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下北沢の肌触りはドロドロとした青春だ

はい。今日も今日とて更新です。かっこつけたタイトルになっちゃいましたね〜。恥ずかしいことをドヤ顔で言えるようになりたいんで、これも練習ですわ。

毎回目を通してくださってる方、今回初めて目を通してくださってる方、みなさま本当にありがとうございます。
「どれくらい読まれているか」
「どう思ってくれたか」
というのが、ほとんど分からないのが不安にさせる瞬間もあるんですけど、
楽しんでいただけてると祈りながら、今日もまずは自分を楽しませるために、公演の合間に下北沢を散歩しながら、親指をカタカタしております。
では、今日も始まります。


町にも肌触りがある。
地形、並ぶお店、住宅街、そこに集まる人々。
いつから下北沢が「演劇のメッカ」的となり、人が集まるようになったか僕は全く知らない。

なんとなく下北沢と言えば
「劇場」「ライブハウス」「古着」「カレー」「広場」というイメージがあるけれど、誰からも教わることなく東京の生活の中で、自然と知っていくのだから不思議だ。

下北沢には、「ドロドロした青春」みたいな肌触りがある。

すれ違う人たちがそう感じさせるのか、立ち並ぶお店がそうさせるのか、それともその他の何かなのか。きっとその全てなのだろうけども、独特のこの肌触りは嫌いじゃないぜ。

本日は昼公演のみで、そして日曜日、ということもあってか、ありがたいことに満席となった。開場してから開演直前まで行列が続いていた。(窓口が一つだったせいかもだけれど)
その光景にはやっぱりグッとくるものがある。開演5分前には客席がパンパンになっている。客席の人々を見ながら、なんだかほつほつ、と言いますか、ほくほくするような高揚を感じた。僕自身のほくほくと、お客さんのほくほくもきっと。というのも、
「うわ、人多いね」
と呟きながら入っていくお客さんの声が聞こえてきたのだ。(コロナ的な意味ではないよ。)
ちなみにコロナ対策はできる範囲で徹底している。入ってすぐ消毒、検温、客席の距離を従来よりも離し、希望があれば一番前の席の方にはフェイスシールドの配布を行う。僕を含めた受付スタッフはゴム手袋をして、お客様と対応する。毎回、公演が終わるたびにエタノールを吹きかけフキンで拭く。もうコロナもイチコロよ。

先ほどの
「うわ、人多いね」
という台詞は「コロナやばそう」
とか全くそういうニュアンスはなく、
「盛り上がってるね」
というニュアンスだった。

人が集まる屋台を見たら
「お、なになに?楽しそうやん?」
的な、そういうときのワクワクなのだと勝手に想像している。

やっぱり多くの人が来てくれると嬉しい。
そうするとお客さんもボルテージが上がるし、役者や運営側もボルテージが上がる。

なんだか客席が昨日よりも賑やかに話している気がする。でもそれはきっと今日の天気がぽかぽかで、日曜日の昼下がりということの方が大きい理由だと思う。でもええねん。客席で楽しそうにしてるのを見てるだけでもう楽しいねん。


劇団アナログスイッチの開演直前の音楽
「日曜日よりの使者」が流れ始める。
あの冒頭のギターの音はこれから「現実」を離陸して、「物語」という空に飛び立つような気持ちにさせてくれる。

落ち着いてから、僕は下北沢の町に繰り出す。特に目的があるわけでもなく、ただただ町の質感を味わう。今日は天気のいい日曜日ということもあって、子連れの人も多い。相変わらず子どもたちは何をしてても踊ってるようにしか見えない。「さすがや!」と、道ゆく子どもたちに心の中で感動しながら、変顔をおみまいする。そうすると、大抵子どもは、どうしていいか分からない、何をしていいか分からない表情でこちらを見つめる。はたから見たらただの変人なのかもしれないが、僕はプロだ。子どもにしか分からないように変顔を完遂する。ミッションコンプリート。

ふらりと入ったカフェは下北沢の駅前を見下ろせる場所で。昼下がりの熱めの暖かい日光が差し込んでいた。しかし、特筆すべきは絶景でも陽の光のことではなく、トイレだ。おしゃんにライトアップされたトイレはK-POPのMVにでも迷い込んだかと思わせる感じだった。


カフェでくつろぎながら文章を書く。
公演もそろそろラストスパートの時間だ。
そろそろ劇場に戻らないと。



下北沢の町の肌触りはドロドロした青春だ。
快晴の中、劇場にトボトボ歩きながら、町の質感を再確認する。



P.S
僕ら劇団アナログスイッチの公演は明日が千秋楽になります。チケットに若干余裕があるみたいなので、興味を持っていただけた方、ご都合の合う方はぜひぜひ劇場にお足を運びいただけたら嬉しい限りです。予約はこちら
「みんなの捨てる家」というタイトルでコメディの作品を上演しています。作品について、劇団についてはこちらにも書いてあるので、ぜひ読んでみてください。楽しく切ない作品を愉快な俳優たちと作り上げております。

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