ゲラニオール代謝について
前回書いた、Whirlpool Hopについての関連で
今までに何回も調べては、ほうほう、そういうことか!と頷き
またすぐ忘れる、という所業を繰り返してきた
「biotransformation」(生体内変換) について
またすぐ忘れるだろうから書き残しておこう、という感じです
今回紹介したいのがこちらの2つ
これ、多分ブルワーなら読んだことある人多いと思います。
これをベースに、今日のメモ書きを進めていくくんですけど、
大前提読み進めていく上で最初わけわかめな言葉がいくつも出てくるのでさらっと解説
"モノテルペンアルコール"
ざっくり、代表的なホップの香り成分グループ名
代表的なものは、ゲラニオール、リナロール、シトロネロールなどがある(下記リンクがそれぞれの成分についてめちゃくちゃわかりやすく教えてくれてるのでそれ読んでください)
"biotransformation 生体内変換"
酵母が発酵する過程の中で、(ビールでいえば)ホップに含まれる成分を、違う成分へと変換させるプロセスのこと。
では、本題に入ってこのクソ長い論文を読んだ内容のメモと結論。
要は、geraniolが代謝されてβ-citronellolになるよね、
このβ-citronellolって元からホップに含まれる成分では存在しないから、
geraniolが含まれてるホップをbiotransformationさせないといけないね
しかも、このgeraniol→β-citronellolの時
一部geraniol→ linaloolもされてて、
ってことはつまり
geraniolを発酵後期で入れてβ-citronellolとlinalool増やして
発酵終わった後にもういっかいgeraniol補給してあげたらビール中に
主要なモノテルペンアルコール3人ともいるやん!やったー!!
こんな感じです笑
ちなみにこのgeraniolがめちゃか含まれてるホップとして有名なのがMosaic
だからみんなブルワーはMosaic使いがち(なんですよね?(笑)
ちなみに、ワールプールで入れる場合はどうなの?的なところでいうと
geraniolの残存量だけでいえば発酵初期にめちゃくちゃgeraniolの含有量が減るみたいだから
個人的には発酵後期がいいんじゃないかと思っています!
そこらへんの実験も行われてて、前述の記事も読み進めていくと
ホップの投入タイミングを3つに分けてやっていて
①酵母添加前(冷麦汁)
②主発酵3日目
③主発酵終了直前
使用したホップはgeraniolを多く含むCascade、Bravo、Mosaicの3種類
結果は、
geraniolが一番残存するのは
③主発酵終了直前 (②も割と残る)
linalool、β-citronellolは①②③いずれのタイミングでもほぼ同じ量残存
結論
geraniol、linalool、β-citronellol3種を全てを多く残すためには、発酵後期にgeraniolを多く含むホップぶちこむ!
geraniolがそんなにいらないなら
ワールプールでぶちこむ!
こんな感じですかね?
今回の記事、2回目にしてはめっちゃ内容のボリューム多くて、ほんとはもっと丁寧に解説したかったんですけど
本当に書くこと多すぎて吐きそうだったのでこんな感じにめっちゃ軽くまとめちゃいました
あと、個人的にはじゃぁ発酵後期でしかドライホップしないのか?と言われたらそうとも思っていません
ワールプール、発酵後期、発酵終わり
ホッピーなビールつくる時はだいたいこんな感じでホップを投入するタイミングは分けてます
理論的に説明しきれるわけじゃないんですけど、感覚的には
ワールプール→ホップの味の基盤
発酵後期→biotransformationの最大化・酸化防止といった観点でも有用
発酵終わり→香りが乗る(けど軽い)
みたいに思ってます。
あと、一度のドライホップで済ませるより
二度に分けた方がホップの嫌な草感とか、辛い感じが軽減するとも思ってます
そんな感じで今回は終わりです!
次は何書こうかな〜
リクエスト待ってます!笑