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小説

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記事一覧

【SS】金木犀の眠る墓【短編小説】

金木犀、私はお前が嫌いだ。 お前は秋になると必ず現れるから。新しい季節を告げる甘ったるい…

【4000字】くしゃくしゃの天使【短編小説】

前書き こちらは↓の小説『片羽のアゲハ』のサイドストーリー・ミサキ側のお話となります。 …

【5000字】片羽のアゲハ【短編小説】

前書き こちらは↓の小説『くしゃくしゃの天使』のサイドストーリー・ユカリ側のお話です。 …

【5000字】あれから僕はキャンデーを舐めるのをやめた【短編小説】

初恋はレモンの味、というのは本当だと思う。 その証拠に、僕の場合はレモンキャンデーの味だ…

【短編】月のみこは、たまゆらに。 ー後編ー#note創作大賞応募作

若菜は、衣が乱れるのも構わずひたすらに回廊を駆けた。 息切れの合間を縫うように、巫女見習…

【短編】月のみこは、たまゆらに。 ー中編ー #note創作大賞応募作

若菜は、まるで見てはいけないものでも見てしまったかのように青年から視線を外した。 …いや…

【短編】月のみこは、たまゆらに。 ー前編ー #note創作大賞応募作

ーーその瞬間、彼女はこの世でもっとも美しいものを見たと思った。 彼女ーー若菜は、大巫女に言い付けられたお遣いのためにいつもの居所を少し離れたところまで来ただけのつもりだった。 今日は月が明るいな、なんて思いながら呑気に歩いていたら、今まで聞いたことのない笛の音がしたのだ。 微かに聞くだけでも、風雅な名人の調べだとわかるほどにその音は澄んでいた。 つい、若菜の好奇心は引き寄せられてしまった。 この神社にそれほどの笛の名手がいたとは。それどころか、こんな奥まった所に人が住んで

【短編】『君は巡らない』

ーー終わりがあることを知っていたなら、何か違っていたのだろうか。 変わったのかもしれない…