく目的地にする西洋絵画・現代アートの美術館があまりないので、よし行くぞってならないエリアです(こういうエリアにはほかに九州南部、和歌山、愛媛・高知、北海道などがあります)。

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養老線に乗り換え。ここまで来て東急の車両か(東急沿線生まれ)。

養老線は三重県の桑名と岐阜県の大垣を結ぶローカル線で、以前は近鉄だったものが2007年に第三セクターに移行されています。運営はなかなか厳しいみたい。車窓はど田舎でもなく、かといって大きな街もまったくなく、微妙に民家があるみたいな駅が1時間くらい続きます。

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揺られること40分、養老駅に到着。本当にここに観光地があるのか…?という空気感。わりと急な坂を頑張って10分ほど登っていきます。

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すると、徐々に人の姿が見えてきて、養老公園に到着。

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途中ツバメの巣がありました。階段があるせいで人の目の高さくらいに巣があって、じっくり観察できる。ツバメのヒナの目ってちっちゃいんですねえ。

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ということでやってきました養老天命反転地。ここは芸術家の荒川修作と詩人のマドリン・ギンズの夫婦が作った大規模な芸術作品、というか公園みたいなところです。ずっと来たかったので来れて嬉しい。

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傾斜や起伏に富んだ作品内を子どもも大人も楽しそうに(時に大変そうに)歩きまわっています。水平や垂直が極力排除することで人をよちよち歩きの子供の状態に戻し、我々の知覚を再構成するのが目的なのだとか。よく「子どものクリエイティビティはすごい」とか言いますけれども、無理やり子供にさせてしまおうと。ある種ワークショップ的なきらいがありますね。

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どれがなんという作品か、どのように体験するかとかも一応あるといえばあるのですが、荒川修作はまじで何を言っているのかわからない(インタビュー動画です。改めて見てるけどまじでわからなくて笑ってる)ということもあり、あんまりそれに従っている人はいない感じ。目をつぶって歩けとかありますからね、超危ない。みなさんひたすら環境に応じて思い思いに体を動かしています。それが本当に良い。わたしもそう。斜面があるとわりと登りたくなるタイプの人間なので、かなり楽しい。こんなところで頭でっかちになっていられません。ただ、かなりめちゃくちゃ危険です。危険だからこそ動物としての本能みたいなものがアクティベートされて、子どものようになるというところもあります。

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すれ違うのもやっと(ほんとうにやっと)なほっそ〜〜〜い道を進むと、展望台があります。

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養老天命反転地全体が見えるほか、名古屋方面まで見渡せます。作りとしてはすり鉢状になっていて、そのなかをみんなうねうねと動き回っています。

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写真だとまじで全く何も伝わりません、これ。おもしろい、とかじゃなくて「楽しい」に全振りなんですよね。コンテンツではなく、自分自身が主役。心のテーマパークという別名がつけられていますが、まさしく。荒川修作+マドリン・ギンズは身体感覚を変革することによって死を克服し、運命を反転させることができると考えていました。死なないことをテーマにする荒川修作すごいな、と思ってしまいますが、この空間に来ると本当にみんな”生き生き”しています。カップルで来ても片方だけめっちゃ動いてたり、子どもがペットボトルを斜面に落として拾いに行ってたり、人間観察をするのも楽しい場所。

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見上げると日本列島があったりします。荒川修作は岡山の奈義町現代美術館でも見たことがありまして、そこでは龍安寺の石庭をテーマにやっているので、日本というもの、日本人というものは何なのかということを一つテーマにしているなと思います。再照射というか、海外を見て海外で活躍してきたからこそできることでしょう。といったところで、ちゃんと荒川修作をやってちゃんと芸術作品として養老天命反転地を見るのも楽しそうではありますが、その気持ちでここに来たとしてもきっとそんなことを忘れて楽しんでしまいそうな気がしますし、それがここの本質な気がします。

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ちょっと別の視点から見てみますと、養老天命反転地が出来たのは1995年。養老公園という県営の公園の中にあるので、岐阜県が税金で作ったということになります。箱物行政の時代ですね。県民のお金を使ってこんな危険なよくわからないものを作ったわけですから、結構批判もあった模様。

ですが、近年では映画「聲の形」に登場した(らしい、見たことない)こととか、星野源とかの有名人が来たりだとか、そして何よりインスタ映えスポットとして、来場者も2014年ごろの80万人を底に増加し、令和元年には130万人を記録しています。芸術作品をどのように受容するか、結構苦言を呈している人もいますが、私はこの養老天命反転地ではインスタ映えを目的としてここに来ることがそこまで悪いことだとは思いません。目的がなんであれ、否が応でも身体で体験せざるをえないのがここの特徴な気もしますので、むしろそれは良いのではと。荒川修作、たぶんこれは許してくれるんじゃないかな。ただ、ここが現代美術の入口になるかというと、なかなか難しいのではないかと思います。いかんせん荒川修作が何を言っているのかわからないのもあり、文章として解説があるわけではないし、現代美術として受容するのが難しい。結果的に利用の仕方としてはただの公園、あるいはチームラボの延長になってしまっている印象。

あとは単純に、片手にスマホやカメラを持った状態でここを移動するのが危険すぎる(私は片手にスマホ、片手にカメラを持っていましたが)。運動靴とヘルメットの貸出はおこなっているようですが、運営の仕方として、荷物を全部預けるだとか、靴をしっかりチェックしてボウリングのように靴を基本的に全面貸出にするとか、軍手を無料で貸し出しするとか、そういう工夫が必要なのではないかと感じました。

ちょっと寝起きなこともあり思考が適当ですね。またなにか思うところがあれば改めて書くかもしれません。

本当は養老の滝という滝が30分ほど歩くとあり、いろいろ伝説があるようなのですが、1時間半養老天命反転地を動き回ってかなり疲れてしまったため名古屋に戻ります。

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この「養老」、「香港」に見えませんか?友人に聞いたら、「いや見えない」って言われた1分後に「見えてきてしまった」って言われ、勝ちました。

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レトロな車両の養老鉄道。

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初の大垣。岐阜県第二の都市ということで、高岡となんとなく似てる。高岡よりは人がいました。ほとんど前調べもせずになんとなく寄っています。

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湧水が豊富で長良川が流れているために水の都と呼ばれている大垣。水まんじゅうが名物なのだそうです。

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あんずと普通のあんこ。あんずかなり美味しかった。

名古屋に戻り(30分ほどで来れるんですね)、友人とご飯を食べるか迷ったけど解散することに。一人で味仙へ向かいます。台湾ラーメンは以前来た時に食べたことがあるのですが、味仙は初めて。

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台湾ラーメンと青菜炒め。それぞれ850円ということで、割と値が張ります。スープを一口、まじで辛い。思ってた以上に辛くて驚きましたが、がんばって食べきりました。おいしかった。

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ということで、ビックカメラの等間隔ロゴを見つつホテルへ。19時半ごろにチェックインし、ベッドで寝落ち。23時半まで寝てました。ひどい。

1日の行程として見ると養老天命反転地しか行かず寂しい感じではありましたが、養老天命反転地のインパクトがとても強かったのと、久々に友人に会えたということで良い一日でした。それでは。

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