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届かない手紙

郵便を出すのが苦手だ。

そもそも封筒に何かを詰めたり一言メッセージを添えるなどの一連の作業のハードルが私には高いのだか、たとえ準備ができたとしても、いつもポストにインするのが最大の難関である。

なんとかその郵便物が家を出られたとしても、何日も我がカバンの中で、徐々に磨耗し衰え、ハリを失っていくのだ。
そんな郵便物からの無言のプレッシャーを常に感じながら、そしてそのものの到着を待つお相手に対して心苦しさは当然あるのに、最後の一押しのポストにインだけができない。

ただ、先日はお金をすでにいただいていて商品を送らないといけなかったので、さすがに頑張って、一人で家ではできないのでわざわざ行きつけのカフェで作業をして(ちなみにセロハンテープやハサミもお借りして)、なんとかポストインもできたのだ。


誇らしかった。

自分を褒めたい、と思った。

これで社会人としての責務は全うした、やればできる子、たまんな。

苦手なことはしない、と言いながらも、やれたじゃない。


そしてその封筒が、

二日後、うちのポストに届いた。

切手を、貼っていなかった…。

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