ここが私の居場所
久しぶりに旅行をした。楽しかったが、帰ってきてなぜかホッとした。
自分の任地はやっぱり居心地がいい。
なんでもない街だけど、ここは私の居場所だと感じる。
最初は腹が立って仕方なかった野次も最近は無くなった。
すれ違う人々もだいたい顔見知りになった。
「昨日も魚だったよね⁉︎」と言えば、照れ臭そうに笑うおじさん。私たちは独身同盟。
道を歩けばどこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
「うちに寄ってって〜」と叫ぶおばちゃん。
「もう遅刻してるから、急がなきゃー!」と叫んで返す私。
挨拶代わりの冗談で日々を生きている。
私を受け入れてくれる家族の存在は大きい。
行くたびにコーヒーとお菓子をくれて、
近所のゴシップ片手に、みんなで日向ぼっこ、
風邪をひけば、「早く帰って寝なさい」と言い、
家族の誕生日には、一緒にケーキを食べる。
私が「おかあさ〜ん」と呼べば、疑いなく返事をするマダガスカルのおかん。
当たり前のように買い物や息子の学校のお迎えを頼んでくるのは、もはや娘認定されているからであろう。
そして、ちびっ子は私の顔を見ると飛び跳ねて駆け寄ってくる。
少し見ないだけで、「寂しかったんだからね」としがみついてくる同僚のおばちゃん。私のやりたいことをいつも理解してくれて、活動の手掛かりをくれる。
それは、それは、嬉しいことで。
協力隊の活動は難しい、何をしたらいいかなんて、ずっとわからん。
でも、ここで出会えた人たちのおかげで、協力隊のコミュ開でここに来れたことを誇りに思う。
あと8ヶ月、今の幸せを噛み締めたい。
そして、これが私があまり旅行をしない理由。
大切な人と過ごせる時間はそう多くはない。