昔住んでいた町のこと。
お疲れさま、元気してた?
佐々木です
今日は少し近くに寄ったので、以前住んでいた街へ
なんかそういうのってない?
何も理由なんかないんだけどさ、前に住んでいた街を見に行きたくなる衝動
降り慣れたホームの改札
路地裏の商店街
安い八百屋の大きな声
焼き鳥屋の匂い
全部が当たり前だったのに、全部が懐かしくなって
まるで古い映画のなかを歩いているみたいに
記憶と感情がゆっくりとリンクする
近所の飲食店が潰れていたのに、いつも鳩に餌をあげていたおばちゃんのタバコ屋だけ門構えが新しくなっていた
人の寿命から生まれたお金が、最終的に鳩に行き渡って空を飛ぶ
そんなことを考えながら歩いているとそこは前に住んでいたマンション
当時は新築マンションだったので部屋は選び放題
空いているならと最上階に住んだ
部屋の景色も間取りもほとんど変わらない
なんならエレベータが来るのが遅いだけ不便だった
それなのに地味に上がる家賃で僕はいったい何を買っていたのだろう
今はどんな人が住んでいるのかな
最上階を選ぶような見栄っぱりとならば、いつか乾杯してみたいな
そして会計は僕が少しだけ多く出すのだ
「だってその部屋の先輩は僕だから」とこれまた見栄をはるのだ
あの頃の僕に負けない生き方をできているだろうか
いつだって過去は自分にそう問いかけてくる
ライバルは他人じゃない、ライバルは過去の自分だ
直紀が書いてくれたデモに歌詞とメロディをつけてます
今日はとても良いインスピレーションを得た
完成を楽しみにしててね
今日も読んでくれてありがとう
おやすみ
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